
最近は「トランポリン」
って言われてるんですね~トランプ大統領。
そのトランポリン、やっぱり日鉄のUSS買収を承認する方向に方針転換みたいです。
USスチール買収、日鉄の計画承認に傾いたトランプ氏 背景には高関税政策の限界も(産経新聞) - Yahoo!ニュース
一年前ならもう少しポジティブに捉えられたかもしれませんが、今となってはちょっと微妙。

現在、日鉄は更に2兆円の追加投資を表明してしまっていますが、その金どうすんの?という話。
今日鉄が持っている現金がざっくり6000億。
今期の本業の利益である営業キャッシュフローが同じくざっくり9000億。
そして今期の投資キャッシュフローが5000億。
本業の利益9000憶から投資分5000憶を差し引いた残りは、現状4000憶しかありません。
来期、減益予想の中、この投資キャッシュフロー部分に、来期以降追加で2兆円が載ってくるわけですよね。
今年5000憶だった投資キャッシュフローが、追加投資のせいでさらに膨らめば、財務キャッシュフロー(←配当金はココに含まれる)を圧迫しますから、さらなる減配も考えられます。
また、何年かけて2兆円投資するのかはわかりませんが(トランポリンは、大部分は14カ月以内に実行されるとか言っています)、足りない分は増資で賄うという可能性もあります。
となれば、株価は下落することが予想されますから、1年前よりも買収成功は素直に喜べないかも知れません。

ちなみに、報道を受けての日鉄の昨日のADRは-1%と下落して終えています。(反対にUSS株は21%上昇)
まあ、米国市場が下落していたので、市場に引きずられて下げただけかもしれず、実は月曜は素直に上げて反応なんて可能性は十分あるとは思いますが、問題は長続きするかですね。
30%近い減配、来期は減益予想とネガティブ要因は多いですが、一方では米国市場への橋頭保としてUSSを利用できるのは日鉄には有利に働きそう。
特にトランプ関税を受けずに米国内で使用する鋼材を、米国自動車産業、主にテスラでしょうか?GM、フォードもかな?に売りつけることも可能かもしれません。
どちらの思惑で株価が動くかわかりませんが、事実がわかるのはまだしばらく先の事。
いますぐ「思惑で買って事実で売る」というわけにはいかなそう。
僕は前回の決算で減配の発表があって、日鉄のポジションを減らしており、今回のトランプの声明で株価がどうなってもとりあえず所持株は整理済みですから、一旦は静観します。

日鉄の業績がどうなるかは別として(もちろん頑張ってほしいですが)、とりあえず日鉄のUSS買収を邪魔し続けた、USW(全米鉄鋼労働組合)のマッコ―ル会長には、ざまぁm9(^Д^)って言いたい。
今頃どんな顔してんだろ?
早くなにか声明出さないかなぁ?
今のところ何も記事が出ていないんですよね。
日鉄とUSSが起こした訴訟でもギルティになってくれたらいいのに。

