早贄と雪
昨年、実家の庭で見つけた『百舌鳥の早贄・はやにえ』
場所はバラの枝に、見事に突き刺さったトカゲの姿…。
晩秋の季語として代表的なシーンだが、身の回りにあっても意外と気づかないものだ。
早贄には諸説あるが、百舌鳥特有の遊びの一つなのだろう。
トカゲ君は災難だったが、それも大自然の営みには違いない。
積雪の多い地方の伝承には、早贄を仕掛けた場所の位置や高さで積雪が予測出来るとも言う。実家は北関東にあるから、ほとんど積雪はなく、この伝承を確かめる術もない。
もし…積雪があるならば、早贄は1メートルくらいの場所にあったから、その下の地上50センチあたりまでは降り積もる…はずだ。
そして、北関東に50センチの積雪となれば、間違いなく生活インフラは破綻する。
二十年前くらいに10センチくらい積雪があった日、近所のコンビニから商品が消えた。道路が使えなくなって搬入が不可能。確かに関東地方は、積雪対策は皆無に近い。
まぁ、そんな時は…このトカゲを食べなさい…という百舌鳥のメッセージという事か。
色
初詣は正月元旦らしく迎えたが、何故だか気分が塞ぎ込み。部屋に引きこもる。
夕方、久しぶりに買い出し出た。正月が終わり、近所のスーパーで半値以下で売られていた橙(だいだい)。
一個試しに買ってきて眺めている。懐かしい柑橘系の香りがする。かなり酸味が強い果物であり、もちろん生食は不可能だろう。
例えば、ビールに搾って楽しむとか、煮込んでジャムにするとか。あるいは酒に漬けるか…。
いや、違う。私は『橙色』を楽しもうと思い、買ったのだ。
そもそも、橙色って何だ?
子供の頃は、何となく蜜柑の色合いと考えていて『オレンジ色』と大差ないと思い込んでいたが、こうして『橙』を眺めてみると、いささか色彩の深みが異なるようだ。やはり人工的な色ではないな。
生の果物である以上は、いつまでも永続しない。それが季節の色であり、時の色なのだ。


