長期投資・癖のでるセクター | グデーリアンの投資ブログ

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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

 

 

 

 

 

 

自分はキャピタルを取りに行くことは無く、ほぼほぼ長期投資なのですが、業績や配当利回りを見て買っていても、他のセクターとはちょっと違う見方をしなくてはいけなくて、上手くいかないことがあります。

 

ちょっと代表例を書いてみます。

 

 

 

 

 

 

  ■ 石油・石炭製品

 

自分の持ち株にENEOSがありますが、買って当初は決算の度に「なんでだよー」って思っていました。

 

石油の元売り業者は、原油を仕入れて、精製したのち販売します。

販売するまでには現在の原油価格とのラグが発生します。

例えば、原油価格が安い時期に仕入れて、精製している期間に中東で地政学リスクが発生します。

 

すると原油価格が暴騰しますので、安く仕入れていた在庫を高い値段で売ることになり、決算では大きな利益を計上することになります。

 

ところがこれは一過性にすぎず、地政学リスクがすぐ収束すれば、次に訪れるのは、高い時期に買った原油を安く売らなければいけないフェイズですから、結局利益は行って来いになります。

 

もし地政学リスクが長引けば?

これでも結果は大して変わらず、次に訪れるのは高く仕入れた原油を高く売るフェイズ、そして最後に高く仕入れた原油を安くるフェイズ。

結局行って来いになります。

 

 

 

 

 

ENEOSの決算資料では、この在庫影響を除いた本来の利益も載っけてくれていますが、法的には在庫影響を含んだ利益を計上しなくてはならないらしく、ネットの決算速報でも在庫影響まで書いなかったりします。

 

元売り業者にずっと投資している人達はこれを知っているので、爆益の決算が出ても翌日なぜか上がらない、下手すると下がるなんてことがあり、それを知らない一元さんだけがジャンピングキャッチしに行くことになります。

 

良い決算で入ってもダメで、じゃあ悪い決算で入れば上がるわけでもないという、結構難しいセクターだと思います。

 

ただ、配当利回りは高いことが多いので、キャピタルを無視して長期でインカム狙いで入るなら、安ければ買う!でいいのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

  ■医薬品

 

医薬品セクターはよく、長期投資する際にディフェンシブセクターとして推奨されていることが多いですが、値動きには癖があります。

 

医薬品メーカーは複数の薬を販売しておりますが、通常は特許を取得して販売しております。

特許には期限があり、期限を迎えると安価に販売する他事業者が売り始めます・・・ジェネリックってやつです。

するとそれまでの利益は出なくなります。

 

医薬品メーカーの利益を考えるときには、現在販売している医薬品のポートフォリオと、その薬の特許の期限、そして期限を迎えた後に売れる新製品が現在どこまで開発が進んでいるか?まで見ないと株価が読めません。

現在は利益が出ているが、1年後にはポートフォリオ内のエース級の薬が特許期限を迎え、代替えの薬については臨床にまだ数年かかるなんてことがあります。

 

あるのですが、医学の知識のない身としては、良くわからないんですよねぇ。

コロナワクチンの急先鋒だったファイザーは、30ドルからコロナ期に一度60ドル程度まで株価伸ばしましたが、現在株価はコロナ前の20ドル。

 

 

 

 

 

うーん、難しいです。

 

ただ、ディフェンシブなセクターということで、景気後退期には持っておきたいので、個人的に買っているのは米株のメルク。

 

上記のように医学はわからないので、企業規模が大きく販売する薬のポートフォリオが潤沢で、配当利回りの高い銘柄というだけで買っています。

 

日本の医薬品メーカーは、世界的に見ればどこも小さいので買っていません。

一番大きな武田薬品で世界10位前後。

ただし武田は配当方針が・・・長期で減配してはいないのですが、配当性向がずっと高すぎて微妙なんですよね。

増配が好きな自分にはあまり合いません。

 

 

 

 

 

 

  ■海運

 

コロナ後に特需があり、海運はどこも大幅増配。

わずか1年で配当を7倍とか8倍とかにしてとんでもないことになりました。

しかし、海運はどこも業績連動型の配当方針で、つまりは特需が終われば問答無用で減配してきます。

 

結果、配当が株価並みに乱高下します。

業績連動型が一概に悪いとは思いませんが、海運の配当については乱高下しすぎて、自身のポートフォリオの配当が翌年以降どうなるか、予想が立てられません。

 

一時的に高配当にはなるとはいえ、長期でインカム狙いのポートフォリオに組み入れるというよりは、トレード用の銘柄なのかなと思います。

 

 

 

 

 

 

  ■銀行

 

銀行は積極的に買っているセクターではあり、将来的にも長期保有でいいと思っていますが、それはメガバンクに限った話。

 

銀行は財務を見るときに他の業種とちょっと違ってきます。

通常であれば、現金が多ければ財務優良な企業ということになりますが、これが銀行業の場合、現金は自分のお金ではなく、預金者のお金ということになります。

 

ですから、債務があってもそれ以上に現金を持っているから大丈夫、ということにはならないので注意が必要です。

 

銀行だけでなく、グループ内に銀行を抱えている企業なんかだとその辺がわけわからなくなります。

 

楽天とかですね。

以前は、モバイルで大量に借金していても、キャッシュは潤沢。

でもよく見るとそのキャッシュはほとんどが楽天銀行の預金分だったなんてことに。

今はどうなったか、株も売ってしまったし、監視止めてしまったので直近わかりませんが、投資する方は確認しておくとよいと思います。