日経平均の下落幅が-2216円でした。
メディアでは史上2番目の暴落という言い方をしていて、一番は1987年ブラックマンデーの-3836円だそうです。
これだけ聞くと、リーマンショックの時よりも下げたという風に聞こえますが、値下げ率でいうと、1位の1987年のブラックマンデー時は3836円の下げで終値21910円なので、下落率は-14.9%の下げ。
それに対して今回は、2216円の下げで終値35909円で、下落率は-5.81%です。
で、‐5.81%の下落率は史上30位です。
暴落は暴落なのですが、過去にそれ以上の暴落は何度も起きているので、今のことろそれほどまでに焦る内容でもないというのがわかります。
余談ですが、1949年には‐7円の下落がありました。
たったの7円ですが、当時の株価が98円なので下落率でいうと‐6.97%で、先日の下げよりも大幅な下落率です。
幾ら下がったかだけ見ていたら、全然大したことのない7円の下落ですが、当時の人にとっては資産が‐7%近く減る、大きな下げだったわけです。
こうしてみると、何円下げたかは、資産の増減を測るにあまり意味がないことだというのがわかりますよね?

とはいえ、このままずっと下げ続けると段々焦ってくるものです。
特に今年は、新NISAで投資を始めた人が沢山いるでしょうから、今年の上げ幅分がいってこいになると、今年投資を始めた人は含み損が出てしまいますから、やはり投資初心者が含み損になれば、焦るのは仕方ないと思いますし、中には狼狽売りを始める人も出てくる・・・というかもう既に一定割合は狼狽売りしてるかと思います。
ただ、相場は通常の商品の取引と一緒で、需要と供給で成り立っています。
今なぜ株価が下がっているかと言えば、買いたい人よりも売りたい人が急激に増えたから、急激に値を下げているわけです。
ところが市場に出回っている株数というのは一定なので、売りたい人が一通り売ってしまうと、今度は逆に売り物が無くなる供給不足が起きます。
特に皆が一斉にパニックになって投げ売った後は、突然供給不足が起きます。
これをセリングクライマックス(セリクラ)と言います。
今のような暴落が起きると、チャートがナイアガラの滝のように加速度的に落ちていくことも間々ありますが、セリクラが起きて一気に切り返したりもします。
(セリクラが起きた後も多くの場合、そのまま一気にV字回復とはいかずに、ダブルボトムや逆三尊の形状を付けた後上昇していくので、上昇まではそれなりに時間がかかるのは覚悟する必要はあります)

初心者やられるパターンとして多いのは、ナイアガラのように下げが毎日加速していくのを見て、耐えられなくなって売り、その後にセリクラが起きて慌てて高値で買い戻す。
結果安く売って高く買い戻すことになり、損をします。
もちろん、業績が悪く、倒産寸前なために値を下げている企業であれば、長期的に見て値を戻すことはありませんから損切りするのも仕方ないです。
でも、業績が悪くないのに、市場環境に巻き込まれて一時的に下げている優良な企業は、いつか値を戻します。
見方を変えると、優良な企業は安くなったら買いたいと虎視眈々と狙っている投資家がいて、狼狽売りする人がその人たちにバーゲンセールで売ってしまうことになります。
まだ含み益の少ない初心者の方にとっては、この下げは中々きついかもしれませんが、優良な企業と思って買っている株であれば、狼狽売りする前にもう一度冷静になって、その企業の5年後、10年後を思い浮かべましょう。
成長している姿が見えるようであれば、まだまだ大丈夫です。
ただ、信用取引などのレバレッジを掛けた取引をしている方については、場合によっては追証が発生してしまいますので、強制決済前に損切しなくてはならないかもしれません。
ファンダメンタルを見ずに、テーマ性だけを見て買った株であれば、業績が付いてこずに、この先ずっと値を戻さないかもしれません。
今行っている投資方法と投資先がどのようなものなのか、一度見つめなおすことも必要かもしれませんね。
