神龍ネット
前回の、
あなたは損をしています。農家だから気付かない農家の価値。
で、猫さん からいただいたコメントの中に
富良野では農作業ヘルパーを募集し人手を必要とする農家に派遣
する制度があって、当初はたくさんの応募があったけれども、最近は
人数を確保するのが難しくなっている。
と言う趣旨の文がありました。
「農家戸数の減少による1戸当たりの面積増加と高齢化による
ヘルパー利用増が大きいのではないか」
と考えられているようなんですが?
はたなか
このヘルパー登録制度という物の実態が分からないので正確には
言えないのですが、コメントを拝見する限りでは中川村で言う所の
ファームサポーターに近いのではないかと思います。
神龍ネット
ファームサポーターも近年利用する農家が減っているんでしたね?
はたなか
確かにその通りですが、
ファームサポーターの場合は受け入れる農家の側の問題が大きい
ので、富良野とでは事情が違うかもしれません。
神龍ネット
農家の側の問題ですか?
はたなか
そうです。ファームサポーター制度の場合は、農作業を無料で手伝
ってもらう代わりに宿泊と食事を農家が提供する事になっています。
ですが、見ず知らずの人を自宅へ受け入れなければならないので、
これに抵抗を感じる農家の方が多いんです。
ですから、ファームサポーターを希望する人に対して、受け入れて
くれる農家の数が足りていません。
農村らしい閉鎖的な風潮と言えばその通りでしょうね。
神龍ネット
あぁ、それは分かります。他にも作業を覚えてもらうまでが大変だ
とかありそうですね。
はたなか
「人数の確保が難しくなっている」ということについてはどうしょう?
全体として登録者数が増えているのにまだ足りないのか、
ヘルパーとして登録する人が減ってしまっているのか、
それによっても違ってくると思うのですが。
神龍ネット
そんな事はありません。
はたなか
え!?そうですか?
神龍ネット
そうですよ。
断言してもかまいません。
これは、要するにプロモーションが上手くいっていないだけの話です。
はたなか
プロモーションですか。
神龍ネット
そうです。
やる気の問題?いいえ、違います。 から始まる一連の記事でも
触れていることですが、行動意欲の天秤が
リスクのほうが重いこういう状態であるのを、
こういう状態にしようというのはすべてプロモーションなんです。
誰かに何かをやってもらおうと思ったら、その相手が誰であろうが
相手にとってわかりやすいメリットを提示して“欲しい(Wants)”と
“必要だ(Nees)”を刺激してやらなければ、興味さえ感じては
もらえないし、関心さえ持ってもらえません。
そもそも、こういうリスクしか感じていない状態のままで何かやって
もらおうという方が間違いなんです。
メリットに関心や興味を持ってもらった上で、
相手の感じているリスクを出来る限り減らして軽くしてやって、
リスクよりも予想されるメリットの方が大きくなって初めて
「じゃあ、やってみてもいいかな?」
と思ってもらえるんです。
だから、日常のどんなことであっても誰かの力を借りたいなら
必ずプロモーションが必要だし、相手が一人でも複数でも、
直接会って話をすることは全て“プレゼンテーション”なんです。
はたなか
そうすると、誰かに何かを頼んでもやってもらえないと言うのは?
神龍ネット
そうです。誰かに思い通りに行動してもらえないと言うのは、
単純にいえば
プロモーションやプレゼンテーションに失敗している
と言うだけのことなんです。
はたなか
日常で誰かに何かをやってもらおうとすることが、
全てプロモーションやプレゼンテーションだなんて
考えても見ませんでしたね。
神龍ネット
ええ、そうでしょう。
家庭や学校ではそんなこと誰も教えてはくれませんからね。
でも、現実では誰かに何かを頼むには、必ずプロモーションや
プレゼンテーションが必要です。
相手が家族や親しい人であってもです。
はたなか
見ず知らずの人にヘルパー登録をしてもらおうと思ったら
なおさらなわけですね。
神龍ネット
その通りですよ。
じゃあ、富良野でヘルパー登録してくれる人を増やすには
どんなプロモーションやどんなプレゼンテーションが必要か?
それは、
実際にヘルパー募集を手がける人たちが考えなくてはなりません。
何をすればよいか全く分からないというのなら学習する必要があるし、
誰かに教えてもらったり、誰かの知恵を借りようと思うのなら、
対価を支払って教えを請う必要があります。
もし、農業に関する情報を発信したり、農作業を教えることで収入を
得たり増やしたりしようと思うのであれば、教えてもらうことにだって
対価を支払う覚悟が必要でしょう?
インターネット上で無料配布されている“客寄せ教材”からだって、
そのつもりになれば相当のことが学べます。
せめて、そのくらいの手間は掛けるつもりになって見ましょうよ。
はたなか
続きますか?
神龍ネット
ええ、続きます。
語り手:農家民宿はたなか
聞き手:神龍ネット
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