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文系の…

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『カメラが欲しい』新潮文庫 尾辻克彦⇒赤瀬川源平著 昭和61年刊行
まだカメラブーム到来前夜、ミノルタからAF一眼レフが発売された時期にカメラ雑誌に連載執筆された。著者は目利きや好事家が陶器の金継ぎを愛でる発想をカメラへ持ち込んだ。そして、作家らしい叙情を込めたカメラ描写は、以後のカメラブームの呼び水となったはずだ。著者による出版されたカメラ随想の本は数多いが、私は一冊あげるなら本書に尽きると思う。

理系なら…

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『カメラと戦争』小倉磐夫著 朝日文庫 2000年刊行。中古カメラブームとは別の視点で纏められた本書は技術史としても興味深い。技術開発と背景への言及は光学兵器と戦争の関係を紐解く。皮肉な結果を招いた光学兵器が戦後のカメラ開発で花開く過程は、やはり平和である事の恩恵を感じる。また、要所に技術者の立場へ深く言葉を尽くしており、単に企業の構成員で収まりきれない開発者の運命というものは、共感をもって余りある。

理系と文系の違い

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カメラ随想の本は中古カメラブームにより幾多刊行された。しかし、現在の目で再読に答える本は少ない。その中で挙げたいのが『カメラと戦争』小倉磐夫著 朝日文庫
と『カメラが欲しい』尾辻克彦⇒赤瀬川源平著 新潮文庫の二冊。