NPO法人シンフォニーの「2024年基本方針」
 2024年、私たちは「世界の貧困層をビジネスパートナー」とするスローガンのもと、何度でも(生涯にわたって「チャレンジし続けることができるプラットホーム」づくりを進めます。チャンス(機会)の提供をコア事業に、世界の貧困層、社会的弱者(不登校児・生活困窮者等に対するライフプラン支援の「ポートフォリオ」として)に焦点を当て、構築します。

(1)広がる格差とリバースイノベーション

 戦争、貧困、難病など、時代を問わず様々な課題に直面しています。コロナパンデミックの中でも格差は拡大し続けており、1%の富豪が1兆ドル以上の資産を所有する一方で、1日2ドル以下で生活する50億を超える貧困層が生まれています。
 しかし、後進国とされる国々では、後進国→先進国の発展モデルを飛び越え、途上国で生まれたアイデアや技術が先進国に逆輸入され、新しい市場やビジネスモデルを生み出す「リバースイノベーション」の波が押し寄せています。アジアやアフリカでは、ATMが普及していないことからキャッシュレスが進み、配信基地の不備から人口衛星通信技術やソーラー、蓄電器、EV(電気自動車)の普及、そしてドローン宅配が進展しています。
 アジア・アフリカの後発国で開発された商品やサービスが、その特異性を保ちながら先進国を含む世界市場を席巻するリバースイノベーションの一例です。私たちは長い間、定住外国人に対して「職業訓練」を提供してきました。彼らは上昇志向が非常に強く、お金に対する執着心や起業意欲も高い特徴があります。一部の外国人は経営ビザを取得し、リサイクル事業などを通じて出身国から世界市場に貢献しています。定住外国人の中での貧困層の活気は、引き上げを促進するリバースイノベーションが生まれているからです。
 私たちは、戦争、貧困、難病、そして格差を解消する方法は、貧困層をビジネスパートナーとして受け入れ、協働でソーシャルビジネスで、ポスト資本主義を目指すべきだと確信しています。
 リバースイノベーションの視点から見れば、日本の中小企業や零細企業も、モノづくりの技術を駆使し、貧困層と共にビジネスを築くことで将来は有望です。

(2)チャンス(機会)の提供

 チャンス(機会)の提供は、各人の能力、評価、資格、責任といった「枠」を超えた成長の機会を広く提供することが必要です。社会的起業トライやるコース(実践的学びのコース)は、モノや力を従来とは異なる形で結合し、「新結合」というイノベーションを生み出す可能性が高いです。つまり、社会的起業トライやる事業を中心に、機会=チャンスを提供することができる可能性が高いです。商店街やNPOの事務所前など、地域団体の場所がその拠点となります。オンザチャンストレーニング(OCT)として、街をフィールドワークや実習の場として活用し、移動しながら学ぶスタイルが生まれる可能性があります。
 年功序列や終身雇用制が崩れ、パラレルキャリアの時代に入り、働き方改革・副業解禁の流れが広がっています。現在、多くの企業人は、「自分のために働く」「会社は個人がアイデンティティを追求する場」つまり「会社は自己実現のためのステージ」という意識が広まっています。企業が提供する機会(チャンス)は、組織内での実績評価や査定ではなく、未来への投資を促進するものとなるでしょう。企業が「新しい価値を生む原泉としての人材」をどれだけ揃え、活用しているかを問い直すことで、企業自体も変革されるでしょう。

(3)個人の人生設計と団体の将来設計との調和

 コロナ禍で、若者のインターン参加が増加しています。これらの若者は、「私の目標は、社会にインパクトを与えるサービスを生み出すこと。団体にとっても有望な事業に成長する可能性がある。私の夢に団体も一緒に乗ってほしい」という意識を持っています。これは、NPOの就業・起業コースでも見受けられる傾向です。「これからは会社に依存せず、自らの労働市場における価値を高める自己努力を重視すべきだ」「どのような価値を提供できるかが、新しい世代の最大の関心事である」といった社会の風潮が広がっています。人々が何に感動し、何のために力を尽くしたいのか。それが個人が自分自身に問いかける最大のテーマです。
 地域団体の魅力は、企業や団体、自治体に「ステージ」を提供できることです。企業や団体は、一人ひとりの個人が自分の目標を追求する中で、個性や能力を磨き、発揮できる「価値あるステージ」になることが重要です。当団体はスタッフやインターン生を迎える際、「私たちは信用や資金、情報などのリソースを提供し、あなたの自己実現の場として利用してください」と提案し、「その時々の自己実現を果たすゴール」や「最終的な目標に向けての準備や修行を共に行う」ことが目的にチャンス(機会)を提供していきます。

(4)取引統治力

 よく言われる「WIN-WIN」の関係を築くためには、透明で公正な市場が不可欠です。これは、資本、土地、労働力、商品、情報が透明性を持った市場で取引されることが重要であり、透明性は自治によって確立される取引統治力によって生まれます。
 取引統治力とは、社会が経済取引の透明性を確保する能力であり、法律、条例、社会規範、慣習などで構成され、商取引の透明性を創り出し、不透明さや不確実性を排除する力です。既にブロックチェーンなどの技術が「取引統治力」を向上させるための取り組みが始まっています。
 透明で公正な市場の確立には、資本、土地、労働力、商品、情報が透明性を持つことが必要です。この透明性は自治体によって確立される取引統治力によって支えられています。取引統治力は法律、条例、社会規範、慣習などで構成され、商取引の透明性を創り出し、不透明さや不確実性を排除する力を指します。現在、ブロックチェーンなどの技術が「取引統治力」を向上させるための取り組みが始まっています。

(5)地域団体が有する資源

 私たち地域団体が有する主な資源は何でしょうか。何よりも、地域に深く根ざし、弱者支援を行っていることが挙げられます。現在、地域では高齢者や障がい者向けの「居場所づくり」に多くの団体が取り組んでいます。高齢者や障がい者は、企業にとっては新たな可能性を秘めており、地域ではこれらの層が先端テクノロジーを積極的に活用している様子が見受けられます。
 多くの地域団体は貧困層の支援に注力し、過去の信頼関係を通じて低家賃で住居を提供したり、ボランティアを組織して無償で労働力を得ることで、固定費を抑え、低価格のサービスを提供しています。これは自治体にとっても人件費を削減し、低コストで「弱者向けサービス」を提供する手段となっています。
地域に目を向けると、障害者支援団体には福祉学校や小中高に障害児・者を派遣する団体も存在します。彼らは貧困層でも社会貢献できることを示し、ハンディキャップをポジティブに活かしています。信頼性の高いネットワークを築くなかで、自立した存在としての地位を確立しています。
 資金不足に苦しむ地域団体が利用している手っ取り早い収入源としては、「フリーマーケット」や「マルシェ(手振り品の販売)」があります。多くの地域団体は、リサイクル品を無償で集めるネットワークを有しており、経験や修理のノウハウを持つ人材も多くいます。外国人グループとの親和性が高く、グローバル市場と連携すれば、リサイクル品や修理技術の可能性は広がります。

(6)私たちの想い

 阪神大震災から29年が経ちます。29年前の阪神・淡路大震災は、ボランティア活動を通じて被災地での支援に携わるきっかけとなりました。その後、NPO法が成立し、法人格を取る決断をし、様々な活動を通じて団体を運営してきました。
 現在はコロナ禍の中での「格差の拡大に対抗するために」キャリアデザインスクールや社会的起業支援に取り組んでいます。
 私たちの活動は多様な組織構造を持ち、経験や知識をアルゴリズムでコンテンツ化し、学びの場を提供しています。これにより、地域全体での人材育成に貢献できると信じています。そして、市民活動センターや男女共同参画センターといったプラットフォームが、市民と行政、企業との連携を促進し、持続可能な解決策の創出に貢献すると考えています。
 長い年月を経て、団体は様々な変遷を遂げてきました。指定管理などで行政の下請けになる傾向があり、スタッフの変化や高齢化も進んでいます。現在、スタッフの多くは外国人で構成されており、組織の中でのスムーズな世代交代が難しい状況にあります。このため、マニュアル型の活動を避ける方針でNPOを選択してきましたが、段取りを整理する必要が生じています。シニアの経験や知識をアルゴリズムでコンテンツ化し、街をフィールドに学びの場を提供する試みを行っています。
 私たちが直面している課題は、格差の拡大と地球規模での環境破壊への対処です。これに立ち向かうために、新自由主義やグローバル資本主義に対抗する「ソーシャルビジネス」を選択しています。ソーシャルビジネスでは、ネットワークの知識を経営資源として販売し、企業、自治体、学校、家庭、商店主などの中に眠る知識や経験を集め、専門的な知識や技術を提供する事業に取り組んでいます。
 現在の課題はコロナ禍における二極化の進展です。一方で豊かな人々が存在し、他方では困窮する人々もいます。市民主体が主張される中、資源や権力を持たない人々にとって成功させるのは難しい状況です。そのため、「リンキング・ソーシャルキャピタル」を形成し、横のつながりだけでなく、権力や資源を持つ主体との連携が不可欠だと考えています。
 市民と行政、企業と地域団体との協働が重要であり、そのプラットフォームとして市民活動センターや男女共同参画センターが存在する意義を理解しています。このプラットフォームを活かし、企画・計画段階から多様な地域連携を促進し、シェアリングエコノミーの視点で様々な仕組みを構築しています。そして、コロナ禍が続く中で、オンラインと対面のハイブリッド型の活動スタイルを積極的に採用し、地域全体での活動を発展させていく決意です。
 私たちは阪神淡路大震災のボランティアからスタートし、新しい市民公共を築く活動を進めてきました。新自由主義やグローバル資本主義の影響が強まる中で、困難な状況に立ち向かいながらも、新しい市民公共を目指し続けています。過去の経験や教訓を踏まえ、市民エンパワーメントに注力して、より良い社会の実現に向けて歩みを続けていきます。 長い年月を経て、私たちの団体は様々な変遷を遂げてきました。指定管理などで行政の下請けになる傾向があり、スタッフの変化や高齢化も進んでいます。現在、スタッフの多くは外国人で構成されており、組織の中でのスムーズな世代交代が難しい状況にあります。このため、マニュアル型の活動を避ける方針でNPOを選択してきましたが、段取りを整理する必要が生じています。シニアの経験や知識をアルゴリズムでコンテンツ化し、街をフィールドに学びの場を提供する試みを行っています。
 私たちが直面している課題は、格差の拡大と地球規模での環境破壊への対処です。これに立ち向かうために、新自由主義やグローバル資本主義に対抗する「ソーシャルビジネス」を選択しています。ソーシャルビジネスでは、ネットワークの知識を経営資源として販売し、企業、自治体、学校、家庭、商店主などの中に眠る知識や経験を集め、専門的な知識や技術を提供する事業に取り組んでいます。
 現在の課題はコロナ禍における二極化の進展です。一方で豊かな人々が存在し、他方では困窮する人々もいます。市民主体が主張される中、資源や権力を持たない人々にとって成功させるのは難しい状況です。そのため、「リンキング・ソーシャルキャピタル」を形成し、横のつながりだけでなく、権力や資源を持つ主体との連携が不可欠だと考えています。
 市民と行政、企業と地域団体との協働が重要であり、そのプラットフォームとして市民活動センターや男女共同参画センターが存在する意義を理解しています。このプラットフォームを活かし、企画・計画段階から多様な地域連携を促進し、シェアリングエコノミーの視点で様々な仕組みを構築しています。そして、コロナ禍が続く中で、オンラインと対面のハイブリッド型の活動スタイルを積極的に採用し、地域全体での活動を発展させていく決意です。
 私たちは阪神淡路大震災のボランティアからスタートし、新しい市民公共を築く活動を進めてきました。新自由主義やグローバル資本主義の影響が強まる中で、困難な状況に立ち向かいながらも、新しい市民公共を目指し続けています。過去の経験や教訓を踏まえ、市民エンパワーメントに注力して、より良い社会の実現に向けて歩みを続けていきます。