パチンコ業界の暗い将来 | グデーリアンの投資ブログ

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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
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前回、パチンコで稼ぐという視点で、自分が稼いでいた当時のことを(あまり自分で自分をパチプロとは言いたくないのですが、要はパチプロしていた当時の話です)書いてみました。

パチンコ業界 | グデーリアンの投資ブログ (ameblo.jp)

 

書いているうちに、投資家の視点でパチンコ業界を書いてみたくなりましたので、今回はそんな話です。

 

タイトルが「暗い将来」と書いちゃっているので、そういうオチですが。

 

 

 

 

 

まず、パチンコ店を経営するのであれば、客から資金を回収し続ける必要があります。

パチンコ店にとっては、パチンコ玉自体が商品で、この玉を1時間にいくらのレートで何発客に貸せたかが売り上げになります。

※レートは通常1発4円、低レートで1円

 

この売り上げの中から販管費を引いて、設備投資をし、残りが利益剰余金になります。

 

ざっくりと、パチンコ店を企業として見た時のお金の流れはこんな感じです。

 

このお金の流れの中から、販管費の一部、従業員へ払う給料に焦点を当ててみましょう。

 

昨今インフレの進む中、どの業界でも賃上げ圧力が高まっています。

従業員を確保するためにはパチンコ業界でも、賃上げは必要になるでしょう。

 

この賃上げをするためには、売り上げを増やす必要があります。

他業種であれば、インフレによる物価上昇を利用して商品に価格転嫁を行い、営業利益を伸ばし、伸ばした分の一部で賃上げを行います。

 

ところが、パチンコ業界ではここに問題があると思っています。

 

 

 

 

 

玉貸しは風営法で最大で1発4円と決められていますので、現行ではこれ以上の高い値段で玉を貸す(商品を売る)ことが出来ません。

 

今後、政府日銀の思惑通り安定的な年2%のインフレが20年継続的に続けば、今のお金の価値は2/3になりますから、単純計算で従業員の給料を30%上げなければ、従業員は今と同水準の生活を保てません。

 

そんな中で、商品単価がこれ以上上げられないのであれば、商品販売数を30%増やさなければなりません。

 

この方法は二つ。

1、一つは、客の数を3割増やす

2、もう一つは、出玉を今より3割減らして客から回収する

 

このどちらかをするしかなく、ほかに手段があるとすれば、

 

3、従業員の給料を上げない(インフレを考慮すれば、実質減俸)で従業員に生活水準を下げてもらうか、従業員の解雇しかありませんが、これでは本末転倒ですね。

 

2番目や3番目では、出玉が減って還元率が下がって客が割を食うか、給料が増えずに従業員が割を食うかという世界になりそうです。

 

唯一の明るい未来は、客の数を3割増やすことです。

しかし、昔と違ってガラガラのホールの現状で、ここから3割客を増やすのには、相応のブレークスルーを起こす必要があるでしょう。

 

昔と違い、いつでも遊べるお手軽なギャンブルというパチンコ特有のユニークなジャンルは、(違法ですが)ネットカジノなどの登場で、参入障壁が無くなり、すでに一部のギャンブル依存症はそちらに流れているとも考えられます。

 

また、大昔にパチンコを娯楽として楽しんでいた層は、パチンコ業界側が自ら見捨てましたから、この層が戻ってくるのは相当にハードルが高いと思います。

 

後は今までパチンコをしたことのない新規顧客の開拓をするしかありませんが、今のままでは確実に無理です。

(パチンコにポジティブだった層ですら離れていったのですから、ニュートラルまたはネガティブな層を獲得するにはそれ相応の新たな魅力がないと無理だと思います)

 

こう考えると、やはり中々明るい将来は想像しがたいです。

 

 

 

 

 

もう一つ方法があるとすれば、お巡りさんの天下りの先の某組織に訴えかけて風営法を改正してもらい、今より高いレートで玉貸しが出来るようにすれば、法的な問題は解決できるのですが、そもそも4円でも客が離れて、その原因がレートの高さと分析した結果レートを下げた経緯を考えれば、より客離れがすすむだけのように思います。

 

自分なりに色々と考えてみましたが、どれもなかなか難しそうですね。

 

昔のように、学生からお年寄りまで、少額のお金で長い時間、談笑しながら遊べるホールに戻ってくれることはあるのでしょうか?

 

昭和のレトロ台を、ゲームセンターのようにただ遊ばせるだけのお店が一部で話題になっています。

こういうのはヒントになる気もするんですけどね。