今回、こちらの続きです。
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長期投資の成功について、バフェットの言葉から考えてみる | グデーリアンの投資ブログ

前回、バフェットさんの言葉に
「毎日食べるハンバーガーが値下げされたらみんな喜ぶのに、株価が下がるとみんな悲しむのはおかしい」
というのがあると書きました。
とは言え、ですよ。
やっぱり自分が買った株、売る気が無くても下がると不安になりますよね?
これ、なぜでしょう?
その答えの一つは、自ら買った株の値踏みに自信が持てていないから、なんだと思っています。
例えば、開運なんでも鑑定団に家宝の壺でも出品したとしましょう。
家宝ですから鑑定結果が幾らであっても売る気はありません。
でもその鑑定結果が安かったら不安になります。
本当はこの壺、偽物なんじゃないの?ガラクタなんじゃないの?
そんな風に思えてきます。
でもですよ、鑑定結果が100円だっとしても、自分がその壺に価値を見出せていて、かつ売る気が無いのであれば、別に鑑定結果がいくらであっても問題ないはずです。
それなのに、鑑定結果に一喜一憂するのは、壺への目利きを自分が出来ない為、他人にゆだねているからなんです。

これが株式市場となると、市場の値付けとアナリストの予測が、鑑定士の鑑定結果に相当します。
しかしこれ、とにかく間違うことが多いです。
だから、時として優良株が暴落に巻き込まれたり、ごみ株が仕手化して暴騰したりします。
こういった値付けの間違いが、あまりに頻繁に起きているため、自分が買った値段が正しいのか間違っているのか?
その判断を、翌日以降の株価で答え合わせをして、自分の買値よりも株価が上がれば、自分の目利きは間違っていなかったんだって安心したくなるんです。
この安心を確実に得るためにはどうすればよいでしょうか?

答えは
下落の底値で買うこと
となります。
しかし底値で買えなかった場合、投資家は時としてとんでもない行動に出ます。
それが
買値よりも値下がりしたので、売る。
という損切です。
損切という行為は、キャピタルを取りに行く際には必要な行為だと思います。
しかし、長期投資でインカムを取りに行く場合、値下がりしたから売るというのは、バフェットのいう所の値下がりしたハンバーガーを買わない、どころか高く買ってきたハンバーガーを安く他人に譲る行為です。
そしておそらくその投資家は、再度ハンバーガーが値上がりしてから買い始めることでしょう。
壺の話でいえば、その壺の価値は変わらないのに、ある人が100円と値踏みしたら売り、別の人が1億円と値踏みしたら買い戻す。
そんな行為ですから、決して理論的じゃあありませんし、こんな投資家は早晩、市場から退場していくことになるでしょう。

こんな時に長期投資家ならば、こんな風に考えます。
もしこの優良な企業の株が下がるのならば、それは短期の投機目的の筋が売っているからであって、長期投資家がその値動きに付き合う必要はない。
バフェットの言葉を借りるなら
投機筋が売って安くしてくれるのなら、ハンバーガーを安く買うチャンス。
こういった思考回路になるのが、長期投資のコツと言えるでしょう。
※ただ、長期投資で損切りはしないのかというと、そんなことはありません。
企業の経営方針が変わったり、企業の体質が変わったり、商品が変わったりしていく中で、その企業の将来の収益に期待できなくなった時、つまり優良企業ではなくなった時。
こんな時は株価にかかわらず売却の対象になると思います。
肝は、他人の値付けや投機的な値動きで売るわけではない、ということですね。

余談ですが、ちょっと違った話。
丁度先日、誰かちょっと忘れちゃいましたが、テレビで芸能人が
「古着を売りに行って、売ってしまって、7000円で売れたんですが、後で考えてやっぱり売らなきゃいいと思って、翌日また古着屋に見に行きました。
そうしたら既に14000円で売られていたんですが、結局14000円で買い戻して帰ってきました」
という話をしていました。
この話を聞くと、恐らくすべての人が、売らずにずっと持っていればよかったのに、と思うでしょう。
この古着を株に置き換えると、実は似たような経験していませんか?
