

✅ 固定型蓄電池は本当に必要か?
100〜200万円の投資より、15万円のポータブル電源が合理的な理由
家庭用の固定型蓄電池は「停電対策として導入したい」という声が増えている一方で、実際に調べてみると 100万〜200万円 という高額な価格に驚く方が多いです。 しかも、電気代の削減による費用回収はほぼ不可能です。 では、災害対策として本当に固定型蓄電池は必要なのでしょうか。
この記事では、固定型蓄電池とポータブル電源(以下ポタ電)を比較しながら、どちらが現実的な選択なのかを整理します。
■ 固定型蓄電池の最大の壁:100〜200万円という価格
まず最初に多くの方がつまずくのが 価格の高さ です。
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固定型蓄電池:100〜200万円
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電気代削減効果:年間1〜3万円程度
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→ 費用回収はほぼ不可能
つまり、固定型蓄電池は「経済的メリットを求める設備」ではなく、 “安心を買うための高額オプション” という位置づけになります。
参考:蓄電池設置に対する補助金を利用すると?
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本体+工事費:150〜250万円
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補助金:30〜80万円
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→ 実質負担:100〜170万円

■ 災害時も万能ではありません:天候次第で“使い切ったら終わり”
固定型蓄電池は、停電時に自動で切り替わり、家全体をバックアップできるという大きなメリットがあります。
しかし、弱点も存在します。
✅ 天候が悪いとソーラー充電がほぼゼロ
台風・大雨・冬の長期悪天候では、 数日間ほぼ発電しない ことも珍しくありません。
✅ 初期蓄電を使い切ったら復活できない
固定型蓄電池は、
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ソーラーが発電しない
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外部から充電できない
という構造上、 使い切ったらそこで終了 というリスクがあります。
「蓄電池があるから安心」とは言い切れない理由がここにあります。

■ ポータブル電源(ポタ電)の強み:価格・柔軟性・復活手段の多さ
一方、ポタ電は 15万円前後で2kWhクラス が購入でき、固定型の1/10以下の価格で導入できます。
さらに、災害時の運用で決定的な違いがあります。
✅ 車のシガーソケットで充電できます
天候が悪くても、 車さえ動けば復活可能 です。
✅ ソーラーも併用できます
晴れれば太陽光で充電できます。
(特定負荷型の太陽光システムであれば、充電できるのは非常用コンセントに限られますが、後述のようにポタ電で充電した後給電したい家電まで、ポタ電を持ち運んで電力をカスケードすることも可能です。)
✅ 持ち運び可能で柔軟に使えます
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冷蔵庫だけ動かす
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ルーターだけ動かす
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部屋を移動する
など、状況に応じた運用ができます。
✅ 壊れても買い替えが容易
15万円なら再購入も現実的です。

■ 固定型のメリット:全負荷型なら家中のコンセントが使えます
もちろん、固定型蓄電池にも大きなメリットがあります。
✅ 全負荷型なら家全体がそのまま使えます
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冷蔵庫
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エアコン
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IH
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電子レンジ
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給湯器
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すべてのコンセント
が停電時でもそのまま使えます。
これはポタ電には真似できない“圧倒的な利便性”です。
こう見ると、役割、使い方に違いはあるもののポタ電の必要十分なコスパの高さが気になって来ませんか?

ちなみにここで挙げている、ポタ電の10~20万という金額。
想定では1kwの容量×2台運用です。
ではまずはわかりやすく1台、1kwで
「平時にどの程度の電気代の節約効果があるか」
これが明確になれば、ポタ電導入のメリットの内の1つである節電効果が明確になります。
その後2台3台と拡張して考えていけば、どの程度資金を掛けるかも見えてきます。
今回も高性能なこいつで検証します↓
copirot君に質問していたら、この機種では充電時間の制御が出来ないとか言う未確認情報を教えられて、慌てて一瞬ブログ内容編集しました。
そのタイミングでこの記事見てくれた人がいたらすみません。
しかし、制御が出来ないという情報は、WEBからは探せませんでした。
エコフローアプリ内で、TOU(時間帯別料金)モードがあり、電気代が高い時間帯は充電しない管理が出来るようですから、これを利用して太陽光のある時間帯のみ充電することで、節電は可能です。
未だに嘘つくcopilot君(;'∀')
まずは平時の節電効果について
EcoFlow DELTA 3 Plusを1台使った場合の節電効果
― 昼は太陽光、夜だけポタ電 ― この前提が最重要です
今回のモデルでは、
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昼間(6時間) は屋根の太陽光発電でテレビと空気清浄機を動かし、
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夜間(4時間) だけ、ポータブル電源(EcoFlow DELTA 3 Plus)で同じくテレビと空気清浄機の電気を賄う、
という前提で節電効果を計算します。

まず以下を明確にしておきます。
■ 電力の流れ(1日のイメージ)
✅ 昼(6時間)
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太陽光が発電している時間帯
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テレビ+空気清浄機は 太陽光の電気で動く
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→ ポタ電の有無に関係なく ここはすでに“無料の電気”
✅ 夜(4時間)
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太陽光は発電しない
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本来なら商用電源(電力会社の電気)を使う時間帯
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→ ここを ポタ電で肩代わりすることで節電が発生
✅ さらに重要:
前日の昼に太陽光で満充電したポタ電には、 夜4時間使っても まだ電気が余る。
この余りを、 翌日の曇り・雨の日中に回すことで、日中でも節電が発生する というのが“ポタ電のバッファ効果”です。

■ 夜4時間の節電効果(毎日必ず発生する部分)
テレビ(100W)+空気清浄機(20W)
120W×4h=480Wh=0.48kWh120W × 4h = 480Wh = 0.48kWh
電気代:31円/kWh
0.48×31=14.88円/日0.48 × 31 = 14.88円/日
→ 1日約15円、年間約5,400円の節電
■ 晴れの日の余り電力を「翌日の曇り・雨」に回せる
EcoFlow DELTA 3 Plus(実効0.8kWh)は、 夜4時間使っても 0.32kWh 余ります。
0.8−0.48=0.32kWh0.8 - 0.48 = 0.32kWh
この0.32kWhは、 翌日が曇り・雨で太陽光が弱いときに 日中の電力として使える ため、 ここでも節電が発生します。
日本の平均的な天気
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晴れ:200日
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曇り:100日
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雨:65日
晴れの日に満充電 → 翌日が曇り・雨 という組み合わせは年間100日前後あります。
0.32kWh×100日=32kWh/年0.32kWh × 100日 = 32kWh/年
32×31=約1,000円/年32 × 31 = 約1,000円/年
→ 持ち越し節電:年間約1,000円

■ EcoFlow DELTA 3 Plus(1台)の年間節電額
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夜間4時間の節電:約5,400円/年
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曇り・雨の日への持ち越し節電:約1,000円/年
合計:
✅ 年間 約6,400円 の節電効果
■ 実売7〜8万円なら、約12年で回収可能
EcoFlow DELTA 3 Plus(実売7.5万円と仮定)
75,000÷6,400≒約11.7年75,000 ÷ 6,400 ≒ 約11.7年
→ 約12年で本体価格を回収
EcoFlowのLFPバッテリーは劣化が緩やかで、 パススルー運用なら10年で80%、15年使って70%残っているならテレビ用途であれば十分実用的です。
つまり、
✅ 15年運用なら「電気代だけで元が取れる」
✅ さらに非常時のバックアップも手に入る
という、非常に合理的な投資になります。

このように、コストの面では全額回収することが出来そうで、運用している間に起こる災害に対しても対策として有効そうですから、有りなのではと思います。
次の問題は、
・この1kwで、災害時のライフラインの維持にどの程度役立つのか?
1kwで足りないなら、必要最小限何キロあればいいのかが気になります。
検証しやすくするため1台で考えましたが、当初2台で2kwという運用を予定していましたから、2kwならどこまで出来るのかも知りたいところ。(2台運用は容量以外にも冗長性も加味した運用ですがこの辺は次回)
・太陽光とセットでないと意味がないのか?
安い深夜電力を利用して充電した電力を昼に使うだけでも、投資額回収は無理でも、多少の節電効果はあるかもしれません。
・ポタ電自体が人災(モバイルバッテリーがよく発火してますよね)を引き起こさないのか?
災害対策として導入したのに、ポタ電が火事の原因にでもなれば本末転倒です。
この辺りが気になって来ますが、一旦今回はここまで。
次回はこの辺を明確にして、コスト削減と災害対策の両立をどこまでポタ電で可能かを掘り下げてみたいと思います。




