今夜の友 (続) | HOODのブログ

今夜の友 (続)

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『私にとっての二十世紀』加藤周一著。岩波現代文庫。筆者は、死の迫る戦時下で能楽を見、深く引き込まれた動機を語る。『…死が迫ってくると、演劇でも二次的なものを擦り落とした、骨格だけの人間の劇がよくなってくるのです。そこに感動するようになる…』確かに能の演出には生死の対立軸を表現した作品が多いのです。しかし、現在の私たち観客には切迫した現状は皆無であるため、著者の語る能楽の魅力や美学には無自覚であった、と思います。戦時と戦後には運命への意識差に隔たりがあり、大きな障害ではないかと感じます。