写真で見る成長の違いー土壌硬度の違いによる成長の違い
まず先に同一品種、同一圃場、同一管理で行った調査でどのように作物の生長が違うのかを見ていただこう。
双方とも均一性を崩そうとした慣行区になる。
黄4試験区(27.4g/日)と白3区(62.2g/日)の成長対比
(サンプリング調査時の画像)
①9月15日(定植8日目):黄4(左)、白3(右)
②9月22日(定植15日目):黄4(左)、白3(右)
③9月29日(定植22日目):黄4(左)、白3(右)
④10月6日(定植29日目):黄4(左)、白3(右)
⑤10月13日(定植36日目):黄4(左)、白3(右)
⑥10月20日(定植43日目):黄4(左)、白3(右)
⑦10月27日(定植50日目):黄4(左)、白3(右)
⑧11月3日(定植57日目):黄4(左)、白3(右)
見ていただければ分かる通り、あからさまに違う。
この成長を昨日のグラフで見てみると以下のようになる。
白3の生長
黄4の生長
全く成長の仕方が違うのがはっきりと分かる。
白3は成長スピードが62.2g/day、黄4は27.4g/dayと倍以上違う。
青い成長速度ラインの山の高さ、急峻さが全く対象的である。白3は高く急峻、黄4は低く緩やか。
オレンジの回帰曲線も角度がまるで違う。
次に土壌硬度分布の違いを見てみる。
それぞれ5点のデータをとっている。
白3の土壌硬度分布
黄4の土壌硬度分布
白3は20cmより深いところで急激に硬くなり、2500kpaを超えるような耕盤。
黄4は最高の硬度が1500kpa程度とさほど固くなっていない。
最も土壌硬度が違うタイプの試験区と行ってよいと思われる。
何故、土壌硬度が違うだけでこれだけの違いが出るのか。
推定に過ぎないが、根の張りのエネルギーの違いもあるのかもしれない。土壌が軟らかいために根を張るために地上部の成長がゆっくりとなっていると考えることができる。
しかし、これはすべての作物に通じることではなく、軟らかいと地上部の成長が早い場合もある。土壌硬度との関係は作物によっても違うので一概には言えないのだが、今回の調査のようにあえて土壌硬度の違う状態で行うとその作物特性がよく見えてくる。
同時に、土壌硬度の違いだけで作物の生長にこれだけの大きな影響を与えることが可能なのである。
この成長スピードの違いや場合によって作物のできる大きさの違いは、なかなか資材を使っても実現できない。また、同時に作物の品質(中身)にまで大きな影響を与えることが可能なのだ。
多くの方は自らの圃場はいつも同じように耕耘しているだろう。しかし、耕耘とというのはこれだけのポテンシャルを秘めており、まだ活用されていない技術革新と言えるだろう。
私が農業にはまだまだ未来があり、大きな技術革新を行えるだろうと考えているのはこの部分にある。
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