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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

 

 

 

 

 

前回、太陽光にポタ電を組み合わせることで、ポタ電の導入費用を電気代でペイできるかのシミュレーションをしてみました。
 
12年ほどで全額回収できるという計算結果。
 
さらに
 
①実際のライフライン維持にはどの程度の電力が必要なのか?
 
②その量分を平時に(節電メインで)利用しても元が取れるのか?
 
③ポタ電自体が災害(モバイルバッテリーがよく発火してますよね)を引き起こさないのか?
 
④そして太陽光が無い状態で節電効果はどの程度あるのか?
 
という所まで深堀していきたいと思いますが
今回は①と②を

 

 

 

 

 

①まずは、災害時に必要なライフライン維持にどの程度の電力が必要か?

 
これを考えます。
 

1台のポータブル電源では、災害時にできることは正直限られます。 

しかし、太陽光発電と組み合わせて2台体制にすると、運用の幅が一気に広がります。

 

■仮に、必要な家電が

 

・冷蔵庫(食料の維持)

・Wi-Fiルータやテレビ、PC(災害情報取得)

・最低限の冷暖房(エアコンは無理、扇風機など)

 

と限定しつつ、1kwのポタ電2台体制で運用すると、かなりライフライン維持の幅が広がります。

 

 

 

 

 

■具体的な例

まず上記のモデルでは冷蔵庫が圧倒的に消費電力が多くなります。

内訳は以下のような感じになります。

  • 冷蔵庫(24時間通常運転): 一般的な中型(300〜400L)を想定

0.8~1.0 kWh/日

  • Wi‑Fiルータ+モデム(24時間): 消費電力 合計約 消費電力 合計約 12 W

0.29 kWh/日
  • テレビ(3時間視聴): 100Wクラスの液晶テレビを3時間

0.3 kWh/日

  • PC+HDD(4時間使用): ノートPC 40W+外付けHDD 10W = 50W を4時間

0.2 kWh/日

  • 扇風機(8時間使用): DC扇風機 20W を8時間

0.16 kWh/日

 

なので、冷蔵庫への給電をいかに可能にするかを考えます。

 

 

 

 

 

モデルケースとして、日中は特定負荷型の非常用コンセントにポタ電を接続し、その先に冷蔵庫をつなぐ「カスケード接続」にする攻勢を考えてみます。

 

こうすると、太陽光で発電した電気で冷蔵庫を動かしながら、同時にポタ電本体も充電できます。

 半日ごとに2台をローテーションさせれば、晴天時には「冷蔵庫はほぼ太陽光でまかないつつ、2台ともかなり高い充電率を保つ」運用が可能です。

夜間は、昼間に充電した2台分(※実効合計1.6kW)を使って、

  • 冷蔵庫を間欠運転で実質8時間分

  • ルーター+モデムを12時間

  • LED照明を数時間

  • テレビを2〜3時間 程度であれば、1晩を問題なく乗り切れます。 消費電力量はおよそ1.3kWhで、まだ0.3kWhほどの余裕が残る計算です。

つまり、「太陽光+2台のポタ電+特定負荷コンセント」を組み合わせることで、 冷蔵庫を止めずに、通信・照明・テレビといった“人間らしい生活の最低ライン”を、少なくとも数日は維持できる現実的な災害運用モデルが見えてきます。

 

※実効合計1.6kW

ちなみに2kwのポタ電の実効電力を1.6kwとしているのは、100%充放電を繰り返すとバッテリーの劣化を早めるため、90%-10%の設定で運用を想定しているためです。

 

 

 

 

 

 

②EcoFlow DELTA 3 Plusを2台に増やすと、節電効果はどこまで伸びるのか?

 

前回の記事では、EcoFlow DELTA 3 Plusを 1台だけ 使った場合の節電効果を試算しました。 今回はその続編として、2台に増やした場合の節電効果をシミュレーションしてみます。

ポイントはシンプルで、 1台目の運用モデルをそのまま2台目にも適用し、さらに「持ち越し節電」も2台分で効いてくる ということです。

■ 1台目の運用(前回のおさらい)

1台目は、

  • テレビ(100W)

  • 空気清浄機(20W) を1日10時間使い、そのうち 夜4時間だけをポタ電で賄う というモデルでした。

夜4時間の消費電力は、

120W×4h=0.48kWh/日120W × 4h = 0.48kWh/日

これだけで 年間約5,400円の節電 になります。

さらに、 夜に使っても 0.32kWhの余力 が残るため、 晴れの日の翌日の 曇り・雨の日中に持ち越し節電 が可能でした。

 

 

 

 

 

■ 2台目の運用モデル(今回の追加)

2台目は、負荷の軽い機器を中心に割り当てます。

  • ノートPC+外付けHDD(合計50W)

    • 1日10時間使用(昼6時間は太陽光、夜4時間をポタ電)

  • ルーター+モデム(12W)

    • 24時間稼働

    • うち太陽光が効くのは10時間

    • 残り14時間をポタ電で賄う

2台目が1日にポタ電から供給する電力量は、

0.2kWh(PC)+0.168kWh(ルーター)=0.368kWh/日0.2kWh(PC) + 0.168kWh(ルーター) = 0.368kWh/日

年間約4,200円の節電効果 になります。

さらに、 夜に使っても 0.43kWhの余力 が残るため、 こちらも 持ち越し節電 が効きます。

■ 2台分の「持ち越し節電」効果

前回の記事で説明した通り、 晴れの日に満充電 → 夜に使用 → 余りを翌日へ という“電気の貯金箱”のような効果がポタ電にはあります。

2台分の持ち越し余力は、

0.32kWh(1台目)+0.43kWh(2台目)=0.75kWh0.32kWh(1台目) + 0.43kWh(2台目) = 0.75kWh

曇り・雨の日にこの 0.75kWh を日中に回せる日が年間100日程度あるとすると、

0.75kWh×100日=75kWh/年0.75kWh × 100日 = 75kWh/年

節電額は、

75kWh×31円=約2,300円/年75kWh × 31円 = 約2,300円/年

持ち越し節電だけで年間2,300円の追加効果

 

 

 

 

 

■ 2台運用の「年間節電額」はこうなる

  • 1台目(テレビ+空気清浄機):約5,400円/年

  • 2台目(PC+HDD+ルーター):約4,200円/年

  • 持ち越し節電(2台分):約2,300円/年

合計すると、

年間 約1万2,000円の節電効果

になります。

■ 初期コスト13万円は何年で回収できる?

当初15万円で想定していましたが、12月現在EcoFlow DELTA 3 Plusは実売で1台6.5万円前後。 2台で 13万円 とします。

年間節電額:約1万2,000円

● 10年間

12,000円×10年=120,000円

約12万円回収(92%)

● 15年間

12,000円×15年=180,000円12,000円 × 15年 = 180,000円

18万円回収(完全に元が取れて+5万円の黒字)

■ 結論:

災害対策が主目的でも、2台運用なら「電気代だけで元が取れる」

 

 

 

 

 

■もっと余裕のある利用を考えると

上記では、非常時の最小限必要な電力確保のための蓄電池容量と、その蓄電池を平時に電気代のコスト削減のために流用するというモデルでした。
 
しかし、平時に使っているのが、例えばテレビがより電力消費の多いアンドロイドテレビだったり、それを夜更かしして見続けたり。
 
もし消費電力が大きければ1kwのポタ電は、意外とカツカツです。
 
そんなことがあれば夜、ポタ電からの給電でテレビを見ていて突然電源が落ちたり、深夜番組を録画していたつもりが、途中で切れていたり。
 
また考えておかなければいけないのが、経年劣化による充電容量の減少。
EcoFlow DELTA 3クラスでは4000サイクルで80%の保証がされています。
4000回充放電を繰り返した後80%の容量が保証されるという事。
 
 
これは、1日1回充放電を繰り返すのなら、約11年後、1kwのポタ電は800wまで容量が減るという事で、その8割程度が実効値とすれば640wですから、結構減るなという印象。
 
今までの試算はテレビ100wでしていますが、テレビの種類を変えてアンドロイドテレビ150wの消費とすれば、4時間で落ちてしまいますね。
 

 

 

 

 

 

この辺を総合的に考えると、実は2kwクラスのポタ電が合っている人もいそうです。
ワット数当たりのコストメリットはこちらの方が高いので、使う家電の量と時間を
 
50インチアンドロイドテレビ 150W
録画用USB外付けHDD     5W
ハイブリッド式加湿器    100W
空気清浄機          40W
合計295
 
として、日没後4時間使えば1.18kw
0.295×4=1.18kWh/日
 
電気代31円計算で一日36.58円の節約効果
1.18×31=36.58円/日

 

年間では

36.58×365=13,350円

 

 

となり、先ほどの1kwのポタ電1台目の

年間5400円の節電よりも8000円ほど効果が上がります。

 

実売価格は現在

・DELTA3plus(1kwクラス) 6.5万円

・DELTA3MAX(2kwクラス) 10万円


もし、蓄電した容量を効果的に使うことが出るなら、2kwクラスのほうがより節電効果が高く、ポタ電の初期投資費用もかなり早期に回収できます。

容量的にも、夜更かしにも経年劣化による充電量量の低下にも十分バッファを見れますから、この辺りが実はベストバイなのかもしれません。

 

 

2kwクラスのDELTA3MAX↓

 

 
但し、2kwクラスは1kwクラスに比べて重量もほぼ倍の20㎏あります。
 
これ以上、例えば3kw以上になると更に重量が重くなりますが、20㎏ならぎり、移動しながらの運用も考えられる範疇。
 
ただし戸建て住宅の1Fに固定で置くには現実的ですが、2Fより上に置くとすれば、ちょっと重量的につらいかもしれません。
この辺は各家庭の住宅事情と相談になりそうです。