2023年3月27日 京都桜探訪旅行7日目その4(最終回) 竹林の小径・二尊院 最後は東本願寺へ | ミラーレス一眼越しに、私が見た風景たち

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~たゆたうはロマンか、センチメンタルか、メルヘンか

2023京都桜探訪旅行記最終回となります。

 

天龍寺を後にして、向かったのは「竹林の小径」でした。

 

観光で来られるお客さんの数もすっかり戻ったことを改めて実感しました。しかしながらこちらのトンネルを通り抜けると、どんなに人が多くても私には、「山門」をくぐるような、もしくは「夏越の祓」などの「茅の輪」を通り抜けるような感覚というのでしょうか、何だか浄化されていくような感覚になれます。

 

この旅でもいくつかの「竹林」を経験しましたが、やはりこちらを通るとき格別な感覚になります。

 

新緑も美しく。

 

また元気で来られますように。

 

竹林を抜けました。「トロッコ嵐山」駅舎と桜。

 

平日とは言え、もちろん完売ですね。

この翌日、旅を終えて帰ると飛び込んできたニュースが「保津川下り」の転覆事故でした。

亡くなられた船士の方は、救助に力を尽くしていた上での悲劇だったということをニュースでお聞きしました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

「小倉池」横の「御髪神社」前の桜も見事でした。

 

ここから先、嵯峨野路はいつもながら喧騒から突然離れられて、ほっとできる散策路。

 

「落柿舎」前のこちらの守られ続けているこの風景。変わらぬものを求めて歩く心を満たしてくれる場所。

 

さらに北に向かうこちらの道も、落ち着いていて大好きな道。

 

やがて木々から開けた場所に佇むのは「二尊院」です。

 

門前の「四季庵」さん。小倉餡発祥の地での「小倉ぜんざい」セットとこちらのお店のお姉さまたちとのおしゃべりを楽しみに訪れたのですが・・・・。春の営業はまさかの「4月1日」からでした。

 

こちらのお店の思い出や、この日も歩いたルートの昨秋の様子、「二尊院」についても下記のリンク先の記事で詳しく触れております。

 

 

 

気を取り直して進みます。「四季庵」さんでゆっくりしようと思っていた分、時間に余裕ができたのでその分を参拝へ。

 

人力車が花で埋め尽くされていました。

 

近年「花手水」でも有名なこちらのお寺。斬新な発想に驚かされるばかりです。

 

「紅葉の馬場」と呼ばれるゆったりとした石段。

 

五木寛之さんが番組でこちらの階段を上って行った後ろ姿が忘れられません。一段一段かみしめて上るような、ゆったりとしたこの階段が好きでたまりません。

 

「唐門」にたどり着きました。

 

まだこれからの桜も。

 

頭上の「扁額」。

 

ご本堂へ。

 

「二尊院」の「扁額」。後奈良天皇筆の「勅額」です。

 

ご本堂外から。奥右に「釈迦如来」さま、左に「阿弥陀如来」さま。背格好もそっくりな二体の仏さまが、現世と来世への救いのために佇むお姿にお会いできるのは本当にありがたいです。

外陣へと進み、妻とともに静かにお参りすることができました。

 

あちこちで季節の花が浮かぶ鉢が見られ、楽しませていただけます。

 

 

 

 

いつも楽しみな「手水鉢」。

 

そして、さらに階段を上がります。

 

ここから先のゾーンは、このブログでは一度も紹介していませんでした。「四季庵」へと戻るため、ここのところ上がっていなかったことに気づかされました。

 

てっぺんまで登って振り返ると嵯峨野の街並みが一望です。

 

そしてそこは、浄土宗宗祖「法然上人」の「ご廟」です。

専修念仏への弾圧が強まり、四国へ流罪となった「法然上人」。4年後に京へと戻るもののその翌年に没せられました。後にご遺骨の一部が弟子たちの尽力によってこの地に移されたそうですが、詳しい場所はあきらかでないそうです。

ゆっくりとお参りさせていただきました。

 

譲り合わないと人がすれ違えないほどの道をさらに進みました。

 

山あいの中腹を大きくカーブしつつ、下には谷を見ながら慎重に進みました。

 

そこは「時雨亭跡」

 

小倉山中腹の山荘跡は今は礎石だけが残っています。藤原定家が住み、「小倉百人一首」を編んだ庵の跡です。

 

遠くは東山連峰や・・・。

 

近くに嵯峨野・嵐山の街並み。当時はどんな風景が見えていたのでしょうか。

 

「法然上人廟」まで戻り、階段を下ります。

 

途中の墓地には、一昨年亡くなられた俳優の田村正和さんのお父様の「ばんつま」こと阪東妻三郎さんや、お兄様で俳優の田村高廣さんらが眠る「田村家累代墓」です。

田村正和さんも、京都での撮影の際などにたびたびこちらにお参りされていたことを「四季庵」でお聞きしたことがありました。

なのでこの日は探してお参りさせていただきました。

 

ご本堂へと戻りました。

 

「総門」へと続く「紅葉の馬場」を戻ります。

 

思わず桜満開の季節の旅となった今回の旅行。たくさんの「満開」の桜と出会うことができ、ようやく心を満たすことが叶った旅でもありました。いよいよこの春の京都の桜の見納めの時が来ました。

 

一路JRで京都駅へと戻りました。二日前に合流した妻は、この後、一足先に東京へと帰り、翌日からの仕事に備えます。

 

私はこの旅行を昨年のうちに申し込んでいて、遅い時間の新幹線を予約していました。妻が新幹線の中で食べる夕食の「556蓬莱」の豚まんを少し並んで無事購入して、まだ少し時間があったので駅ビルへ。

 

一週間の滞在の最後の最後にようやく「夕陽」とめぐり合いました。「春分の日」に出発したこの旅行。昨年は、東西にまっすぐ伸びる京都の路地のその延長上に正確に沈みゆく夕陽を見て、古来の人々もこうして「季節の暦」を実感しながら暮らしていたんだろうな、などと思いを巡らせていました。

この旅で初めての夕陽は、京都の駅ビル越しのものとなりましたが、ほぼ真西へと沈んでいっている姿が確認できて、またミッションを一つ果たせた気持ちでした。

 

駅ビルからも見える「東本願寺御影堂門」と「お東さん広場」。

 

この日この時間、「駅ピアノ」プレイヤーの方はいらっしゃいませんでした。

妻を新幹線改札へと見送り、私は駅ビルでこの旅最後の食事を終えます。

 

外は暗闇へと変わっていました。「京都タワー」のライトアップもこの日は「文化庁」移転記念として「紅白」の二色です。

何となくぼやけてしまいました。

 

私の乗る新幹線の時間まで、「東本願寺」へ最後のご挨拶を。

 

ライトアップされている「阿弥陀堂門」。

 

ライトアップされている「御影堂門」です。門はとうに閉まっているので、その門前からお参りさせていただきました。

 

門のちょうど真上には「月」が輝いていました。

 

全国のご門徒さまと一堂に会しお勤めをした「慶讃法要」。50年に一度、一生に一度の経験でした。来られたことに感謝。

それぞれ全国に帰られたご門徒さまは、今日もお寺やお内仏に向かって座られていらっしゃる姿が容易に想像できるようになり、帰ってからも今までと違った気持ちでお勤めができるようになりました。

 

京都での一週間旅行は一昨年秋以来わずか1年半でこれで3度目。大阪も入れると4度目です。まだまだ京都初心者。行ったことのないところもいっぱいです。

「京都駅」や宿泊していた「五条駅」を中心に、段々と同心円状に外へ外へと行動範囲が広がっていることを実感しています。

 

ノープラン、お天気次第の一週間旅行でした。根っからの貧乏性というか、欲張るだけ欲張って歩きまくり、撮りまくった旅でした。一週間「雨マーク」の予報を見て出発した一週間前でしたが、これほど「桜」も楽しめた上に、「雨の夜の京都」という新たな魅力を大発見できた旅でもありました。

一週間という長いようで案外あっという間の時間。新しい場所へ足を伸ばす余裕もあり、旅の最中に何度もリベンジできる余裕もある。「旅」という限られた時間がこれほど頑張らせてくれると同時に、帰ってからこのブログをまとめることで追体験するような感覚にもなれました。

 

この旅で訪れたところを今一度まとめてみたいと思います。

1日目 雨 東本願寺 佛光寺

2日目 晴れ 東本願寺 京都御苑 嵐電桜のトンネル 

    平野神社 東寺 (侍ジャパン世界一に)

3日目 雨 東本願寺 哲学の道 法然院 大豊神社  

    熊野若王子神社 桜花苑 岡崎神社 真宗大谷派岡崎別

     金戒光明寺 真如堂 平安神宮 円山公園 高台寺  

    圓徳院 三年坂 八坂の塔 八坂神社 祇園白川

4日目 曇り 半木の道 京都府立植物園 六角堂 東本願寺   

    (市民緑地オープニングイベント) 渉成園

5日目 曇り時々雨 東本願寺 (妻と合流) 醍醐寺 山科琵琶 

    湖疎水 白川行者橋 知恩院(三門ライトアップ) 円山

    公園 八坂神社 祇園白川

6日目 雨 東本願寺 (慶讃法要) 清水寺 三年坂 八坂の塔 

    円山公園 祇園白川 高瀬川夜桜ライトアップ

7日目 晴れ 文化庁 京都府庁旧本館 嵐電桜のトンネル

    天龍寺 竹林の小径 二尊院 東本願寺

 ※ピンクの太字は、この旅で人生で初めて訪れた場所です。 

 

こうしてまとめてみると、雨にもかかわらずこの旅で一番歩いた「3日目」はよくこれだけ頑張れたものだと思います。雨が紡ぎ出した古都の風景は、私にとって非日常の街並みを、より一層非日常の世界に誘い、酔わせてくれました。

また、新しく訪れることができた場所が連日のようにありました。さらに、訪ねたことがある場所でも新しい発見がたくさんあり、被写体としてとらえることができたのもとても嬉しかったことでした。

 

長い長い旅行記となり、「桜」の季節などとっくに過ぎていってしまいました。4月13日から約2か月にもわたった「2023 京都桜探訪旅行記」、以上で終わります。

 

お付き合いをいただきまして、誠にありがとうございました。

また次の旅でパー