
NTT法廃止について、いろいろ言われているので、それぞれ見てみましたが、個人的に突っ込みどころが多かったので纏めてみました。
■電気事業者の意見
「NTTは巨額の設備を持っており、NTT法が廃止されたら民間事業者は太刀打ちできず、公正な競争が出来なくなる」
■活動家?の意見
「NTTの40兆円の資産が、わずか5兆円という大安売りで売りに出され、外資に牛耳られる」
あれ?
NTT法廃止の反対派の中でも、高いのか安いのか、言い分は180度逆なんですね。
孫正義さんの個人資産が4兆円くらいだと思ったので、通信事業者180社集まれば、お金の工面なんてできそうです。
外資に買われるの前提で話する必要ってあるんでしょうか?
NTTの時価総額がエヌビディアと同じ180兆円あるなら、外資以外は金額的に手を出せないので、という議論にできるとは思いますが、実際には株価時価総額16兆円しかないですからね、NTT。
出せる金出さずに外資に乗っ取られるなら、それは自分たちの責任です。
■活動家?の意見
「岸田のせいで、日本人の虎の子の1100兆円のタンス預金が外資に食われる」
あれ?
そのうち5兆円ばかりがNTT株購入に回れば、NTTが外資に乗っ取られることも、タンス預金が外資に食われることも無いってことですね。
別に政府に頼らなくても、自己解決できる金額ですね。
S&P500買ってる場合でもオルカン買ってる場合でもないですね。
日本人が米国企業買ってる間に、日本企業を外国に買われ、それで損することになるなら、それは自分たちの目利きの問題ではないでしょうかね?
あ、地方在住の皆さん、デモやるために上京する費用で、NTT株100株購入できますよ。
文句言う以外の活動として、資本主義社会では資本家になるのが一番の活動だと思いますから、活動してみてはいかがでしょうか。
■陰謀論者?の意見
「闇の組織が日本をつぶそうとしている」
さよですか。
■陰謀論者?の意見
「外資に買われるということは、通信が乗っ取られるというとだ」
私も米通信大手ベライゾンの株持ってますが、ベライゾンからしたら私は外資なんですけどね。
まあ弱小個人株主ですけど。
やっぱりベライゾンからは私は乗っ取るために買っていると見られてるんでしょうか?外資が買う=乗っ取りなんでしょうか。
教えてほしいです。

というか、10000000歩譲って、外資が買う=有事に日本の通信インフラを破壊するための敵対的買収だとしましょう。
通常、敵対的買収には、増資するなどして企業は対抗するんですが、なぜそれをしないで指くわえて乗っ取られるの待ってる前提なんですかね?
日本海の島の土地が隣国に買われているなんてニュースは聞きますが、土地と違って株は、いざとなれば増資という錬金術で水増しできるので敵対的買収されそうになったら増資すれば、いつまでたっても51%以上の株は保有でず、乗っ取ることはできません。
まあ希釈化によって株価は下がるので既存株主は損しますけどね。
まさか、それによって既存株主に損失出させるのが日本つぶしの一環だ、なんて論点修正しないですよね。
なんかこういう風に、反対派の意見は、極端な前提のもと世論を誘導しているようにしか私には見えませんでした。
まあこの手のニュースで盛り上がっている人たちは、ノイジーマイノリティな人たちだと信じていますが、逆の意味で日本の将来が不安になりますね。
■デモしてる方の意見?
「外資に売らず、過疎地の有線の通信インフラは維持し、通話料は上げず、通信品質は落とすな」
いや、無理やん。
てか、まじで無理言ってるのに気付きません?
通話料高額だった昔ならともかく、今の携帯料金ですら外国に比べて高いと菅ちゃんに下げられました。
(ちなみに外国って通信障害メッチャ多いけど、それが許容されているので保守代掛けなくていいから安く済ませられるなんて側面もあるんですが、日本で通信障害起きたら鬼の首取ったように叩くでしょ)

そういったストックビジネスからのインフラ整備の原資を削られ、外資も規制され、不採算事業の撤退も許されず、研究開発したものは強制的に開示させられて競争優位性を得られず、通信品質だけは最上級の物を求められ、それでどうやって事業維持しろって言うんでしょう?
放っておけば、法改正なんてしなくても勝手にNTTは衰退していきますよ?
同業他社以外の財界から法改正に反対の意見が出ないのは、彼らは立場上それがわかっている人たちだからです。
闇の組織や変な宗教に洗脳されてるからではありません。
通信障害起きてもいいから携帯代安くして。
とか、
通話代高額に戻してもいいから過疎地のインフラ維持して。
とか、
税金投入していいから、国の株の保有比率維持して。
とか、
自分たちが給料なしでNTTで働くから、これら全部かなえて。
とか取捨選択しなければ、実現しないってなんとなくわからないですかねぇ。
いやほんと。
