
投資を早く始めるジャックと、後で金が溜まってから始めるジルの二人の話。
アメリカの金融教育で使われる、ジャックとジルの話です。
少額でも早く投資を始めたジャックに、後から大金ぶっこむジルは追いつけないどころか引き離されていく。
投資にかける時間が大事というお話。
これ、もう投資をし始めている人にとっても大体同じことが言えると思っています。
既に投資で1億円の資産を作ったジャックと、ジルで考えてみます。

仮にジャックは1億円を高配当株でバイ&ホールド。
1億円を配当利回り4%の株で埋めているなら、以下のインカムになります。
1億円の今年の配当金は400万円。
400万あれば、FATFIREが視野に入るレベルですね。
もしもここに、先日のブログの予想通りに
来年5%の増配。
再来年2.5%の増配。
があったとすると
↓昨日のブログ
もし株価が全く伸びなかったとしても
来年の配当は420万円。
再来年の配当は430万円と増えます。
そして他方でこの期間2%のインフレが継続的に起こるなら
初年度400万にかかった生活費用も2%増になるはずですから
来年の生活費は408万円
再来年の生活費は416万円
これでもインフレよる生活費増よりも配当のほうが増えているので、来年12万円、再来年は14万円、余裕資金が増えていく計算が出来ます。
これに加えて3年間全く株価が上がっていなかったとしても、時価1億円分の株があることになりますから、資産は増えていると言えます。
※いずれも単利で計算していますが、複利で計算すればもう少し差が開きます。

次に、暴落を待って1億円をフルでキャッシュポジションにしたジルの場合。
この場合も生活費に400万円毎年かかるとすると
今年は400万円。
来年は408万円。
再来年は416万円。
生活費として、1億円から差し引いて行かなくてはいけませんから3年後に残る手元資金は8776万円になります。
もしここで暴落が来てやっと投資を始めることが出来たとしても、もうこの時点で、1200万円のマイナスからのスタートになるという事です。
約12%のマイナススタートです。
もし30%の暴落が来たとしても、どこが底かが分からなければ、8800万全額を投入することもできないはずです。
リーマンショックのような50%級の暴落にも備えて、きっとまだキャッシュは残すはずですからね。
するとどうでしょうか、平均で‐20%下落したところで、資金の半分強の4000万円投入出来たとしても、20%全戻ししたとしても4800万円相当。
倍返ししたとして5600万。
待機資金としてまだ残っている3800万の現金と併せても9400万円にしかなりません。

意外と思ったほど増えていませんよね。
というか、スタートの1億円からはむしろ減っています。
ちなみに、1億の資産が暴落で20%減って、倍返しするなら、ジャックのほうは1億2000万の資産になります。
もちろんこれは、暴落が都合よく3年後に来た場合の極端なシミュレーションです。
明日暴落が来るのなら、話はまた別で、今キャッシュを持っている人はもう少し有利に働くと思いまけどね。
明日暴落のシナリオも極端なシミュレーションなので、どっちもどっちです。
また1億の資産を持っているのも、自分を含めて多くの人には当てはまらない前提のシミュレーションです。
ただそれでも、金額が小さくても、時期が短くても、率は変わらないと思うので、時間と金額の数字を小さく代入しなおせば自分の環境に当てはめ直すこともできると思いますから、こんな考え方で自分の投資方針を考えてみると、少し未来の景色が変わってくるかもしれませんよ。


