
CFIUS=対米外国投資委員会によって、日鉄によるUSスチール買収審査が行われていましたが、期限が昨日23日でした。
結果は、CFIUSは結論を出すことが出来ず、判断はバイデン大統領に任せるようです。
【速報】日本製鉄のUSスチール買収 米委員会は最終判断をバイデン氏に一任へ 米報道(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
そもそもバイデンさんもトランプさんも、買収反対の姿勢ですから、普通に行けば買収は失敗で決着する予定です。
株価は今期の減益予想と買収失敗を材料に、今年の春先からずっと下げてきました。
この先については、買収失敗後、日鉄とUSSは共同で訴訟を起こす予定とのことですから、決着がつくのはまだ先となれば、株式相場が嫌う「不透明感」は今しばらく続く間もしれません。
しかしながら、経営をV時回復させた前社長(現会長)橋本 英二さんになってから、株主還元姿勢が強く、今期も減益ながら配当は維持の予想。
つまり、株価が下がれば下がるだけ、配当利回りは上がるということです。

で、来期をみてみても、増益の予想ですから、一時的な利回りの増加で終わる、というリスクもある程度少なそうです。
株価については、買収可否の不透明感は実はもうほぼほぼ織り込んでいる可能性もあり、今下げているのは、買収失敗時の日鉄側の賠償金850億円を、払うことになるのかならないのか?
という所の不透明感に焦点が当たっているような気がしますが、日鉄側の瑕疵がなければ払わなくていいようなので、今日鉄が、色々と対案を出しているのは、もうある意味、破談になった後のことを想定して、瑕疵の無い対応をしているようにも見えてきます。
意外と、賠償金は払わなくていいのかもしれませんね。
私としては、高配当バリュー株投資がメインなので、業績健全のまま株価が下がるのであれば、買い増しを検討したいところです。
日鉄の配当利回りは5.3%を超えてきていますから、ポートフォリオ全体の配当利回りの底上げを期待できます。
この辺はキャピタル狙いの投資が、順張りが基本なのに対して、インカム狙い投資は逆張りが基本になるので、トレードメインの人には違和感があるかもしれないところですね。

ただ経験上、高い配当利回りをYoCベース(簿価ベース)で得られるようになるには、株価が不調な時に買っておくのが高配当投資のコツと思っています。
個別株価の損益を見るのではなく、ポートフォリオ全体である程度の含み益が確保できているのであれば、次に見るのは同じくポートフォリオ全体でどの程度の配当利回りになっているかです。
ですからそういう意味でも配当利回りの底上げが期待できる銘柄、連続増配でYoCを高めていける銘柄を、バランスよく買っていくのが重要と思っています。

具体例を挙げると、以前は、銀行や総合商社株が、これに当てはまっていたんですけど、銀行も総合商社もここ数年で株価が上がり、大分妙味が薄れてしまいました。
タバコ銘柄なんかもそうですね。
金融や保険に関しては、去年の年頭、アメリカでシリコンバレーバンクの破綻から銀行の連鎖倒産があって、日本の金融関連、保険関連株がつれ安になった時期がありました。
あの時期、株安に伴って当然配当利回りは上がりました。
金融危機(リーマン・ショック)の再来では?と煽る記事やインフルエンサーの意見に流されることなく、そこで買えていれば、もしその後、現在まで株価が戻らなくても、自身のポートフォリオの高配当な簿価利回りは現在も維持できています。

時間はかかりますが、業績が健全で高配当が維持されれば、短期で株価が上がらなくても、長期では株価は上昇する可能性が高いですし、そもそも配当をもらい続けるならば株は売らないので、株価は上がろうが下がろうが関係ないわけですから、インカム投資はキャピタル狙いの投資とは見方が変わってくるということですね。
もちろん、シリコンバレーバンクの破綻から、日本の銀行も連鎖倒産する未来がなかったわけではないです。
もしかしたら三菱UFJも倒産、なんて可能性・・・はぼぼゼロに近いですが、それでもゼロではなかったでしょう。
ですから、リスクを取って売られている優良銘柄を買いつつ、その額は自身の資産額に合わせて、分散投資されているというのがとても大事になります。
