学者へのインタビュー経験は私の宝物 | ヌース出版のブログ

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『超自分史のススメ』に掲載した私の自分史(第三部)の最後の小見出し部分をご紹介します。


学者へのインタビュー経験は私の宝物

 『学問の英知に学ぶ』(第一巻〜第六巻)には、諸学問の総称としての哲学を前提とした日本最高峰の学者の英知が凝縮されています。何日も前からインタビューする学者の本を数冊読んで質問にまとめ、当日は九〇分程度のインタビューに集中し、後日インタビュー原稿にまとめるという作業を毎号繰り返しました。マンツーマンでのインタビューですから、役得とはいえ本当に贅沢な体験をさせて頂きました。特定の分野を専門的に取り上げたわけではありませんが、日本最高レベルの学問の英知と密接に関わることが出来た経験は、私の人生の宝物になっています。そんな素敵な経験が出来たのも、ヌース出版という会社を守ってきたからだと思っています。そのお陰で六巻全ての学問の英知が私の頭の中に入っています。今回も数カ所で引用させて頂きましたが、こうした形で今後の私の執筆活動等にも活用させて頂きたいと思っています。
 今回の最後の引用として、世界的な科学者である西澤潤一先生のインタビュー記事「暗記ばかりやっていると、思考能力が低下する」の一部をご紹介致します。

「暗記だけしていればいいというのはローレベルな教育ということですが、その暗記と創造とは、どのように関係してくるのでしょうか」という私の質問に対して、西澤先生は次の様にお話し下さいました。

「だいたい学問というのは、暗記から始まるわけですよ。ところが、暗記をあまりにもしすぎると、ものを考えなくなるんです。だから、暗記の量には適量があるんですよ。ここまでの暗記なら非常に創造性が豊かに展開されるし、思考能力が同時についてきて、ものを考えるようになる。そこから、新しいものを展開していくわけですね。知識が適量だと、知識がつながってくるから、変な現象が入ってきたときに、「これはおかしいぞ」と思うんです。ところが、バラバラな知識がいっぱいあるだけだったら、「ああ、こんなものもあるのか」で済んでしまうんです。今までの知識が充分につながっていればこそ、「これはおかしい。変なものが出てきた」と思って調べるんですがね。頭の中がバラバラだと、疑うこともしない。そのように、思索をしているかしていないかによって、非常に対応が変わるんですよ。」
     『学問の英知に学ぶ 第一巻』「十一章 日本を救う教育哲学」【ヌース出版発行】

 西澤先生もお亡くなりになられましたが、日本から科学技術が無くなると日本人は飢えてしまう、といったことを危惧されておられました。憶えているか憶えていないかをチェックするローレベルな教育を、戦後にアメリカから強引に押し付けられた。その為に日本の創造性が奪われた、という主旨のお話でした。そのローレベルな教育を、後押ししているかの様な日本のクイズ番組。高学歴な人たちがいつまでも、膨大な量の知識や情報の暗記に躍起になっている。最も影響力のある日本のテレビ局が、そんな暗記ヒーローを生産している。そんな暗記ばかりをしていないで、まずは自分史をつくることから始め、自分の善き個性を見出し、世の為、人の為になることに優れた頭脳を使って頂きたいと思っています。

     『超自分史のススメ』(第三部 思い込みと失敗と挫折を繰り返して社長になった)<133頁〜135頁>【ヌース出版発行】