個別銘柄【4996】クミアイ化学工業
株価769
■配当関連
予想EPS 前期149.9円⇒今期91.4円
一株配 前期45円⇒今期28円(17円減配)
配当性向 30%
■割安性
PER8.41倍
PBR0.7倍
■利益率
ROE8.3
ROA4.8

全農系農薬専業首位の化学系企業です。
前年までは6期連続増配など、好調でしたが、前年12月に大きくケチが付いています。
前年の半期決算で「12月ごろ、時期中期経営計画で、さらなる株主還元を発表します」的なことを大きくリリースしていたのですが、いざ12月にふたを開けてみるとその内容は。。。
・今後は配当性向を25%程度から30%程度に引き上げる。
・それに伴い、今期の配当は45円に増配する。(前々期は22円)
・加えて来期については減益見通しのため、配当性向30%に照らし合わせ、27円に減配する。
といったもので、半年も前から大風呂敷を広げて期待を煽る告知をした割には、来期の大幅減配ということで、株価は1100円から800円台まで暴落しました。
その後もジリ下げの状態で、現在769円まで下げています。
これには、何とも企業のIR担当者の稚拙さが垣間見えてしまいます。

もし
「前々期22円を今期25円へ増配、今年は減益見通しだが配当は27円に増配しつつ、来期以降は配当性向を30%まで引き上げる。」
と、このようにちょっと見せ方変えたIRを出すだけでも
・昨年の6期連続増配は、来年まで8期連続増配になる。
・来期以降、配当性向も引き上げ、株主還元の期待が出来る。
と投資家に捉えられて、来期減配の予想から株価下落はしたとしても、こんな暴落はしなかったように思います。
この企業の場合、業績よりもIRが投資家からの信頼を失ってしまったように思います。
株価の下落によって配当利回りは3.64%、PER8.41でPBRも0.7倍と1倍割れですから指標的には割安感が高まってきましたが、投資家からの信頼が回復するまで、株価の復活も難しいかもしれません。
反対に、低迷している今が仕込み時ととらえるなら、逆張りがセオリーの高配当投資には合っているかもしれないのですが。
