平成2年(1990年)3月
いわゆる園部電化と
第3回山陰本線普通客車列車大幅削減等
(平成2年3月10日 園部電化について1)
【修正 令和4年3月9日等】
1 はじめに<個人的事情等>(R4.3.9等修正)
令和2年(2020年)8月のブログ開始後、鉄道に関するブログ作成等のため、ヤフオク等で鉄道関係の資料を取り寄せることも多くなり、また過去の鉄道関係の資料や時刻表について確認することも多くなりました。それにより、平成2年(1990年)3月ダイヤ改正は、単にJR嵯峨野線(山陰本線京都~園部間)が電化されこの区間から普通客車列車が消滅しただけでなく、山陰本線豊岡~出雲市間の普通客車列車が大幅に削減されるという形で、山陰本線に甚大な影響を与えたダイヤ改正であったことに気づきました。同時に、この平成2年3月ダイヤ改正にて、いわゆる「平成6年11月時点における山陰本線普通客車列車運行体系」の原型が山陰本線豊岡~出雲市間にできたことに気がつきました。
そこで、今回は、平成2年3月のいわゆる園部電化と3回目の山陰本線普通客車列車大幅削減及び平成2年3月ダイヤ改正後の山陰本線普通客車列車運行状況(平成2年3月10日 園部電化について1)について投稿します。
2 いわゆる園部電化と第3回山陰本線普通客車列車大幅削減
(1)いわゆる園部電化
平成2年3月、JR嵯峨野線(山陰本線京都~園部間)の電化開業により、京都~園部間の普通列車は上りの1本を除き全て113系電車(湘南色)となりました。編成は、4両もしくは8両編成でした。これが、いわゆる「園部電化」です。
※参考までに、平成元年3月ダイヤ改正~平成2年3月ダイヤ改正前については、9両編成の12系普通客車列車がJR嵯峨野線(山陰本線京都~園部間)に2往復残っていました。
<引用>(R4.1.30追記)
※ヤフオクで入手、出品者了承、転載等禁止
※園部駅で撮影、とのこと。(1990年3月10日以降)
(ソロ鉄ブログ管理者補足説明)
※1990年3月10日の電化開業のヘッドマークが付けられているため、1990年3月10日の113系電車と思われる。、
※この113系電車は、園部駅に停車中の京都行き普通列車
※この写真で確認すると、園部電化直後の園部駅のホームは、1~3番までしかなかったことが分かる。⇒この113系は、2番ホームに停車中。
<参考>
<引用>(R4.2.2修正)
※PIXTAで購入
写真素材: 1996年 山陰線を走る113系普通電車8両
素材番号 : 56805824
クレジット(作者名表記) :F4UZR / PIXTA(ピクスタ)
(写真提供:PIXTA(ピクスタ)…ロイヤリティフリー(RF)素材)
https://pixta.jp/photo/56805824
(補足説明)
・これは、行き先表示から、園部行き普通列車。113系電車8両編成。
・場所は、JR嵯峨野線千代川~八木間(八木~千代川間)
<引用>(R3.3.7追記)
※ヤフオクで入手オレンジカード
(ソロ鉄ブログ管理者補足説明)
このオレンジカードの電車は、113系電車(湘南色)
※(R3.7.11追記)日本国有鉄道ファン氏が令和3年7月に投稿された次のブログにおいて、2002年5月の八木~千代川間における8両編成の113系電車が掲載されておりますので、参考までにURLを添付します。
<日本国有鉄道ファン氏のAmebaブログ>
(3)園部電化による豊岡以西の山陰本線への影響(R4.3.9少し修正)
平成2年3月ダイヤ改正まで、豊岡以西の山陰本線については、非常に多数の普通客車列車が運行される普通客車列車王国(いわゆる客車王国)でありました。しかし、園部電化を機に、(余剰のDC(気動車)が米子地区に流れたこと等により)DC化等が急速に進み、豊岡~出雲市間の普通客車列車は大幅に削減されてしまいました。この山陰本線普通客車列車大幅削減は、3回目の大幅削減となります(1回目は昭和61年11月のいわゆる城崎電化に際しての大幅削減。2回目は昭和63年10月の京都~福知山間の普通客車列車大幅削減)。
平成2年3月ダイヤ改正後の山陰本線普通客車列車運行状況は、次の3及び4の通りです。
3 平成2年3月ダイヤ改正後の山陰本線普通客車列車概要1(豊岡~出雲市間)
(R4.1.30修正)
(1)一覧表等
(R4.1.30修正)
平成2年3月ダイヤ改正後の山陰本線豊岡~出雲市間の普通客車列車の概要は次の通りです。
※この一覧表は、平成2年3月ダイヤ改正から平成3年3月ダイヤ改正前までの概要。
※急行だいせん、急行だいせんの快速区間、寝台特急出雲1~4号については記載略
※平成2年3月ダイヤ改正にて、京都~園部間に残っていた2往復の12系普通客車列車が廃止され(京都~園部間電化のため)、山陰本線における普通客車列車の運行区間は豊岡以西となる。しかし、平成2年3月ダイヤ改正にて豊岡~出雲市間の普通客車列車が大幅に削減される。
※平成2年3月ダイヤ改正後も、浜田~下関・門司については、50系普通客車列車が多数運行(この区間の普通客車列車については、平成3年3月ダイヤ改正にて大幅削減)。
※この一覧表は自分で作成しました。
<平成2年9月 豊岡~出雲市間普通客車列車(H2.3~H3.3の状況)>
・豊岡~米子間は0.5往復(下り1本のみ)
※豊岡~米子間の全区間を運行するのは、下り521レのみ
・鳥取~豊岡間は0.5往復(上り1本のみ)
※鳥取~豊岡間のみの区間を運行するのは、上りの522レのみ
・鳥取~米子間は2.5往復(下り3本、上り2本)
・米子~出雲市間は1往復(下り1本、上り1本)
<急行だいせんの快速区間等については記載省略>
(2)下り「豊岡~出雲市」間(平成2年9月)
4本の普通客車列車(12系及び50系)が運行。(『鉄道ダイヤ情報』(1990年10月号)のP22参照)
〇521レ
豊岡(5:17発)
米子(9:57着)
12系5両
〇423レ
鳥取(5:43発)
米子(7:55着)
12系6両
〇425レ
鳥取(17:22発)
米子(19:51着)
50系4両
〇421レ
米子(7:26発)
出雲市(8:58着)
50系6両
<始発駅、終着駅及び編成のみ記載>
<牽引機は、全てDD51(米)>
<急行だいせんの快速区間等については記載省略>
<425レの50系4両編成(H3.3.16)は、「オハフ50+オハ50+オハ50+オハフ50」、とのこと。オハ50はオハフ50になる場合もある、とのこと。(『鉄道ピクトリアル』(1992年4月号)P48等参照)>
(3)上り「出雲市~豊岡」間(平成2年9月)
5本の普通客車列車(12系及び50系)が運行。(『鉄道ダイヤ情報』(1990年10月号)のP22参照)
〇522レ
鳥取(20:12発)
豊岡(22:22着)
12系5両
〇420レ
米子(5:16発)
鳥取(7:25着)
50系4両
〇424レ
米子(16:25発)
鳥取(18:43着)
12系5両
〇426レ
米子(17:36発)
鳥取(19:59着)
12系6両
〇422レ
出雲市(6:57発)
米子(8:23着)
50系6両
<始発駅、終着駅及び編成のみ記載>
<牽引機は、全てDD51(米)>
<急行だいせんの快速区間等については記載省略>
<420レの50系4両編成(H3.3.16)は、「オハフ50+オハ50+オハ50+オハフ50」、とのこと。オハ50はオハフ50になる場合もある、とのこと。(『鉄道ピクトリアル』(1992年4月号)P48等参照)>
(4)参考「平成6年11月時点における山陰本線普通客車列車運行体系」について(R3.10.19修正)
上記(1)~(3)から、平成2年3月ダイヤ改正後の山陰本線豊岡~出雲市間の普通客車列車運行体系は、いわゆる「平成6年11月時点における山陰本線普通客車列車運行体系」の原型と言えます。(次の#55のブログ参照)。
4 平成2年3月ダイヤ改正後の山陰本線普通客車列車概要2(浜田~下関・門司間)
平成2年3月ダイヤ改正後においても、次のとおり、浜田~下関・門司間については多くの普通客車列車が運行されていました(ただし、平成3年3月ダイヤ改正で大幅削減。これについては別途投稿)(平成2年3月ダイヤ改正以前については今回は記載省略)。
(1)下り「浜田~下関・門司」間
11本の普通客車列車(50系のみ)が運行(『鉄道ダイヤ情報』(1990年10月号)のP22参照)
①841レ
長門市(4:30発)
門司(6:36着)
50系5両
②843レ
滝部(6:10発)
下関(7:19着)
50系6両
③845レ
長門市(5:36発)
下関(7:37着)
50系6両
④821レ
東萩(5:27発)
下関(8:22着)
50系5両
⑤823レ
益田(5:52発)
下関(9:58着)
50系4両
⑥535レ
益田(8:20発)
長門市(10:33着)
50系3両
⑦825レ
長門市(11:19発)
下関(13:15着)
50系3両
⑧847レ
長門市(14:41発)
下関(16:34着)
50系3両
⑨827レ
浜田(12:40発)
下関(18:57着)
50系4両
⑩849レ
長門市(18:15発)
下関(20:21着)
50系5両
⑪831レ
益田(18:55発)
下関(22:46着)
50系3両
※始発駅、終着駅及び編成のみ記載
※牽引機は、全てDD51(米)。ただし、841レについては、長門市~滝部間で後位に回送のDD51がつく、とのこと
※平成2年9月1日の状況
(2)上り「下関・門司~浜田」間
11本の普通客車列車(50系のみ)が運行(『鉄道ダイヤ情報』(1990年10月号)のP22参照)
①824レ
下関(5:52発)
浜田(11:35着)
50系4両
②840レ
門司(7:15発)
長門市(9:30着)
50系5両
③842レ
下関(8:59発)
長門市(11:06着)
50系3両
④828レ
下関(12:46発)
益田(17:08着)
50系3両
⑤830レ
下関(15:26発)
益田(20:05着)
50系3両
⑥832レ
下関(16:43発)
東萩(19:30着)
50系5両
⑦844レ
下関(17:21発)
長門市(19:14着)
50系6両
⑧834レ
下関(18:09発)
長門市(20:11着)
50系4両
⑨836レ
長門市(20:53発)
益田(22:46着)
50系4両
⑩846レ
下関(19:32発)
長門市(21:30着)
50系5両
⑪848レ
下関(22:16発)
滝部(23:23着)
50系6両
※始発駅、終着駅及び編成のみ記載
※牽引機は、全てDD51(米)
※平成2年9月1日の状況
(3)その他(R4.1.30修正)
浜田まで足を伸ばす列車は、824レ~827レの1往復
5 写真資料(R4.1.30、R4.3.9修正)
(1)園部電化後の山陰本線12系普通客車列車の例
<引用>豊岡発米子行き12系普通客車列車(521レ)
※expressworld222氏(Expressわーるど氏)がInstagramに投稿された写真。(使用については、了解を得ております)
URLは
https://www.instagram.com/p/CJiYuvRHPmA/
※これは、余部鉄橋を渡る12系普通客車列車。1993年4月2日に撮影、とのこと。※この12系客車の内容は、豊岡発米子行き12系普通客車列車(521レ)。
※521レの編成は、平成2年3月ダイヤ改正以降少なくとも平成6年12月改正まではこの編成になっている。
(2)50系客車
<参考>
<引用>昭和54年(1979年)12月の50系客車6両編成
※ヤフオクで入手
6 参考 芸備線等(R4.2.6修正)
平成2年3月10日の園部電化に伴い、平成元年3月~平成2年3月の期間にJR嵯峨野線で使用されていた12系客車は、平成2年3月ダイヤ改正後は芸備線及び播但線で使用されることとなりました。
(播但線の普通客車列車は平成4年3月に廃止)
(芸備線の普通客車列車は平成6年12月に廃止)
詳細は次のブログ等をご参照ください。
<参考文献>
・『JR時刻表』(1990年3月号)(弘済出版社)
・『鉄道ダイヤ情報』(1990年10月号)(弘済出版社)
・『鉄道ピクトリアル』(1992年4月号)
・「50系客車山陰本線の力走 倉吉→鳥取間完全収録」(DFアロー)に添付の説明文
・「世にも少ないアコモ格下げとアコモ格上げ両方を経験した車(小ネタ)」(kami-kitami氏のAmebaブログ)(2020年12月)
・「わずか1年だけの華?一瞬だけキハ58系が大量増殖した福知山区」(kami-kitami氏のAmebaブログ)(2021年3月)
・「最終日の思い出(主観注意)」(kami-kitami氏のAmebaブログ)(2021年3月)
<#59のブログの修正履歴>
【修正 令和3年1月26日】
【修正 令和3年2月16日】
【修正 令和3年3月7日、10日】
【追記 令和3年7月11日】
【修正 令和3年10月19日】
【修正 令和4年1月30日等】
【修正 令和4年2月2日】
【修正 令和4年2月6日】
【修正 令和4年2月20日】
【修正 令和4年3月9日】
<参考 Pick1>
※引用箇所の写真について、転載等禁止。
※カバーの写真については、上記引用写真を使用。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。