投資番組への違和感 | グデーリアンの投資ブログ

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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

投資系のテレビ番組というのは、以前からBSではよくあったのですが、最近では地上波でも放送されることが増えてきました。

 

つい先日も地上波で、カリスマ個人投資家のテスタさんが出演する番組があったので見てみました。

 

 

 

 

 

結果。。。

 

正直、すごい違和感がありました。

 

番組の多くの時間を、ある事象から連想していって、こんなものが売れるのでは?という想像をしてそんな企業を株価が上がる前に先回りして買う。

 

という説明に費やしていました。

 

簡単に言えば「風が吹けば桶屋が儲かる」という話なのですが。

 

これ、逆に言うと「風が止んだら桶屋が損する」ことまで想像する必要があります。

 

風が吹くという一過性の自然現象では、桶という商品の売れ行きも一過性で終わる可能性があるんです。

 

この先「風が吹く」というテーマに沿って、関連する銘柄を探すと、確かに波に乗って株価の上昇を享受できるかもしれませんが、風が止む前に売り抜ける必要もあるんです。

 

つまり、今話題のNISAを利用した長期投資ではなく、短期での売買=トレード=投機=ギャンブルになりがちなのですが、番組ではそんなことお構いなく、放送していますから、初心者はこれぞ投資と思って見ていることでしょう。

 

 

 

 

 

話を桶に戻してみます。

 

仮に風が吹くことで桶に特需が生まれたとします。

しかし、この風が止んだ後、桶屋がどうなるか?

もし、風呂に入る文化が根付いているのであれば、風に関係なく桶に対する需要は一定数有り続けますから、長く売れる商品になり得ます。

 

逆に言うと、特需がない時に商売になりえる産業なのかを見るということなので、むしろテーマを意識しないほうが良いということです。

 

最低限、テーマに沿った投資をするのであれば、その風は、この先ずっと吹き続けて止まない、つまり長期潮流に乗ったテーマなのか、一過性の物なのかまでの仕分けをする必要があります。

 

例えば、オリンピック開催に伴う特需で観光業や建設業がにぎわうとしても、それはオリンピック開催までの話ですから、そのテーマは長く続かない、ということなのですが、テーマとしてキャッチ―なのは、むしろこのオリンピックのように、ある時期から急に巷をにぎわす一過性の物なことが多いのが厄介なんです。

 

 

 

 

 

 

 

番組の中では「いきなりステーキ」について触れられているシーンがありました。

確かにいきなりステーキ(企業名はペッパーフードサービス)はある時期急に話題になり、株価も急騰しました。

 

番組の中では、その後と現在のペッパーフードサービスの株価には触れられていなかったのでここに上げておきます。

 

どうです?

投資経験がある程度長い人にとっては、大して真新しい情報ではないですが、番組だけ見た初心者の方がいたら、これ、びっくりじゃないですか?

 

急騰前に買い付けて、急騰後は先に売り抜けるというトレードを行わないとこの手の株では勝てないのです。

そんな方法を暗に勧めるような番組構成を地上波の比較的視聴率の高い時間帯に行うのはいかがなものなんでしょう?

と、いうのが自分の感想だったわけです。

 

番組に出ていたテスタさんは、まごうことない天才投資家ですが、彼は長期投資も短期での投機も両方行っており、その中の投機に関した手法に多くの時間を割いている番組構成にはどうなのかなと思いました。

 

 

 

 

 

元々、ここ最近投資に興味を持ち始めた人たちは新NISAという制度をきっかけにしている人が多いのです。

 

新NISAは毎日売り買いを繰り返すようなトレードとは相性が悪く、そもそもそういう投機を目的とした制度でもありません。

 

資本主義社会の成長と一緒に企業が成長するという前提のもとに、長期で企業のオーナーになりましょうという投資を後押ししているのがNISAです。

 

それを前提にすれば、一過性のテーマを探し出すという手法ではなく、長期で需要があり続けるビジネスに対しる投資をするのが、正しい銘柄選定になるのではないかと思います。

 

 

    

長期で持ち続けられる銘柄については、YouTuberでもあるバクさんの本なんかはお勧めです。

 

 

 

    

個別銘柄はちょっと、と思うなら、一時話題になった厚切りジェイソンさんの本も入門に最適です