職業不詳
時間さえあれば
船堀の競艇場へと
通うその姿に たがわぬ この男性こそ
昭和の走り屋氏 (年齢不明)
スーパーへ行けば
近所の主婦に 避けられ
散歩中の 犬には
必ず吠えられてしまうという
昭和氏
実は 前回の
MN-CT マーチクラスの
ウイナーなのです
我らが アイドル
マーチニスモ界の 貴公子
マーチニスモ王子に
異常なまでの 対抗心を 燃やし
前回の 袖ヶ浦では
見事な逆転劇で 溜飲を下げた 昭和氏は
続く 筑波戦でも
完膚なきまでに 王子を 破ろうと
虎視眈々と
最速の座を 狙っていたのでした
そして 迎えた
MN-CT第2戦 筑波
王子は
昭和の走り屋 対策として
NPC東京ドライビングレッスンに参加
柳田選手との
濃密なレッスンの 時間を過ごし
ドライビングに 自信を付けていた
マーチニスモ王子は
タイヤを 暖めたのちに
タイムアタックすべく
コースに 戻っていきます
しかし ここで 彼は
衝撃的な 光景を 目にしてしまいます
4周目
最高速度に乗り
アタックに 入った時
前方を 走行する
昭和の走り屋氏が
なんと シフトミスからの
オーバーレブ
そのまま ストレートで
失速してしまい エンジンストップ
誰もが 分かる
エンジンブローでした
マーチニスモ王子は
昭和の走り屋氏を 横目で見ながら
そのまま ホームストレートを 駆け抜け
この日の ベストを 叩き出しました
しかし 王子は
その翌周には ピットイン
ここから 更に・・というところでの
王子の ピットインでしたので
なにか あったのかと
心配になった ピットクルーでしたが
王子が 言ったのは
昭和さん 大丈夫ですか という言葉でした
そこからの 王子の走りは
どこか バランスを 崩していきました
柳田選手との レッスンの
一番大切な事さえ 飛んでしまった彼は
この日
あの 4周目以上の
タイムを 更新する事が出来なかったのです
ピットに 戻ると
立てないほどに 憔悴しきっていた
昭和氏に 優しく タオルを差し出す 王子
そんな 王子の 優しさに触れ
更に 泣き崩れた
昭和の走り屋氏だったのでした
歓喜に沸く
MN-CTの 参加者たち
今日は こんな走りだった
ここを ミスしたけれど
満足いった 結果だったと
あちらこちらで
仲間同士が 集まり
笑い声で 溢れていた ピットで
2人の 間だけには
違う時間が 流れていた様な 気がしました
普段は 憎まれ口を 叩き
王子と みんなから呼ばれ
誰からも 愛される
彼の 敵として存在する事でしか
王子に対する 愛情表現が出来ない
不器用な 昭和氏の事を
誰よりも 理解していたのは
王子だったんでしょう
参加している誰よりも
ドライビングテクニックを 持ち
知識も豊富だった 昭和の走り屋氏
限界を 突破していくのには
年齢は 関係なく
等しく すべての人に
同じ条件が 課されます
何もしない事は
何も成長しないと いう事です
王子が
誰からも 愛されているように
昭和の走り屋氏も
誰からも 愛されている事を
復活した その時に
知る事が 出来ると思います
そして 誰よりも
昭和氏の 復活を
待ち望んでいる 王子の為にも
頑張って欲しいです
MN-CTに 不可欠な
昭和の走り屋氏
その復活を
参加者全員で 待っていますよ!