昭和の風景
先ほどもアップした昭和の井戸…まだ現役のようでもあり。
しかし…以前の風景って、どんな景色だったのでしょう。
この井戸の周りに民家があって新宿に向かう中央線が土手の上を駆け抜ける…たぶん、見晴らしの良い沿線だったような気がします。
何となく、刑事ドラマで犯人役が追いつめられるロケ場所に似合いそう。
意外と、もう使われたかも…やはり『太陽にほえろ!』でしょうかね。
犯人の青年は、新宿にある『曙荘の二階三号室』に住んでいて、職業はバーテン、故郷は小樽…。
で、名前はナントカの義男、信夫が多かったような。
そうさ、時代劇なら悪代官の名は『乾勘兵衛、勘定奉行は大和田左内』と決まっている…。
そんな昭和が恋しい年代に、私もなってしまいました。
人への伝承文化
昨日、代々木から南新宿界隈を歩いて感じたのは、見慣れた昭和の風景が残骸のように朽ちて行く風景でした。
アパートや古い住居が廃墟のように冷たく、置き去りになってゆく。そこに、都会に背を向けるように老人が独居していました。
地方、都会に区別無く老人には行くところがない…一部の富裕層を除いて、老人には住むところを変えられない困難があるんですね。
私は建物が廃墟に朽ちて行くのは、風景から眺めた時間現象の考察として好きです。しかし、人を廃墟化してしまう状況は文化の終焉を招く危険を感じるのです。
私は、能や歌舞伎などは新旧世代の情報を、混交を繰り返しながら継続する構造だと見ているので、人の老いを切り捨てる社会は大切な古典文化土壌を滅ぼすと考えるからです。
能『姨捨』は、月の光に埋もれる老境を美しく描いています。
老いは…確かに醜いが、そればかりが老境ではない。
そういう意識感覚を失うと、単なる姥棄山に国全体が成り果てる予感がします。
新宿裏
風邪気味で発熱中で体が何となく重い…でも天気が良い。
写真用品の買い出しを済ませて南新宿あたりを散策。
新宿御苑裏を歩くと、この界隈には意外と古い家屋が残っています。
空襲で焼けずに生き抜いた建物でしょうか。その一角に昭和初期か大正時代と思う廃屋がありました。
廃屋というと、すぐ怨霊だの怪奇スポットとか言い並べますが、それは歴史に対する冒涜です。
さて、この廃屋…南に面した庭に大きな欅が一本あり風景を作っています。
かって、二階縁側から眺めた夕暮れは素敵な風情があったと思います。
裏は御苑ですから、本当に静かで落ち着いた街並みだったはず。しかし、家屋の北側は軒が崩れてしまい、壁には蔦が這い回る…少しだけ怪奇趣味でしょうか。
ただ…この状態で、人がすんでいる気配があって…やはり人間が一番怖いな…と思いました。





