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今の会社には、

俺が担当する業務と別の事業があって、

今日一日そっちの営業に携わった。

黙々とデスクワークに取り組むより、

多少の動きが欲しい人なので、

こんな日は、

良い気分転換や気晴らしになったりする。


…って、やや無責任感が漂うが、
 
それくらいでいいのだ。


以前の俺は、

ヘルプや頼まれ仕事についても、

常に結果を出さなければと思っていた。

頼んだ相手は、

何にもそんな事は求めてなくて、

なんなら

「もし出来たらやっておいて」

程度の頼み事だったりする。


でも頼まれ俺は、

期待に応えようと、

結果をだそうと、

クソ真面目に取り組んで、

本来優先すべき自分の仕事が遅れたり、

色々目茶苦茶になる事があった。

…いつもではないよ、一応。



そこにあったのは、

人の役に立たなけらばない、

結果を出さなければならない、

頼まれた事はやり遂げなければならない、

てのがあって、

どんどん苦しくなっていた。


役に立たなければ価値が無い。

成果を出さないと次の仕事は任されない。

そうやって認められなければ、

明日はない。


そんな風に思っていた。

結果、強制終了を迎えるに至る。

半ば自滅。


今はね、

例えば今日みたいな頼まれ仕事については、

基本、ただ行くだけ。


そもそも入社したてで業務知識もあやふやな俺を投入するって事は、

特にこれといった成果は求められてはいないのだ(分からんけど)。


もし結果が出たら

俺、カッコいー!
俺、スゲー!

って感じでいいのだ。


誰にもされていない期待を勝手に背負い込んで、

自滅する事はもうしない。


あくまでヘルプ。

それ以上でもそれ以下でも無い。


これは常にいい加減で、

だらしなくていいと言う話ではなくて、


アクセルは調節していいと言う事。


社会人経験が長い人や、

要領のいい人は、

自然と出来るんだろうけど、

いつもベタ踏みで、

アクセルを一度壊した俺としては、

踏み込み加減をいちいち意識する必要がある。


リハビリ。


ちょっと恥ずかしいけど、

ポンコツなのだ。


でも、

それくらいで今は丁度いいのだ。


ちなみに今日の成果、0。

見込み客、0。

限りなく見込み客に近い客、0。


こんなもんだ。

これはただの事実で意味はない。

俺の価値とは関係ない。


それよりも、

限られた時間内に十数件の飛び込みをこなした方の俺を、

よくやったね!

すごいね!

さすがだね!

と褒めていい。


それでも「0」という数字だけを見ると、

ヒョ〜っと身がすぼまる思いにも駆られそうになるけど、

これもきっと気のせいだ。

慣れるっしょ。

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