
前回紅の豚の話をしましたが、戦争物って、ブラックユーモアの宝庫です。
前回と同じく空軍の話。
これは確か、映画メンフィス・ベルに出てきた話だったかなぁ。
面白かったので覚えています。
ドイツ本国を空爆しに行った英国空軍のパイロット。
ドイツ上空で撃ち落とされてしまいます。
墜落中に何とか脱出しますが、そこは敵国の領内ですから、すぐに捕虜になってしまうのでした。
何とか命はあったものの、墜落の際に大怪我をしていたパイロット。
捕虜収容所で手当てを受けていたのですが、怪我は次第に悪化。
ある時ついに、右足を切断しなくてはならなくなります。
パイロットは、看守にこう頼みます。
「お前ら、明日もまたイギリスを空爆しに行くんだろ?その時、切り落とした俺の脚だけでも、せめてイギリスに落としてきてくれないか」
不憫に思った看守は
「わかった。爆撃隊に頼んでおこう」
と快く引き受けるのでした。
しばらくすると、パイロット。
今度は右腕を切断しなくてならなくなってしまいます。
そしてまた、看守に同じように頼むと、看守はまた快く引き受けてくれるのでした。
更にしばらくし、ついには左足も切断することになります。
今度もまた看守にお願いをします。
すると看守、今度はダメだと言って引き受けてくれません。
「なんでだ?今までは引き受けてくれたじゃないか」
看守はこう答えます。
「もうお前のたくらみはお見通しだ。
お前はそうやってここから脱獄しようとしているんだろ」

