投資をするうえで株主優待は一見してわかりやすいお得感がありますので、初心者中心に飛びつきがちなのですが、優待は貰えるが株価は下がるわ、配当金も減配されるわなんていう、いわゆる罠銘柄も多く存在します。
まずは最初に、以下に目を通していただいたうえでこの記事を読んでいただければ幸いです。
【優待】株主優待の良し悪し【桐谷さん】 | グデーリアンの投資ブログ (ameblo.jp)
●8098 稲畑産業
■株主優待
100株以上で500円のクオカード
権利確定月9月
ですが、所有株数と所有期間によって増額し
・6カ月以上3年未満継続保有の場合
100株以上200株未満の株主には1,000円相当、200株以上300株未満は2,000円相当、300株以上は3,000円相当。
・3年以上の場合
100株以上200株未満は2,000円相当、200株以上300株未満は3,000円相当、300株以上は5,000円相当。
となります。
■企業について
住友化学系の化学専門商社で、情報電子、合成樹脂が柱です。
住友化学は業績不振が続いていますが、稲畑産業は増収増益基調が続いています。
累進配当を宣言した2021年以降人気化しており、株価も比較的好調に推移していますが、このところの業績は踊り場の感があり、株価も23年の7月以降停滞気味です。
とはいえ株主還元については、優待も長期保有で増額され、配当金も累進配当の宣言以降、毎年5円ずつの増配をしているので、長期保有には向いた銘柄と言えそうです。
PER10.87倍
PBR0.92倍
となっており、株価に割高感はありません。
今年度の予想EPS307円に対して配当金125円は配当性向40%ですから、配当に関してもそれほど無理はなさそうです。
■利回りについて
現在の株価3345円に対して、配当金125円とクオカードを1単元分500円を足すと、総還元利回りは3.9%ほどです。
ただし、長期保有でクオカード2000円分で計算をすると、還元利回りは4.3%になります。
累進配当の銘柄でもありますので、今買ってクオカードが2000円貰えるようになった頃に配当金も増えている可能性が高いので、利回りはもっと上がっていることになります。
数年間5円ずつの増配が続いていますから、同じくこの先3年間もそれが続くと仮定して、3年後は配当140円+クオカード2000円で計算すると、利回りは4.7%にまで上がります。
■優待の継続性について
優待がクオカードなので、企業にコストメリットはありません。
そのため、業績悪化などによって廃止されるリスクはありますので、その点は注意が必要です。