パチンコ業界 | グデーリアンの投資ブログ

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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

 

前回、パチンコで稼ぐのは「私のやっていた当時と比べれば、理論上勝てる可能性もうまみも薄れているはず」

と書きました。

私のギャンブル歴 | グデーリアンの投資ブログ (ameblo.jp)

 

これは数年前との比較ではなく、数十年前との比較です。

 

ではなぜそう思うのか。

 

数十年前のパチンコと言えば、若者からお年寄りまで、数千円持って遊びに行けば、数時間楽しめるような敷居の低い台から、それなりにギャンブル性の高いものまで島ごとに色々な台がありました。

 

低予算で遊べる台は、玉がいわば、今でいうピタゴラスイッチの装置のような面白い仕掛けを施された役物の中で、当りや外れに振り分けられて転がっていくのを楽しめました。

 

しかし、当時バブルのご時世、次第にギャンブル性の高い台が人気になりました。

 

その流れはバブル崩壊後も変わらず、パチンコ店には一日で10万勝った、10万負けたという客が沢山いました。

 

この時期から実は、金銭的についていけなくなった客や、波の激しい台一辺倒のゲーム性が好きではない客の一部層のパチンコ離れが進んでいたと思います。

 

本来、土日しかやっていない競馬、購入して数週間後の当選発表を待つだけの宝くじなんかと違い、パチンコ店は当時は都会の駅前や田舎の田んぼの真ん中までどこにもあり、しかもほぼ365日営業しており、お手軽に遊べる遊戯として普及したと思うので、バブルの金余りなどの特殊な状況下で限り、高いギャンブル性を売りにした経営を長く続けるのは無理があったのです。

 

 

 

 

 

実際2000年を過ぎたころからは、パチンコ店の経営は少しずつ変化していきます。

 

1円パチンコや、5円スロットなど、それまでのレートを大幅に下げた台を設置はじめました。

レートを下げて少ない金額で遊べるようにすることで、客離れを防ごうとしたのです。

 

私個人的には、これがパチンコ店の衰退を決定づけた行為だと思っています。

レートを下げて客を取り戻そうというのは苦肉の策としてわかります。

しかし台のゲーム性は変わっていないので、今まで通り、連荘を繰り返す台が低いレートで遊べるようになっただけでした。

 

 

このころには台は、昔のように役物にピタゴラスイッチのような創意工夫がされているわけでもなく、安易に有名なアニメをモチーフにして客寄せしたりすることがほとんどでした。

当然これには版権代を払う必要がありますし、このころの台は昔と違い盛大な電飾が施されていています。

これらの台は客が座っていようが、空き台になっていようが、営業時間中は大型の液晶にデモ画面が流れ続けます。

 

そのため、明らかに昔よりも設備投資や販管費が増大していると思われます。

 

にもかかわらず、台のレートを下げて遊ばせるということは、時間当たりに客から回収できる額(売上)は減るわけです。

 

この(減った)売上はまずは、新台の設備投資、店を営業するための家賃、水道光熱費、それから店員の人件費に充て、店の経営を成り立たせたのち、余った分を客への還元に回すことなるでしょうから、つまりは原資の減った今現在では、昔のように客へ還元することはできないはずです。

 

中には赤字経営になっても客への還元を優先する店もあるかもしれませんが、それで経営が回復しなければ、最終的には還元を減らさざるを得ませんよね。

 

 

 

 

 

これが昔よりもパチンコで稼ぐことが出来ない理由です。

客に還元できる原資が店側に無いのですから、稼げるわけがないのです。

 

これは株式投資をする際の考え方と一緒です。

 

※販管費などの諸々の費用を先に引かれたのち、それでも余った分が企業のオーナー(株主)の取り分になる。

だから企業の経営状態が悪い場合、それでも社員は給料をもらえるが(これは給料が販管費に含まれるからです)、株主は還元を受けれない。

(多分私は、当時からこういう風にギャンブルを分析していたので、株式投資を始めた時に素直に適合できたような気がしています。)

↓投資家目線でもう少しパチンコ業界を掘り下げてみました

パチンコ業界の暗い将来 | グデーリアンの投資ブログ (ameblo.jp)

 

最近のホールを見ると、それでも客が付かないからでしょう、台の枠だけ残してベニヤ板で目張りをして間引きしている島があったりするようですので、一層費用対効果は悪化していると思われます。

 

東京などの大都市の一等地などでは、いまだに経営が成り立っている店もあるでしょうから、そういう店で遊べる人であればある程度のリターンは期待できるのかもしれませんが、全国的にはやはり厳しいのではないかと思います。

 

 

 

 

 

先ほど「レートを下げたのがパチンコ店衰退の原因」というようなことを書きました。

その理由は、射幸性の強い(ギャンブル性の高い)台では経営が難しいとわかったこの時期は、レートを下げるのではなく、ゲーム性自体をホールとパチンコ台メーカーが共同で考え、開発し、業界に合ったものを提供する最後のチャンスだったと思うからです。

 

ところが当時、一時的であっても、レートを下げることで客を取り戻せてしまったことで、台のゲーム性を考えることを業界はやめてしまい、安易に客の認知性が高い版権物を高い費用をかけて、高い射幸性でリリースし続けることにつながったのではと思うのです。

 

遊びと考えてパチンコをやっている人はいいと思います。

でも、稼ぐためとか考えている人は、今のうちに手を引くのが個人的にはお勧めです。

 

ちなみに私は、この間10数年ぶりにホールに入りました(中を素通りしただけで打ってません)が、玉貸しのシステムも現代の機器ではどうなっているのかよくわかりませんでいた(笑)