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日本人が憧れるモノ

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『めざすはライカ!』
神尾健三著。草思社
数年前に古本屋から格安で入手。本書でカメラ工業史を記している著者も技術者の一人としてライカに憧れ、背中を追っていた。その道程は日本人の戦後と産業史を雄弁に語っている。日本のカメラが優れた製品に発展した過程を再認識すると同時に、現在もライカを賛美する人々が絶えない理由も、実は日本人特有の美意識から生まれる発想と土壌に基づく結果に違いない。

ミスっち。

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ブログを見ていたら、うっかり自分でペタしていた。まったく…。

今夜の友 (続)

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『私にとっての二十世紀』加藤周一著。岩波現代文庫。筆者は、死の迫る戦時下で能楽を見、深く引き込まれた動機を語る。『…死が迫ってくると、演劇でも二次的なものを擦り落とした、骨格だけの人間の劇がよくなってくるのです。そこに感動するようになる…』確かに能の演出には生死の対立軸を表現した作品が多いのです。しかし、現在の私たち観客には切迫した現状は皆無であるため、著者の語る能楽の魅力や美学には無自覚であった、と思います。戦時と戦後には運命への意識差に隔たりがあり、大きな障害ではないかと感じます。