配当狙いの長期投資をするには何を買えばいいか? | グデーリアンの投資ブログ

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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

 

 

 

 

 

現在の簿価利回り上位銘柄を調べてみたというのを先日書きましたが、質問いただいたことがあったので、ちょっとその辺を書いてみたいと思います。

 

配当狙いの投資を長期で行っていると、配当利回りが高まってきます。

私の場合は現在、年平均では5%ほどですが、高いものでは10%を超える配当を毎年貰えるほどまで高まっています。

 

これは、過去に買った時よりも増配されていいるからなのですが、増配された今、買ったとしても多くの場合、10%の配当は貰えません。

なぜなら、好業績⇒増配となるにしたがって、株価も値上がりしてしまうからです。

 

 

 

 

 

例として、

株価1000円で30円の配当が出る株を何年か前に買ったとしたら、配当利回りは3%です。

数年後配当が100円に増配されると、購入価格1000円で100円の配当がもらえるのですから、配当利回りは10%です。

 

しかし同時に、株価は恐らく3000円程度まで値上がりする可能性が高いので、配当が100円になったのを見てから買ったのでは、3.3%の配当利回りにしかなりません。

 

ですから、安いうちに買って長く持つ、時間を使ってレバレッジ

を掛けていく必要があります。

 

時間を掛けるということは、その間資金は拘束されるので、もし、短期トレードをしてキャピタルを取って確実に儲ける腕があるのでしたら、そのほうが原資を増やしていけます。

しかし、そうでないなら原資を減らしてしまうリスクが伴います。

 

もちろん長期投資で持っていても、同じく株価が下がるリスクはありますが、①高配当を、②安定的に提供してきた実績のある、③大企業に、④分散投資をすることで、相場環境が悪くて市場が暴落して株価が半分になった時期であっても、配当はある程度安定して受け取れる可能性が高くなります。

 

 

 

 

 

参考に、以下は三菱UFJの月足チャートですが、2008年から2009年にかけて、株価は1200円ほどから400円位まで、1/3程度まで暴落しています。リーマンショックの時期ですね。

日銀のマイナス金利政策導入があった2016年以降は、800円から400円程度まで50%以上の下落があります。

コロナショックのあった2020年にも、600円から400円まで30%の下落をしています。

 

一方で、同じ三菱UFJの配当の履歴を見てみます。

 

2009年には年間14円から12円へ減配しています。

約15%ほどの減配ですが、株価がこの時期66%も下がっているいることを考えると、減配のほうが緩やかだということがわかります。

2015年以降のマイナス金利導入以降は、株価は約半額になる中18円の配当を維持。

2020年のコロナショックでも株価30%の下落に対して、配当は25円を維持しています。

と、同時に、株価の下落の次のサイクル迄、配当は12円⇒18円⇒25円と増配されているのも分かります。

 

 

 

 

 

株価の下落のリスクを回避するには、暴落前に売って底値で買い戻す、上昇サイクル時には買いで回転させて利益を積み増すという、いわゆるトレードをする必要があります。

しかし、トレードで生き残れる個人投資家が約2割ということを考えれば、老後資金の構築のために投資を始める人が果たして取るべき投資手法なのかということには疑問が残る一方、インカム狙いの投資であれば、再現性は大分高くなると思います。

 

見方を買えると、長期投資というのは農耕のようなもので、例えばミカン農家がミカンの木を植木屋さんから仕入れて自身の農地に植えれば、冬にはミカンの実がなります。

しばらくして、ミカンの木をまた植木屋さんに見に行ったら、そこでは自身の買値よりも半額で売っていたとしても、ミカン農家は木を買います可能性はあるにせよ、損切だとばかりに自身の農地のミカンの木を売ったりしません。

次の冬の収穫が無くなってしまいますからね。

株価というのはミカンの木、収穫するミカンこそが配当金。

 

そう考えると、そこにトレードは不要なのです。

 

 

 

 

 

では次に、植えるミカンの品種はどのようなものがいいか?

例えば、暖冬でも厳冬でも、雪が多くても少なくても、確実に実がなり、病気に強くて枯れにくい。

そんな品種であれば、毎年の収穫は安定します。

ある年は大量に実をつけても、翌年は不作みたいなことを繰り返されると、生活できませんからね。

 

株に置き換えると、例えば海運株などはシクリカル(景気敏感)の代表で、好況の時期には大幅増配して配当利回り10%越えなんてこともありますが、翌年すぐに半額以下に減配なんてことを繰り返します。

増配のニュースに釣られて買うと、高値で掴んで翌年減配。配当利回りも一気に低下。

なんてことになりかねないので、こういう銘柄はお勧めできません。

 

以下は日本郵船の配当推移です。

先ほどの三菱UFJの右肩上がりとはだいぶ違います。

 

今の配当金にこだわるのではなく、最初にも書いた、①高配当を、②安定的に提供してきた実績のある、③大企業に、④分散投資をすることが大事かと思います。

 

 

 

 

 

例えば

 

金利上昇がポジティブに働く銀行業の中でも、マイナス金利でもしっかり利益を確保し続けて配当も維持し続けたメガバンク。

 

インフレに対してポジティブな建設、不動産の中でも、日本の人口減少に対応できる海外売上比率の高い銘柄。

 

国や公官庁が主な取引先で喰いっぱぐれの無い土木関連の中でも、地震、防災関係を担う特殊土木。

 

等については、割と元々の配当利回りが高い=バリュー系で、還元姿勢も高い企業があって、割と個人的には好んで買っているセクターだったりします。

 

ただ、こういいう所ばっかり買っていると、セクターが偏りがちなので、ここばかりに偏らないようには注意しています。