最初にお断りしておきますと、不労所得形成のための長期投資を前提としています。
トレード(投機)を行う場合にはまた違う考えになると思いますのでご注意ください。

銘柄選定
これは僕が、投資についてリアルで聞かれた場合にお勧めする買い方になります。
まずセクターごとに優良な銘柄を選定していきます。
長期で不労所得を形成するのが目的なので、高配当バリューが多くなりますが、高配当バリューの中でも、継続的にEPSが伸びている銘柄、そして出来るだけ業界首位級の銘柄を選びます。
EPSが安定して右肩上がりの銘柄は、配当を今後も払い続けられる可能性の高い銘柄ですので、配当狙いの投資では必ず確認が必要です。
業界首位級の企業を選ぶ理由は、その事業において高い参入障壁を既に築いていることが多く、競争優位性を維持できる可能性が高いからです。
このように選んでいくと(カッコ内は2位または3位)
銀行 三菱UFJ(三井住友)
保険 東京海上
通信 NTT(KDDI)
卸売業 三菱商事(伊藤忠商事)
輸送用機器 トヨタ(ホンダ)
ゴム製品 ブリジストン
のような企業が浮かび上がってきます(推奨ではないですよ)
最終的には、高配当投資には不要なセクターを除いて20銘柄~を選定します。

買い方第1弾
選定した銘柄を、出来る限り全て買います。
ただし、20以上の銘柄を買うとなると金額も大きくなりますし、買い付ける時期(金額)が適切かどうかを測るのは難しいです。
お金持ちの方ならそれでも100株ずつ20銘柄そろえることもできるかと思いますが、そうではない場合、単元未満株で1株でも5株でも、負担の無い数量で欲しい銘柄を出来るだけ一度に揃えてしまいます。
(単元未満株での購入が出来るネット証券での口座開設が条件)
こうやって最小でいいので実際に株を持つと、以降はその株が購入時より何パーセント上がったか下がったかを気にしてみるようになります。
下がっている場合、トレードであればいい事は一つもありません。
しかし、目的は配当による不労所得の形成です。
株価が下がったところで買い増しをすることで、配当利回りは上がり、配当金は増えます。
株は売ってしまうと配当収入は無くなるので、持ち株の評価額が減っていることは、トレードと違って問題ではありません。
最大の難関は、実はこの考え方の切り替えです。
目的は、購入したミカンの木が毎年つけるミカンの実を収穫することであって、ミカンの木を売ってしまうことではないんです。
植木屋さんに行ったら、去年よりもミカンの苗木の相場が下がっていたとしても、安くなってる苗木を買って庭に増やすことすらあれど、家にあるミカンの木を売ることはありませんよね?
しかし多くの新人投資家が、安く買ったミカンの木を高く売り抜けるのが投資と思って市場に参加しているので、この考えを切り替えるのはなかなか難しいのです・・・。

買い方第2弾
さて、20銘柄を自身の財布に負担の無い最小単位で揃えたあと、価格が下がっていたら買い増しを検討します。
もし最終的な目標が100株保有で、現在1株しか持っていなければ、99株の買い増しできるバッファがあります。
ドルコスト平均にはならないのですが、安いところを買い足すを99回繰り返せるわけですから、買い足していくことで、最初に買った価格が高値だったとしても、目標の100株に到達する頃には買付単価は均されているはずです。
そして何より、最初に言ったように買付単価が幾らで含み益がいくらか、含み損はいくらかはあまり関係ないんです。
価格が下がったところで買い増すことで、利回りが上がり、配当金の額が増える。
それを足していって、今年貰える配当金が幾らになるかを計算します。
最終的に年間幾らの不労所得を築きたいか?これを目標として、株価が下がったところ、つまり利回りが上がったところで買い足していくんです。
ミカンに例えると
ミカンの木の時価総額が幾らかではなく、今年のミカンの収穫高が幾らになるかを計算するんです。
もちろん、ミカンが不作な年や、ミカンの疫病が流行る年もあります。
株でいえば、経済的な不況や、企業の倒産です。
だからこそその予防策として、業界が無くならない限りシェアを維持し続けるであろう業界首位級の銘柄を、最初に選定しているのです。
なぜこれが予防策なのか?
実際不況で多いパターンですが、業界の中でも中小企業が先にダメージを受けがちです。
その際、生き残れない企業が倒産したり、大手に買収されます。
つまり、首位級を持つというのは、買収する側に立つと言ことです。
それにより、不況を乗り越えた後にその首位級の企業は、以前よりも寡占化できる可能性が高くなるんです。
一つ実例を挙げれば、リーマンショック時には日本の自動車メーカーもこぞってダメージを受け販売不振に陥りました。
しかし不況が明けた時には、気付くとトヨタはスバルへの出資を増やしてスバルを子会社化していました。
これが不況によって、業界全体がダメージを受けても、不況が終わると首位級の企業の寡占化が進む例です。

少数でも同時に沢山持つ意味
単元未満でいいからポートフォリオを最初に形成してしまう意味としてもう一つメリットを上げると、そのポートフォリオの所有数を上げていったとき、市場に対してどの程度アウトパフォームしているか、アンダーパフォームしているかが、常にわかります。
それにより、この比率で将来いくら迄投資額を増やすと、いくらの不労所得が得られるかというのをシミュレーションできます。
繰り返しますが、含み益がというよりも、配当収入がどのくらい増えるかのシミュレーションが出来る方が重要です。
持っているのは業界首位級の銘柄ですから、不況が長引いて株価が何年も低迷したとしても、不況が終わったときには業界下位を傘下に収めて大きくなって帰ってくる可能性が高いです。
その間、株価は半分になったとしても、配当は株価ほど乱高下はしないですし、株価が下がっても配当は増配ということも珍しくありません。
分散してポートフォリオを組んでおくことで、配当金は増配の銘柄、減配の銘柄の平均が出ます。
このまま株数を増やしていくことで、安定した不労所得が得られるかどうかをシミュレーション出来る意味は大きいです。
いかがでしたでしょうか?
なんか共感いただける内容はありましたでしょうか?
長くなりましたが、短期間での投機ではなく長期投資で資産形成をお考えの方の参考になれば幸いです。
余談
ウォーレンバフェットさんが米コカ・コーラに投資し続けている理由は、コカ・コーラは新興企業が参入できないほどの寡占化を成功させているからなんですよね。
「2兆ドル(だったかな?)をもらって、コカ・コーラに対抗する飲料メーカーを作ってくれと依頼されても私にはできない。それだけのビジネスモデルをコカ・コーラはすでに確立している」
とまで答えています。
