投資信託の投資対象は、株に限らずに色々あって、債券が投資対象の投資信託もあれば、不動産(REIT)、金などのコモディティが投資対象の物、またはそれらを分散して投資できるものなど様々です。
投資対象も様々なのですが、その投資対象の中でどんな銘柄を選ぶのかという投資方針も様々です。
例えば、この先日本株が上がると予想し、日本株が投資対象の投資信託を買おうと思ったとします。
その時に、その投資信託がどんな銘柄選択をするのかによって、成績は大きく変わります。
この銘柄の選択方法を大きく分けると、一つはインデックスファンド(パッシブファンド)、もう一つがアクティブファンドとなります。
パッシブとアクティブの違いですが、例として、船に積んである潜水艦や魚群を見つけるソナーに、パッシブソナーとアクティブソナーというのがあります。
パッシブソナーは、潜水艦や魚が音を出すのを待って、その音で相手の位置を特定するもの。
アクティブソナーは、自ら探針音を出し、その反射で相手の位置を特定するものです。
つまりパッシブは対象に対して受動的、アクティブは能動的ということです。
ファンドについても考え方は大体一緒です。
パッシブファンドは、投資対象のインデックス、今、日本株に投資しようとしているのであれば日本の株式指数の代表格である、例えば日経平均というインデックスに対して、受動的に投資するものです。
具体的には、日経平均に採用されている225銘柄をその日の株価に沿って時価総額加重平均で買い付けていきます。
↑すいませんここ間違ってます(;'∀')
※日経平均は株価平均で、株価の高い銘柄を多く組み入れ、株価の安い銘柄は少なく組み入れます。
日本で時価総額加重平均とするとTOPIXがいい例だと思いますので読み替えてください(;'∀')
時価総額加重平均というのは、225銘柄を均等に買うのではなく、時価総額の大きい、例えばトヨタはたくさん買い、それよりも小さい銘柄は少量買う、といった買い方です。
こうすることで、日経平均と同じ値動きになるように買い付けることができるようになります。
買う銘柄は日経平均採用銘柄をトレースするだけですし、買う比率も計算式通りに買い付けていけばよいので、それほど人の稼働はかからずルーチンで買付が出来るので、ファンドへの稼働費である信託報酬(ファンドを買い付けた人が支払う手数料)は安く抑えられています。
対してアクティブファンドは、日本株の中から、インデックスよりも上の成績になるよう、銘柄をファンドの運用者が能動的に選定して買い付けていきます。
ファンドの運用者が銘柄を詳細にスクリーニングするので、稼働費としての信託報酬は高いのが一般的です。
普通に考えると、投資のプロが銘柄を選定してくれるアクティブファンドのほうが運用成績が良くなるのでは?と考えがちですが、実は多くのアクティブファンドの成績が、パッシブファンドに負けるというデータがあります。
市場平均とイコールの運用成績が自動的に出るパッシブファンドに対して、常にアウトパフォームするのはとても難しい上に、信託報酬はファンド運用者への稼働費として支払われるものであって成功報酬ではないので、成績が市場をアンダーパフォームしたとしても、しっかり引かれていきます。
利益は出なくても費用は引かれるのです。
なので、基本的には信託報酬の安いインデックスファンド(パッシブファンド)を買い付けるというのがセオリーになっています。
もう投資関係のどんな本を読んでもどんなYouTube動画を見ても基本はこれです。
ではどの指数(インデックス)に投資するのかですが、私の個人的なお勧めは「競争原理の働いている指数」です。
日本でいえば、日経平均は、日経新聞社が優良な225銘柄を選定し、定期的に入れ替えを行っています。
業績の悪い会社は外されていくんですね。
会社としては指数に選ばれれば、その指数を投資対象にしたファンドが自動的に買ってくれるようになりますから、株価の押上効果の恩恵を受けれますし、除外されれば、ファンドからの買いが無くなるので下落する可能性が出てきます。
なので株価対策に力を入れている企業であれば、選ばれるよう、または除外されないような経営を心掛けなければいけないので、ここに競争原理が働きます。
ところがTOPIXは東証上場企業全体のインデックスで、上場廃止にならない限り、経営がどうであれずっと居座れる指数なので、上記のような競争原理は働きづらいとされています。
もちろんTOPIXを買ったほうが、日経平均に採用される前のユニコーン企業を安いうちから仕込めることも事実なので、ここは好みの問題ともいえますから、前置きした通り、TOPIXよりも日経平均がお勧めというのは、私の個人的なお勧めということになります。
同じ理屈で米国を見ると、S&P500はスタンダード&プアーズ社が選んだ米国の優良500社で構成されています。
全米株式(MSCI USA)はモルガンスタンレーキャピタルインターナショナル社のインデックスで、米国のほぼ全ての企業で構成されています。
この二つで見比べればS&P500のほうが競争原理が働いているとみることができると思います。
ちなみに、余談ですが、S&P500は投資初心者でも知ってるくらい有名ですが、MSCIは聞いたことのない人も多いかと思います。
しかしMSCIは沢山の指数を選定しています。
例えばオルカンはMSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス) のことを指します。
日本の個別株でも、MSCIに採用されることが決まると、その銘柄の株価が上昇したり、除外されると下がったりということが起こったりすることもあります。
話を戻しますが、私の個人的なお勧めですが、以上のようなことから
・S&P500
・日経平均
この二つをベンチマークとしたインデックスファンドをお勧めしたいと思います。
え?日本?って思う方もいるかもしれませんが、日本株、悪くないですよ。
特にこの先インフレが定着すれば、今までダメな子で割安だった分、伸びしろも十分にあります。
次に、これらをベンチマークとした商品は各社出していまして、まあどこも大差はないのですが、間違いないのは三菱UFJのeMAXIS Slimシリーズだと思います。
ちなみに、「eMAXIS Slim」と「eMAXIS」の二種類があるのでご注意ください。
Slimのほうが、ネット証券専売で、手数料が安くなってますので、ネット証券口座の人は特にお間違いのないようにしてください。
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
のような商品名で売られています。
他にも、楽天証券の方は楽天が出している商品でもいいですし、SBIにも自社商品があります。
信託報酬の安さはどこも競い合って低くしています。
色々あるので商品名を一部だけ挙げるとこんな感じ。
・SBI SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
・楽天 楽天・S&P500インデックス・ファンド
・大和 iFree S&P500インデックス
・日興 インデックスファンドS&P500(アメリカ株式)
ただ、ですね。
投資信託の経営は、ファンド運用者の給料を、購入者が拠出する構図です。
購入者と購入額が多くなれば、購入者一人の負担額が減ります。
10人のファンド運用者の給料を1万人で支えているファンド。
10人のファンド運用者の給料を100人で支えているファンド。
購入者の負担の少なくなるのは前者だというのがわかると思います。(年金問題と同じ構図ですね)
ですから、運用額の大きいファンドのほうが今後も信託報酬の値下げの期待が持てますので、迷ったら一番メジャーなeMAXIS Slimを選んでおけばいいんじゃないかなと思うわけです。
投資対象が同じインデックスなら、投資成績自体はそんなに差が出ないので。
ちょーっと長くなっちゃいましたが、今回はここまでにしたいと思います。
実は私は、アクティブファンドも買っています。
どんなファンドをどんな理由で買っているのか?
いずれそんなお話もしてみたいと思います。
↓アクティブファンドについて書いてみました
今なぜ?アクティブファンド | グデーリアンの投資ブログ (ameblo.jp)