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苫米地式コーチング認定コーチ 松村 大輔 のブログ

あの時は良く思い切って出かけたものだなと思うことがあります。

 

数年前になりますが、ロシア(サンクトペテルブルク、モスクワ)に短期のツアーで行ってきました。

 

1月初めの数日間でした。

 

ふとしたことでラジオでロシア語を学び始めました。そして、愛媛県内在住のロシア人の先生と出会い、趣味でロシア語を習い始めました。

 

ロシアについて興味が増してきて、ロシアに行くための方法を自然と探し始めていました。

 

普段仕事をしていてまとまった期間の休暇が取りにくい。ロシアに行くとなると時間も費用も掛かる。愛媛県から行くとなると国際線に搭乗する前に成田で前泊する必要がある。防寒対策に不安もある等。

 

様々な行かなくて良い理由、先延ばししたほうが良い理由が浮かんできます。しかし、行きたい、行こうと決めました。

 

行くためには休暇願いを出す必要があるし、パスポートも取り直す必要がある。周りの人の理解と協力を得ながら色々やることがあることに気付きますが、一つひとつクリアしていきます。

 

そして、行ってきてしまいました。

 

戦争が始まってしまい現在でも続いています。今でも行けなくはありませんが、あの時あのタイミングで思い切ってロシアに一度行ってきて良かったなと思っています。

 

逆に今、ロシアに行くとなると、周りの人の理解や協力を得るのにもハードルが上がっていることが想定されます。

 

もちろん、今ロシアに行くことが自ら設定したゴールの実現に不可欠なことであれば、それでも行こうと決めて周りの理解や協力をなんとかして得ていくと思います。

 

「お金も時間の心配もいらない。今ロシアに行ってきなさい。今君はロシアに行かなければならない。さもないと大変なことになる。」と人から言われたらどう反応するでしょう。

 

いくら行ってみたい場所であっても理由もはっきりわからず、人から強制された場合であれば、恵まれた条件でも辞退する可能性が高くなるのではないでしょうか。

 

`こうしたい’という自ら価値を置くことに向かっていく動機付けと`こうしなければならない(さもないと・・・)’という外から強制された動機付けの2種類があります。

 

同じ目標でも私達は`こうしたい’に基づく時、障害を物ともせずに、達成方法を見つけ出して実現していきます。周りの人から驚かれるような望ましいエネルギーと創造性を発揮します。

 

一方でどんなに恵まれた条件を提示されても`こうしなければならない’と外から直接・間接に強制された目標からは、遠ざかろう、避けようと無意識レベルで動いてしまいます。(周りの人が驚くような言い訳をしてしまう、事故を起こしたり怪我や病気をして目標達成ができない状態・理由をつくってしまう等)

 

今やろうとしていることはどちらの動機付けに基づいているのか?、`こうしなければならない’というのは本当か?と自分自身に問いかけてみる。周りの人の真意を確認してみる。

 

こうすることで自分や周りの人の主体性や可能性をより良く引き出していくことができます。

時々昼食で利用する飲食店のご主人。

 

開店時から知っていて数年が経ちますが、

 

最近ふとした会話から、ご主人が格闘技(武術)を長年していたことを知りました。

 

ここ数ヶ月、私の中で武術に対する興味が出てきたところでした。

 

何気ない会話から店主が武術を子供の頃からしていたという話が出てきて驚きました。

 

武術に対する興味が私になかったら、武術の話題が仮に出てもあまり気に留めなかったかもしれません。そして私の中で店主はこれまで通りの店主のままだったと思います。

 

私の興味の変化が、既に知っている人の、私の中での意味合いをガラッと変えてしまったという例です。

 

上記の例は、既知の人の意味合いの変化でしたが、人に限らず、

何か既知の物や出来事でも起こります。

 

要はマインドの全体性の変化(ここでは興味の変化)に伴って、既知の人・物・出来事といった要素についての捉え方がガラッと変化するということです。

 

私達のマインドには全体性やまとまりがあります。そして、全体性やまとまりは、様々な過去からの要素(個々の記憶・信念ともいえる)の1つひとつが複雑に繋がり合ってできています。

 

そして、全体のまとまりが変わると、要素となる部分の意味合いも変わってしまうということです。

 

これは逆もあって

 

例えば、ある時行き付けの店主が武術の話をとても楽しそうにしてくれて私が感化されたとします。そして私の中で武術に対する興味が増すということが可能性として普通に考えられます。

 

要は部分の変化が全体性の変化に繋がるという例です。

 

このように私達のマインドには、全体性が変化すると部分が変化し、部分が変化すると全体性が変化するという、双方向性があります。

 

全体と部分が双方向的に意味を与え合って成り立つものをゲシュタルトと言います。私達のマインドはゲシュタルトの性質を持っています。

 

コーチングではゴールを現状の外に設定することを大事にしています。

 

現状の外にゴールを設定することで現状の全体性(今の自我)とは全く別にゴール側の全体性(未来にゴールを実現した自我)をマインドの中につくることができます。

 

そして、マインドの中でリアルに感じる全体性を現状側からゴール側に移行させることで、既知の部分の意味合いがガラッと変わってしまいます。*マインドの中でゴール側と現状側の少なくとも2つのゲシュタルトがつくれますが、ゲシュタルトは1つしか整合的にリアルに維持できないという性質もあります。

 

私が武術に興味を持つことで店主に関する認識がガラッと変わったように、ゴール側の自分に今なること(新たな趣味のゴールを設定して行動してみる等)で、既知の人や物・出来事に対する捉え方が面白いように変化します。

 

また、ゴール側の自分に今なることでこれまで問題と思っていたことが問題でなくなったり、ゴールを実現するための新たな方法がみつかったりします。

 

私達のマインドが持つゲシュタルトの性質をともに上手に活用して行きましょう。

 

「子供が歯を磨かせてくれないんです。」

 

歯科の仕事をしていると親御さんから相談を受けることがあります。

 

親御さんが口を開けてと言うとすっとお口を開けてくれるお子さんもいれば、歯医者にも親御さんにも全くみせてくれないお子さん(仕上げ磨きをさせてくれないお子さん)もいらっしゃいます。

 

みせてもらうと全くむし歯がない子もいれば、実際にむし歯のある子もいます。あれだけ嫌がっていたのに実際の状態は良好や軽症で拍子抜けすることもあります。(もちろん、かなり進行した応急処置が必要と考えられる状態のむし歯の子もいます。)

 

親御さんとしては、お子さんのことを想って歯科に連れてきてくれますが、子供としては嫌々、渋々、理由も分からず来ているという場合もあります。

 

誰だってしなくて済むものだったら治療は受けたくないと思うのではないでしょうか。

 

学校や職場の検診で指摘を受けたからとか実際に痛みがあるからとかで仕方なく歯科を訪れる方も多くいます。

 

このような場合、事前に予約をされた大人の方でも、当日電車に乗り遅れたとか、急に用事ができたとかで、治療開始時間が遅れたり治療が延期になったりすることもあります。

 

歯科のよくある例を書いてきましたが、私達には「~ねばならない」と思うことを、無意識レベルで避けようとしてしまう性質があります。

 

英語で言ったらhave toです。

 

歯科の例だったら、「(学校や職場で指摘を受けたから)検診を受けなければならない。(子供に受けさせなければならない。)」、「歯が痛いから治療を受けなければならない。(子供が歯を痛がるようだから早めに子供に治療を受けさせなければならない。)」が浮かびます。

 

私達の「~ねばらない」の背後には往々にして、さもないと学校の先生や職場の上司に怒られる、(大人自身も経験があるが)もっと痛みがひどくなるかもしれない(そうなると子供がもっとかわいそう)、といった恐怖や不安があります。

 

しかし、本当にhave toでしょうか?

 

もちろん、早めに治療を受けてもらって親御さんも本人も歯科医師も良かったと思うこともあります。

 

一方で、詳しく検診をしてみたら、実際はむし歯の進行は初期段階で、これから食習慣や生活習慣に気を付ければ削らなくても再石灰化(唾液の働きで表面の溶けかけた歯質が回復する働き)で歯の白濁やしみる症状も落ち着いてくると判断できることもあります。

 

コーチングではhave toではなくwant toでゴールを設定することを大事にしています。

 

have toで設定すると、背景には恐怖(それをしないと先生や上司に怒られるかもしれない等)や不安(それをしないととにかく大変なことになる等)があるので、そのゴールから逆に遠ざかろうとしてしまうことが往々にしてあります。

 

have toと捉えているゆえに、実際以上にこれからやろうとしていることが困難なものと感じられることがあります。

 

have toでゴールを設定していないか?、have toでやろうとしていないか?、want toで設定したゴールがいつのまにかhave to になっていないか?、やろうとしていることは本当にしなければならないことか?、私達のゴールは何か?(今回の話の例でいえば健康のゴールは何か?)、ゴールの実現のために他にも方法があるのではないか?(今回の話の例でいえばひとまずオンラインや対面で専門家に相談だけする等)、等を改めて確認することが大切です。

 

「~ねばらない。」を見直してみると、あなたや身近な人にとってのより良い医療との関わり方がみつかるかもしれません。そして、何より特定の分野に限らず人生全般で主体的なより良い出会いが開かれていくことと思います。