変えなきゃいけない日経平均のファンダの見方 | グデーリアンの投資ブログ

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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

 

 

 

 

ファンダメンタルズ指標の使い方として、教科書通りな使い方としての解説が、色々な記事や動画で上がっています。

 

僕もとても参考にしてきましたが、今日本で起きている相場環境の変化には合わないと思っているものがちらほら。

 

特にここ数カ月言い続けているのはPER水準について。

 

日経平均のPERは、大暴落時では11倍。

通常は、13~16倍程度のレンジ。

 

なので

PER13倍を付けたら買って、16倍を超えたら売る。

大暴落で市場がパニックになっているときもPER11倍で買う。

 

というのがPERの使い方となっていて、どこを見ても大体この数字が出てきます。

 

注意点としては

・通常時のPERの下限が13倍だったり14倍だったりします。

・大暴落時の下限も、実際にはそのタイミングはボラティリティが極端に高いので、瞬間的に10.5倍程度までオーバーシュートします。

・大暴落時の企業利益はマイナスになることもあり、そうするとEPSが出せなくなるのでPERはも算出不能になります。

なので、ここでいうPER11倍というのは、大暴落直前の高値のEPSを元に算出したPERという事になります。

 

 

 

 

 

で、このPERについての定石ですが、今の相場を見れば分かるように高値16倍というのは通用しなくなってきています。

これは、まだPERが16倍を超える前からずっと、いずれそうなるよと言ってきました。

 

理由は明白。

 

PERというのは、市場が企業の将来の業績をどの程度期待するかによって変わるからです。

 

定着しつつあるインフレは、そういう意味では企業の業績が伸びるという期待をしやすい状態です。

 

インフレにより、企業の売る商品の価格は上昇しますが、企業の説明では大抵、仕入れ原価の上昇によって、とか人件費の上昇の為とか、もっともらしい説明をします。

 

しかしこれだけでは企業は利益が増えません。

価格の上昇分、販管費(仕入原価、人件費)が上がるのですから、売り上げは上がっても利益の上昇になりませんからね。

 

 

 

 

 

でも企業は、値上げに合わせて商品の売値にプラスアルファの価格転嫁をしてきます。

 

最も分かりやすいのは、消費税が一番最初に導入されたとき、3%ですね。

その時まで自動販売機の売値は基本100円でしたが、消費税導入とともに120円になりました。

本来103円に値上げすればいいものを+17円価格転嫁したという事です。

現在の仕入原価の上昇とかは消費者の立場ではよくわかりませんが、消費税は3%と決まっていたので、すぐに17円の価格転嫁だというのがわかりましたよね。

 

これは消費税の話でしたが、インフレによる価格上昇でも同じことが行われていますから、価格転嫁が進むことによって企業の利益が増えていくと見ることが出来ます。

 

将来企業の利益が増えるという期待が高まるのであれば、その期待分も株価に反映されます。

 

現在の利益であるEPSに対して市場が16倍の期待をしている状態、これがPER16倍です。

そして、インフレによってEPSの19倍まで期待が膨らんだ状態、これが現在の日経平均株価です。

 

 

 

 

 

今まで日本は、インフレが全く起きない状態が続いていたので、インフレによる企業業績の上昇が期待できず、だからこそPERは16倍どまり、株価もレンジが続いていたと言えば、説得力がありますよね。

 

逆にインフレが続くのであれば、市場の企業の成長への期待が高まり、株価も成長するという理屈です。

すると、最初の話、PERは市場の企業への期待値なわけですから、期待値が高まればPER16という数値も上にブレイクされて当然と思っているのですが、いまだに日本株のPERは16倍が上限という解説があったりするので、鵜呑みにしないほうがいいのではないかなと思っています。

 

で、このPERの話と同じように、今まで言われてきたセオリーそのままでは通じなくなる指標もちらほら見てて来たように思います。

 

 

 

 

 

例えば空売りの金額とかですね。

教科書に載っているのは、空売り8000億を超えると多い水準。

空売りが多いという事は、その後の買戻しの圧力が高くなるため、上昇しやすくなるという理屈。

 

理屈自体は正しいと思うのですが、8000億というのは、今後通用しなくなる可能性が高いと思っています。

 

なぜなら東証の売り上げ自体が、市場の活況と株価の上昇によって増えているからで、それに伴って8000億という数字を全体の割合として見た時に減ってきているからです。

 

以下が東証の年間出来高と年末の株価、それを掛けて出した概算の年間の売買金額です。

1995年から10倍近くまで増えています。

 

ここまで変動があるのに、空売りの多いの水準はずっと8000億で固定。

 

 

 

 

 

その理由はというと。

 

copilot君のまとめ

🧠 なぜ「8,000億円=多い」が固定されているのか?
① 基準のアップデートが遅れている
空売り残高の「多い・少ない」の判断基準は、2010年代の売買代金水準(3〜4兆円/日)を前提に形成されたもの。

しかし、2024年以降は新NISAや取引時間延長で売買代金が6〜8兆円/日まで増加しており、相対的に空売り残高のインパクトは低下しています。

にもかかわらず、報道や市場コメントでは「8,000億円超=警戒水準」という旧来の基準が使われ続けている。

② 空売り残高は「絶対額」で語られがち
本来は「空売り残高 ÷ 時価総額」や「空売り残高 ÷ 売買代金」などの比率で評価すべきですが、メディアや速報では絶対額が強調されがち。

そのため、市場規模が拡大しても「8,000億円」という数字が心理的に大きく見える。

③ ショートカバーのインパクトは絶対額で起こる
空売り残高が多いと、株価上昇時の買い戻し圧力(踏み上げ)が強くなるため、絶対額としての警戒感は残る。

つまり、「相場の火種」としての意味では、8,000億円は依然として注目される。

 

copilot君ここまで

 

 

 

 

 

とのことです。

 

copilot君、どうやって人間心理を読んでいるのかは知りませんが(笑)

心理的な意味合いの強い数字として8000億という数字が意識されているという事。

 

しかし全体的な数字が上方に変わってきている以上、8000億という数字を起点にした実績値は少ないものになっていくと思われます。

 

そしていずれ、PERが「あれ?セオリー通り16倍で止まらないよ?」という時期が来るように、8000億という数字を上方修正しなくてはいけない時期が来るはずですが、こちらはもう少し先なのかなぁという感じ。

 

 

 

 

 

逆に、変わらないであろうセオリーもあります。

例えば同じ信用取引を利用したセオリーでは、暴落時20%を超えた辺りでセリクラが起こりやすくなってきます。

 

その理屈ですが

信用買いしていた人は、20%で追証が発生。

最高値では買っていなくても25%や30%の下落になれば追証になる人も増えますから、この辺りが信用買いの投げ売りが加速するポイントだからです。

一斉にみんなが投げ売ると、売り手が一気にいなくなるためセリングクライマックス=下落していた株が一気に反転上昇するという状態になりがちなので、売買のタイミングとして意識されます。

 

これは、株の信用取引のレバレッジが3倍で固定されていて、追証のタイミングが一緒な以上、金額の多少にかかわらず起こります。

 

このように変化が必要な情報の取捨選択が出来ることと、マイグレーションしなくてはいけない情報は他人より早く、他人がまだ古い情報を信じている間に行うというのが・・・実は僕は昔パチスロで生計立てていた時期があるのですが、その時期にはとても必要なことでした。

 

これは、株の世界でも重要なファクターだと思っています。

 

今日書いた以外にも、ここはいずれ見直すべきと思うものがいくつか頭の中にはあるので、いずれ書けたらなと思いますが、こういう話、参考になりそうでしょうか?