休みだ~~~~。

久々の休みに舞い上がる俺である・・。

実家に一時帰郷と朝寒い中、布団を蹴り上げ、部屋を出る。

車のキーをまわし・・実家にGO~~~~。ヒロミGO~~みたいな。

しかし今日は・・親の小言がしつこいくらい多かった。

まぁ・・今後の生活の計画を明確にしていない俺も悪いのだが・・。

とにかく俺の親は、はやく新しい彼女をみつけ再婚してほしいみたいだ。

なぜか・・友人・知人の話は普通に聞けるのに、なぜかそれが親になると耳が痛くなり思ってもいない暴言をはいてしまう。

「あんた、これから、ずーーと一人で生きていく気?」

「そのつもりだけど・・。」

冗談めいた笑いとともに返答した。

「じゃあ、だれに、あんたが歳とったら面倒みてもらうの?」

「いいよ。老人ホームいって一人で孤独に死んでいくから・・。」

「老人ホームっていっても、タダじゃはいれないのよ。あんたどうするの?」

どう答えてもマイナス思考の質問のオンパレードの俺の母親である。

俺も最後は負けたといわんばかりに・・、

「うるせぇ~~なぁ~~。」

と・・今日も気分悪く実家から帰ってきました。

とにかく彼女よりも今は自分の部屋にコタツをつくろうと・・せっせと掃除してます。


あ~~あ・・今月で俺も36歳だ~~~。

歳を重ねるごとに悩みが増えつつある・・。今だ先の見えない俺の人生どこに向かうことやら・・。


2000年の秋のことである。木々も枯れる最後の灯火とばかりに赤く色好き、俺もまた人生経験のレベルはあがるものの、仕事のスキルの活性化は計れずにいた。

新卒で入った会社も、ミスの連発で毎日が苦痛だったが、それでもくじけず会社には足を運んでいた。いつも目にするのは現金、手形、小切手・・。そう銀行に勤めていた俺の前にはいつも金の山。よく横領して警察の御用になるニュースをよくみるが、気持ちがわかる反面、大量にあるお札をみていると、それが、オモチャのお札のように見えてくる。

それでいて中で働いている支店長をはじめ、その他の行員もまたロボットに・・・。

お金持ちの人間に群がり、金を持たない人間には見向きもしない、こじきロボットである。

オモチャのお札を、こじきロボットが一寸のミスもなくカウントする。そうみると滑稽な様である。

俺のデスクの隣には、すさまじい勢いでお札を扇形に広げカウントする先輩社員が・・。

いつもそいつに俺はせかされ仕事をしている・・。

「○○さん、終わりました?」

「まだっす。」

「はやくこっちに回してくれないと、こっちも遅くなるの。」

嫌味タラタラにせかされる。

俺は昔鍛えたファミコンの連射並に電卓をたたきまくり、同時のそいつの頭もたたきまくりたかったが、電卓だけにしておいた・・。

そいつはいつもポーカーフェイスで仕事しているものの自分の顧客がくると、空腹な犬が舌とよだれをだすような笑顔で名刺をばらまく・・。

俺も口では

「○○さん(隣のデスクのむかつく先輩社員)のような人になるように頑張ります。」

とはいってはいるが、正直なりたくないし、尊敬もしていない、むしろ嫌い。

後ろからは薄くなりつつある髪をオールバックで隠そうとしている副支店長が・・

「お前も、はやく○○(むかつく先輩社員)のようになってほしいんだが・・。」

「はい、頑張ります。」

俺は言葉とは裏腹に

『はははははは~~~ならん、ならんよ。つうか辞めてぇ~~~。』

と後ろ向きの気持ちで初社会人の初めての冬を迎えようとしていた。

ここ最近・・・俺は古いゲームにはまっている。

はまっているっていうより、中毒気味・・・。

今、きちがいのようにとりつかれてるのは、メトロイドシリーズの初期盤。

80年代のゲームだ。

これがまた、はまるはまる・・。一度クリアしても取り残したアイテムを揃え、パーフェクトに終わらすことが俺の自己満だ。

明日もまた寝不足で会社に向かう・・・。


2000年の夏・・ゲーム機もファミコン、スーパーファミコン、プレステーションと代替わりし、ミレニアム問題が騒がれた年でもあった。

それは今から10年前・・・。

俺はもっとも自分の適正に程遠い仕事に就いていた。

それは行員。銀行員である。

銀行というところは役職の名称も特殊であり、支店長、副支店長、支店長代理と、なぜか支店長と名のつく役職が多い。

俺はというと、新卒で入ったばかりのぺーぺー。

与えられた仕事は出納業務・・平たくいうと金勘定・・。

窓口から流れてきた伝票を、伝票にもとずき出金、入金を行い、帳簿に記帳しつつ大元の金庫を管理する仕事だ。

いや~~それがミスルミスル・・・。

神経質にやるも、それが緊張につながり、逆にミスル・・・。

まわりのおばちゃん連中も白い目で・・・。

あげくの果ては・・

「もうやらなくていい。」

という厳しい上司の一言・・。

そして時間をもてあましつつ、一日が終わる。

俺にとっては超辛い・・。

大雑把な性格が後押しするかのようにミスのトリプルプレー。

とどめとばかりに4年近く続いた金庫内の現金がドンピシャ記録を俺がストップさせたほどで・・。

それはわずか3円・・。

3円伝票と現金があわない・・。

俺の後ろには支店長と副支店長の鬼の形相・・。

俺はその3円のために深夜1時まで3円探しに没頭した。

『俺が3円払うから帰して欲しい・・。

と思いつつ眠たい目をこすっていた。

その後は副支店長の采配で解決にいたり、無事帰宅。

まさに初社会人の洗礼、ミスのトリプルプレーの裏の攻撃で三連続三振みたいな・・。

その後も一週間以上ミスの連発・・。とうとう9回裏の攻撃・・・。

アウト~~~試合終了・・。

とともに俺は支店長室に呼ばれる。

「お前・・向いてないんじゃないか・・・。」

と難しい顔をして俺に話す。

『辞めろといっているんですね。』

と読みつつも、当時の自己資本比率全国ワーストベスト5にはいるほどのメチャクチャ評判のいい会社だ・・。そして、これが少数精鋭と偽った会社のスリム化対策だ~~と深読みしながら、俺は連日連夜のミスをカバーした残業と早出で、ただただ逃避願望だけが強くなってきた。