クリエイターとかいう金づる | Passione Diary

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難病患者さんへの就労支援活動を行っています

 

 最近もあったのですが、同じ趣味の人に出会っても知り合ううちに「そこまでやるんですか?」と普通に引かれます。「思ってたのの百倍ガチ勢じゃないですか…」と共感を超え気持ち悪がられることの方が多い、常にプロを超えたいアマチュア[R〕です。

 多分本当にプロなら引かれないのよ。道楽が限界突破してるのでキモいのよ。

 

 世間では映画やドラマ制作においての原作者の不遇が話題となり、不幸な出来事も起きていてクリエイターに対する扱いの酷さがまた露見して騒がれています。

 今に始まったことじゃなく音楽、文学、アニメひいては研究者や技術者に至るまで「現場」で実際に何かを生み出している人間の扱いが酷すぎる。

 

 そりゃあ命をかけてる薄給の自衛隊員を居眠りしながら何千万円も貰ってる政治家が動かす国だもの

 

 とお上を糾弾して終われればまだいいのですが、根本的に我が国のクリエイターの不遇さはそこらじゅうに蔓延していると僕は思っています。

 

 実写化映画の酷さは映画マニアの僕が語るまでもないですが、原作どころか「作品」に対する敬意とか思い入れが全くなく制作されているものがほとんどだと思います。僕は北野監督や一部のものしか邦画はまず観ません。

 基本的に映画やドラマは芸能事務所がタレントや俳優を売って、そこからスポンサーにお金をもらうための仕組みなので日本では「タレントをよく見せる」ためにしか映画は制作されないのです。

 ハリウッドのアクションシーンならばTOP女優がボコボコにされるシーンでは顔面が青タンだらけで半分腫れ上がり鼻血とヨダレを垂らして歯を食いしばるシーンが普通ですが、日本では口元になんか赤味のどうらんをちょっとつけただけで嘘臭い芝居をするだけ。

 

 もっともがき苦しめや

 

 日本よりメイクゴリゴリの中国映画でも女優さんが顔半分やけどで醜くなるみたいなシーンあるんですが、日本にはほとんどそういうところにリアリティがない。

 

 もっとブッサイクになる覚悟で芝居せぇ

 

 作品をよりリアルに観客に没入感を与えようと誰も思っていないのが見え見えです。

 衣装も貸衣装をそのまま着せてる感じで綺麗なまま。コスプレ映画だらけです。

 

 マニアの邦画酷評はこれくらいにして・・・。

 

 そもそも給料からして酷いもんです。日本で最も売れているコンテンツは周知の通りアニメーションですが、それを現場で作っている人たち特にアニメーターの人たちの多くはその特殊な技能と濃密な仕事内容とは裏腹に「え?そんなもん?」というレベルの収入しかないと聞きます。

 実際売れっ子アニメーターの方の家とかってすごく質素だし、環境も思った以上にシンプルな人が多いです。もっと豪邸のマイスタジオとか持ってそうじゃないですか。

 トップレベルのアニメーターの方でそれなんで、もっと下請けの人たちはどんな境遇で仕事されているのか。

 まぁそのせいで韓国や中国の制作会社に引き抜かれてどんどん向こうの方が勢いを増してるので、あと10年日本のアニメが持つかどうかですよね。フィギュアやグッズも全然売れなくなったし。

 

 音楽もそうです。テレビとかに出てくる「プロデューサー」とかはむしろ「タレント」であってそういう人はお金持ってる感じがありますが、実際に現場で音楽を作ってる人というのはカツカツで生きてます。だいたい機材や楽器にお金がかかりますからね。すごく機材の揃ったスタジオとワンルームマンションをママチャリで往復という作曲家は無数にいます。

 外車を乗り回せるような作曲家は一握りどころか爪の先くらいもいません。

 

 作曲をすると印税が入ってきて儲かるんでしょ?と思うでしょうが、日本の作曲家の印税ってどのくらいかご存じでしょうか?仮に1000円の楽曲の売り上げがあったとしてそこから純粋な印税収入は10円ちょっとです。1〜3%くらいが作曲家がもらえる取り分なのがほとんどです。

 今時は上位のランキングに入った有名な歌手の曲を手がけた人が1次印税(CD売り上げ)で貰った報酬が5万円だったなんてよく聞く話です。

 もちろん契約の仕方や他にも使用されるので実際はもう少し入りますが、まぁまぁ頑張ってる作曲家で中堅サラリーマンくらいですかね。決めうちでバンバン依頼が来るような誰でも名前を知ってる作曲家さんだけがおそらく一般の人が想像する作曲家のイメージだと思います。それでも楽曲だけで入ってくる収入は想像の何分の一とかじゃないですかね。

 なのでほとんどの「プロ作曲家」は専門学校講師だったりバイトだったり個人で講座をやったり掛け持ちで副収入を得ています。生きていけないから。

 それが作曲でそこそこ成功してる人たちで、そんな人たちですら三日三晩徹夜して参加しても「コンペ」に通らなければ収入は0というのが普通で、その過酷さから若くして亡くなる人が絶えません。僕の知ってる作曲家さんだけで二人ぽっくり死してます。

 アメリカなんかではコンペに参加した時点で一定以上のレベルを満たしていれば「参加料」がもらえたりしますし、別の仕事に回してもらえたりもします。

 日本にはそういうの一切ないですね。

 

 そういう意味では「本」が一番マシなのかな。

 でも「ライター」とかになるとまた扱い酷いですしね。

 

 とまぁここまで僕の知る限りの実情を殴り書きましたが、とにかく日本のクリエイターの命が軽い。技術者や職人、エンジニアに至るまで「本当に何かを生み出している」人が安くこき使われ働かない経営者・管理職の肥やしになっているわけです。

 

 これは特殊な業界のみならず農耕民族がほとんどの国家である日本人全体の気風と言える気がします。耕して収穫する人とそれを集める人だけが生産者だと思っている人が多く、他人の抽象能力というものを正しく評価というよりそもそもそれが何なのかさえ理解できない人間が9割以上だと僕は思っています。

 

 そういう仕事や才能を持っていると人に言われる最悪なのが「え?それできるの?じゃぁこれ簡単でいいからちょこちょこっとやってくれない?」

 

 簡単なんやったら己でやれや

 

と思うわけです。

好きでやってることだし、好きだからこそ行き詰まっても乗り越えられるのでやってる当人としては別に辛いことばっかりではないです。ですが「ちょこちょこっと」できるようになるまでには何年も何十年も試行錯誤と挫折を繰り返しようやく至っているわけです。

もっとクズの奴だと「え?お金取るの?」とかいう始末。

3時間の仕事でそんなに取るのとかいうのも最悪ですね。人の才能を勝手に時間換算するな。

 

 だったら修行してきた20年+3時間で計算しろ

 

 これといって技能のない人っていうのは「才能」がないわけじゃないんですよ。単に努力したことがないだけです。才能っていうのはある日突然開花するわけじゃないんですよ。必然の中から生まれるのが才能でその必然を生むのがまた努力なわけです。

 

 残念ながら本当の意味での努力を知っている経営者・運営者というのには我が国ではなかなか出会えないもので、そのせいで技術がセンスがどんどん流出しますよね。

 

 最近感じませんか?近隣の国のメーカーがやたらセンスのいい家電だったり冒険したであろうデザインの製品をリリースしてて魅力的になってきてるのを。

 

 あれ、誰が手がけてるんでしょうね

 

 研究者は海外でノーベル賞を取り、技術者はかつては新興国とか言われた国で大活躍。大手メーカーは海外資本に下ったり、上場廃止。

 

 そりゃあ頑張っても頑張らなくても評価のないところじゃもっといいものを生み出したいと思わないですよ。

 

 これからのクリエイターは自分のためにその才能を使い、自分でそれを発信していくことになると思いますし、徐々にクリエイターがクリエイターを、エンジニアがエンジニアをマネジメントやプロデュースしていく方向に向かうと思います。

 

 そうなったら今まで何もしてこなかった大手◯◯とか経営者というのは徐々に衰退していくわけです。それはもう大企業が斜陽を迎えているのを見ればわかりますよね。

 自分で自分の首を絞めていることに気づかなかったのでしょう。

 

 「好きな仕事ができたらお金じゃないじゃない」

 

 みたいな口からク◯を垂れるようなやりがい搾取の人間に魂も才能も売り渡すことはないです。

 

 これからの時代、近道に見えてもクリエイターはそういうハイエナたちに身を売ってはいけません。ましてTV局やメディアのような人間性ボトムスが集まってるような連中に関わるのがいいとは思えません。映画化なんかしなくていいんです。ドラマ化なんかしなくても原作があればファンには愛されます。

 

 自信を持って自分だけの作品を表現を生み出していきたいものです

 

 クリエイターの人って結構お人好しというか、そもそも仕事が好きでやってるので頼まれたら頑張っちゃう人多いんですよ。でもこれからは断りましょう。そういう人増えてきてますけどまだまだ足りない。「あ、大丈夫でーす」という今のよくわからないノリでオファーを断っていきましょう。そうすることで搾取経営者は滅び単価相場は上がっていくのです。

 対価を払わないなら自分でやれ、このスタンスでクリエイターの人たちには一致団結して生き残って欲しいです。

 

 そして消費する側にも求めたい。世の中には電◯がゴリ押ししてくるコンテンツの何万倍もの人が面白いものを作っていますし、埋もれた名作がそこここにあるはず。そういうのを自分で探し出すのもある意味クリエイティビティだと思います。生み出す才能が自分にはなくても見出す力は誰でも鍛えられるはず。

 

 娯楽すら死ぬ気で求めてこそ本当の人生

 

 死んでないだけの人生、今すぐやめたいですね!