あ~~あ・・今月で俺も36歳だ~~~。
歳を重ねるごとに悩みが増えつつある・・。今だ先の見えない俺の人生どこに向かうことやら・・。
2000年の秋のことである。木々も枯れる最後の灯火とばかりに赤く色好き、俺もまた人生経験のレベルはあがるものの、仕事のスキルの活性化は計れずにいた。
新卒で入った会社も、ミスの連発で毎日が苦痛だったが、それでもくじけず会社には足を運んでいた。いつも目にするのは現金、手形、小切手・・。そう銀行に勤めていた俺の前にはいつも金の山。よく横領して警察の御用になるニュースをよくみるが、気持ちがわかる反面、大量にあるお札をみていると、それが、オモチャのお札のように見えてくる。
それでいて中で働いている支店長をはじめ、その他の行員もまたロボットに・・・。
お金持ちの人間に群がり、金を持たない人間には見向きもしない、こじきロボットである。
オモチャのお札を、こじきロボットが一寸のミスもなくカウントする。そうみると滑稽な様である。
俺のデスクの隣には、すさまじい勢いでお札を扇形に広げカウントする先輩社員が・・。
いつもそいつに俺はせかされ仕事をしている・・。
「○○さん、終わりました?」
「まだっす。」
「はやくこっちに回してくれないと、こっちも遅くなるの。」
嫌味タラタラにせかされる。
俺は昔鍛えたファミコンの連射並に電卓をたたきまくり、同時のそいつの頭もたたきまくりたかったが、電卓だけにしておいた・・。
そいつはいつもポーカーフェイスで仕事しているものの自分の顧客がくると、空腹な犬が舌とよだれをだすような笑顔で名刺をばらまく・・。
俺も口では
「○○さん(隣のデスクのむかつく先輩社員)のような人になるように頑張ります。」
とはいってはいるが、正直なりたくないし、尊敬もしていない、むしろ嫌い。
後ろからは薄くなりつつある髪をオールバックで隠そうとしている副支店長が・・
「お前も、はやく○○(むかつく先輩社員)のようになってほしいんだが・・。」
「はい、頑張ります。」
俺は言葉とは裏腹に
『はははははは~~~ならん、ならんよ。つうか辞めてぇ~~~。』
と後ろ向きの気持ちで初社会人の初めての冬を迎えようとしていた。