
先日ポートフォリオについて説明してみましたが、追加でいくつか。
1、債券の運用についての考え方
時々、機関投資家が株を売っているという記事が出たりしますが、通常株は売れば現金になりますよね。
ところがこの記事のような場合、機関投資家の多くは本当の現金ではなくMMF(マネーマーケットファンド)に変えており、このMMFという商品は広義では短期の債券運用の投資信託です。
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💡 MMFの主な特徴
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安全性重視:国債や高格付けの社債、CD(譲渡性預金)など、信用度の高い短期債券に投資。
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流動性が高い:いつでも売買でき、現金化しやすいのが魅力。
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元本維持を目指す:値動きが少なく、安定した運用が期待される。
✅ 利用される場面
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一時的な資金の預け先
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株式投資などの本格的な運用の前の待機資金として
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定期預金より柔軟性があり、比較的高い利回りを狙える場合も
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以上、Copilot君の解説でした。

現在、米ドル建てMMFは利回り4%ほどですから普通預金や定期預金よりもよほど利回りは高い状態です。
MMFは安全性が現金に近く利回りもそれなりなので、ポートフォリオの債券部分の内訳を見ると、ほぼ現金と捉えることも可能なMMFでの運用となっていることもあります。
つまり現金≒債券ということですから、この考えを採用するのであれば、自身のポートフォリオの割合を決定する時、株、債券、リート、コモディディの他に、別枠で現金を設定することは無いということになります。
勿論、生活防衛費は別枠で現金のほうがいいというのは言うまでもありませんが。
なお、少し前まで5%近くありましたから、こうなると株や他のリスク資産よりMMFの運用が魅力的に見えてきますので、株からの資金移動を加速させていた面もあったかと思います。

2、インカムについての考え方
ポートフォリオの構築の際には通常、各アセットの時価を使い割合を一定にしていきます。
ここにアクセントとして、配当利回りを入れて少しやり方を変えることもできます。
具体的には
株価10万で購入し配当5000円だった銘柄、つまり配当利回り5%
これが株価30万になった時、配当が1万円になると、簿価利回りでは10%、株価も配当も同時に増えていますが株価上昇に配当は追いついておらず、時価で見ると利回りは3.3%に落ちますから、ポートフォリオ全体で見た配当利回りは下がってしまいます。
この場合は、30万で売却し、その資金で時価ベースで配当利回りの高い銘柄を買うと、ポートフォリオ全体の利回りが上がります。
例えば、売って得た30万円を使い10万で配当4000円、利回り4%の銘柄を3単元買えば、配当は12000円ですから、配当は2000円増えますよね。
元の配当利回り5%の銘柄よりも1%低い利回りの銘柄を買うのですが、それでもポートフォリオ全体では利回りが上がるのです。
上記は一般的なポートフォリオで行う株の価格変動によるリバランスではなく、配当利回の低下によるリバランスをした例ですが、共通して言えるのはどちらも個別の銘柄単体での損得ではなく、ポートフォリオ全体でどうなるかを見ているということです。
ただこの場合でも、配当利回りが減ってもそれ以上に株価の上昇が見込める場合や、次年度以降の増配が見込める場合などもあります。
安い時期に購入出来ていて簿価利回りが高い銘柄が、もしもまだ株価の成長が見込めるのであれば、高い配当を受けつつ株価の成長を待つのが理想的ですよね。

次に同じく株価30万になった時、同時に配当が3万円になっていたとします。
この場合、簿価利回りは30%、時価でも10%ですから、この場合は逆に、ポートフォリオ全体の利回りは上がります。
(普通は配当利回り10%とか中々無いですけどね。
計算しやすくするための例ということで。
まあ、あるとしたら海運とかの業績連動で配当出す銘柄くらいでしょうか。
これはこれで、そのあとすぐ減配するのでお勧めしませんが)
この場合、30万で売ってしまっても、それ以上のインカムのパフォーマンスを出せる銘柄の検索が出来ていて、その銘柄に持ち変えるのであればいいのです。
ですがそうでない場合、利確による一時のキャピタルに目を奪われると、長期での運用利回りは逆に下がる可能性があります。
以上のように、同じ20万のキャピタルが出る場合であっても、ポートフォリオとして管理すると、売るべきか売らないべきかが数字として見えてきます。
と、ちょっと特殊な例ですが、高配当投資をする際にはこういった考え方もあるという例でした。

勿論、高い時期に売ってしまって、暴落した時に全て買い直せば、このようなアセット管理は必要ないのかもしれません。
しかし、こと高配当株については一般的に暴落に耐性があり、思ったほど下げないのもしばしば。
一つ有名な話をご紹介すると、世界恐慌時のコカコーラ株。
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1929年の世界恐慌の際、当時のコカ・コーラ社長が「株価は下がる」と予想して自社株を担保に空売りを仕掛けたという話があります。ところが実際には、コカ・コーラの株価は下がるどころか上昇を続けたため、彼は空売りによって莫大な利益を逃す結果となったそうです。
この話が示すのは、コカ・コーラが不況下でも消費者に支持され、業績を維持した「生活必需品的ブランド」だったということ。人々が困難な時代に求めたのは、安価で安心感を与える商品であり、コカ・コーラはその象徴だったんですね。
このエピソードは、投資の世界で「ブランド力の強さ」と「消費者心理の読み違い」がいかに大きな差を生むかを物語っています。
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以上、Copilot君の解説。
どうでしょう?
前のブログで、個別株で高配当投資をする場合コアに据えるのは大型バリューを中心にと書いたのは、こう言った「ブランド力の強さ」によって「消費者心理の読み違い」を吸収しやすくする手段と考えるからです。
いずれ体系的な資産構築を目指すにはポートフォリオというのは再現性の高い手法と思えますので、前回のブログと合わせてご参考になれば幸いです。

