今なぜ?アクティブファンド | グデーリアンの投資ブログ

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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

 

 

 

あるファンドのファンドマネージャの奥野一成さんが、こんな話をしていました。

 

「3つの企業があります。

一つはトヨタ、一つはテスラ、もう一つはフェラーリこの三つの企業があれば、どこに投資をしますか?」

 

みなさんならどこですかね?

 

 

奥野さんの答えは・・・

 

 

なんとフェラーリでした。

意外じゃないすか?

 

ちなみにその根拠は、以下のようなものでした。

 

 

 

 

 

■参入障壁

EVは内燃機関と比べて部品が1/10で済み、構造が簡単。

そのため、新興企業がいくらでも参入できる。

中国のような人件費の安い新興国が参入してくると価格競争になる。

価格競争に巻き込まれると、テスラは競争優位性が保てない。

 

■ブランド力

レースに勝ってきた実績とそれを市販車にフィードバックさせた性能があって、そういったものがブランド力になっている。

ブランドを買おうとしている人からすると、中国メーカーが同じような赤い車を作っても、それは(欲しいと思った)フェラーリではない。

 

フェラーリは高額だが、それを買うためのお金を持つ富裕者層の人口は10年前から3倍になっているので、ブランド力に対しての需要がある。

燃費の面についてはトヨタ、テスラに比べてフェラーリは不利ではあるが、富裕層にとって燃料代は大した問題になっていない。

 

トヨタも、レクサスのような別会社を作ってブランディングを進めているが、フェラーリほどのブランディングはできていない。

 

と、ざっくりとこんな説明でしたが、僕にはとても共感のできる内容でした。

 

ちなみにその動画はこちら。

 

 

 

 

 

奥野さんは、アクティブファンドである「農林中金おおぶね」シリーズのファンドマネージャです。

 

ちょっと興味を持ったので、おおぶねのうち「長期厳選投資おおぶね」について調べてみると、マックスドローダウン(ある特定期間の最大下落幅)が極端に低いファンドでした。

 

■これがおおぶねの上昇/下落率です

 

 

■eMaxis SlimのS&P500↓と比べてみます

 

どうでしょう?

 

上昇時にはS&P500に劣後していきます。

例えばコロナショック後の12カ月、2020年4月~2021年3月では、S&P500の55.49%の上昇に対して、おおぶねは46.14%の上昇でした。

 

しかし下落時の耐性は非常に強く、例えばコロナショックを含む12か月では、S&P500の‐7.12%に対して、おおぶねはたった‐3.67%の下落しかしていません。

この傾向は1,3,6,12カ月全てで同じです。

 

このことからおおぶねは、まだ資産が少なく、投資期間が長い若い層には合わないと言えそうです。

(上昇局面で劣後するということは、少ない元手から大きく資産を伸ばしたい上昇局面での伸びが少ないため、おおぶねは機会損失になりうる)

 

一方で、ある程度大きな資産が既にあるが、投資期間が少なめのミドル、シニア層には中々にお勧めできるファンドともいえそうです。

(S&P500への長期投資は最大15年でプラスに収束するとされているため、15年を待たずに退職してしまう層にはリスクが大きい。そのため下落時に強いおおぶねは代替として有力)

 

おおぶねは最大上昇率でS&P500に負けているので、恐らくトータルリターンでは負けています。(ただおおぶねは年1%程度の分配金も出しているので、分配金を出していないS&P500とは、年率1%分は差が縮まります)

そういう意味では、インデックスに勝てないアクティブの枠に入ってしまうかもしれませんが、ボラティリティを抑えたいという方針であればその点ではインデックスに勝っている部分もありますので、評価は運用者の方針次第と言えそうです。

 

■ちなみにですが、オルカンはこちらになります

オルカンてなんとなく、分散が効いている分S&P500よりボラティリティが低いようなイメージを持っている方も多いかもしれませんが、比べるとわかるのですが、意外とそんなことなく、下げるときはがっつり下げているんですよね。

ボラティリティを下げたいという理由でオルカンを選択るすると、思ってたのと違うってことにもなるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

ちなみに僕は、DC、iDeCoともにやっているのですが、これらの確定拠出年金では、王道のインデックス投資を行っています。

S&P500、ダウ、オルカン、金、先進国債券、リートとまんべんなく持っています。

 

一方で、NISAの積み立て投資枠については、実はこのおおぶねがコアになって、サテライトでFang+やインドを持っています。

 

僕の場合、先ほどの投資期間の問題というよりも、新旧NISA口座ではポートフォリオの大半を、インデックス投資よりもリスクが高いとされる個別株が占めており、投信でもリスクの高いFANG+のようなものも持っています。

そのため、積み立て投資枠のコアにはボラティリティの低めの物を選んでバランス取りたいと考えていたところ、奥野さんの話に共感が出来たためどうせならこの人に預けよう、と思ったわけです。

 

奥野さんもおっしゃっていますが、最初はインデックスでいいと思いますが、もう一歩踏み込んで、と考え始めた人はアクティブ投信も少し考えてみても面白いのではないでしょうか?

 

■以下、奥野さんの書籍です。

漫画や、子供向けにかみ砕いたものもありますので、ご自身のリテラシーに合わせて一度読んでみるのもいいと思います。

 

 

 

 

 

そうそう、おおぶねの信託報酬は0.9%となっています。

高いと言えばまあインデックスファンドよりは高いですね。

ただ、アクティブファンドは2%くらい信託報酬取るところもありますから、アクティブファンドの中では安い部類だと思います。

 

銘柄選択するうえで、おおぶねでは現地に赴いて会社見学などしたうえで投資対象を決めているそうですから、それに掛ける費用としては決して高くない信託報酬と言えるような気もします。

 

■おおぶねシリーズ

今回紹介したのは「農林中金-農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね」になります。

似ているのでお間違いのないように。