人知れず働いている私達に備わるフィルター | dm-coaching

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苫米地式コーチング認定コーチ 松村 大輔 のブログ

お口の中は敏感で髪の毛1本の存在にも気付くことができます。(髪の毛1本の直径は約50~100マイクロメートル、1マイクロメートルは1000分の1ミリ)

 

一方で、入れ歯を入れて違和感なく食事や発音ができもします。

 

最近私の家族が人生で初めて部分入れ歯を入れたのですが、慣れるのに1日掛かったと言っていました。

 

家族は入れ歯を入れる前と後で変わりないように私にも思えます。

 

私達の身体の感覚は、ある時には敏感にもなり、またある時には良い意味で鈍感にもなることができます。

 

これは私達の脳にフィルターがあるためとも説明できます。

 

脳の中のフィルターはその人にとって危険なものや価値あるものだけを認識に上げてくれます。常時多量にある感覚情報(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)の中からその人にとってその時大事なものだけを意識に上げてくれるフィルターがあるのです。

 

普段口に入れないもの(髪の毛、砂粒等)が何らかの理由で口の中に入ってしまうとフィルターが敏感にそれを捉えて意識に上げてくれます。

 

一方で本来異物である入れ歯に違和感がなくなるのは、身体に馴染んで自分の身体の一部のように無意識レベルで思えているからです。

 

歯科医師が入れ歯を調整したり自ら使い慣れたりすることで危険なもの(研磨が不十分で入れ歯の表面がザラザラして口腔内が傷つく、使い方を誤って頬を噛んでしまう等)かもしれないという注意が低下します。

 

そして、入れ歯が在るという感覚を普段フィルターが意識に上げなくなります。あたかも身体の一部のように入れ歯がなったということです。

 

それでも何かしら入れ歯に不具合が出てくれば(人工歯がすり減ってきた、口内炎ができた等)再びフィルターが認識に上げてくれますし、自分で入れ歯を意識すれば入れ歯の存在にすぐに注意を向けることができます。

 

身に付けている下着や靴下、掛けている眼鏡等にも同じことが言えます。また、鼻の頭や自分の呼吸の音、鼓動、足の裏の感覚等自分の身体についても同様です。

 

脳のフィルターは物理的な身に付けている物や自身の身体ばかりでなく情報的なものに対しても働いています。

 

例えば旅行に行こうと決めれば、移動の手段や宿泊先、旅程のプラン等に関する情報が急に目に留まるようになります。その人にとって旅行の重要度が上がり(旅行が価値あるものとなり)旅行関連情報に脳のフィルターが開いたからと言えます。

 

コーチングでは自ら望むゴールを設定することで、ゴールに関連することに脳のフィルターが開くようにします。そしてゴールに関係しないことはフィルターが弾いてくれるようにします。

 

人知れず身近なところで常に私達の脳に備わるフィルター(RAS=Reticular Activating System、網様体賦活系)が働いてくれています。ともにラスの働きを今一度確認し、より良く味方に付けていきましょう。