海外研修のススメ | あなたも農業コンサルタントになれる

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  わけではない / by 岡本信一









海外研修のススメ




唐突だが、農業を目指している若い方、後継者の方には、海外での農業研修をおすすめしたい。


もちろん海外研修ではなく、国内の実践的な研修も良いと思うのだが、海外での研修を進めるのには理由がある。


私は、1985年から1987年にかけて、当時のあった二年間の派米農業研修制度を利用して、アメリカで研修に参加させて頂いてた。基本的には、研修期間中の給料で渡航費用や大学での学習ができるというシステムでお金はかからないようになっているため、お金がない人でも参加が可能であった。また、私のように後継者でもない方にももんどが開かれていた。(ただし、後継者でない場合は、物みうさんの人もいるようだったので、渡米前に一年間の国内研修をしなければなりませんでした)現在では、若干システムが違った19ヶ月のコースのようで、当時とは違うかもしれないがそれでも大いにこういった制度を活用すべきだと思う。


当時は、2年間の派米研修制度は、ヨーロッパなどの研修制度とは全く別でしたが現在では、ヨーロッパの研修制度や他のアメリカでの研修制度などとも統合され様々な研修制度がある。




公益社団法人国際農業者交流協会



http://www.jaec.org/


私が国外での研修を進める理由は、単純で視野が拡がるという点にある。


率直に言って、技術を学ぶことも可能だとは思うのだが、視野の拡がりや考え方の多様性を学ぶという観点からのおすすめである。


当時の派米農業研修制度の場合であるが、語学研修→短期研修(集団で研修)→語学研修→長期研修(単独)→長期研修中に大学の専門学習→大陸横断ツアー→帰国


というバラエティに飛んだものであったが、はっきり言えば根性だめしである。


私の場合、長期研修はオレゴン州の畑作農家であったが、ろくに英語も話せない人間が、メキシカンとともに現場で働くというのは、相当過酷である。しかしながら、言葉も通じない中で生活するというのは、人生の糧にもなるし、あらゆるものに対する視点が変わる。それこそ日本で常識であることが全く常識でないことを知ることもできるだろうし、逆に言葉や見た目が違っても同じ人間であれば、変わらないということも知ることもできる。


今、考えても技術的な観点から見ると学ぶべき点というのはさほどないと思うが、人生経験という点で非常に大きいものがあると思うのだ。技術的観点から見ると学ぶべき点が少ないというのは、日本で栽培技術をそのまま導入できるわけではなく、アレンジが必要だが若く経験がないとアレンジをどのようにすべきかというのも改めて日本で学習する必要があると考えるからである。


就農すれば、否応もなくそのような経験はできない。いくら、勉強をしようと思って様々な視察などを行ったとしても見ることができるのは、表面的なものでしかない。


日本人とは全く思考形態の違う中で生活できるというのは、非常に貴重な経験だと思うのだ。留学でも同じだと思うかもしれないが、一人で研修する場合がほとんどである農業研修の場合と留学生はかなり違う。留学生がどうしても日本人同士で群れてしまうのに較べると、否応もなく現場に一人で放り出される経験というのは留学とは全く違うと思う。


農業というのは、どうしても栽培の現場に縛り付けられてしまう。しかも、視野も小さくなりがちだ。若い時に海外での研修が出来る機会があるのだから、是非、積極的に参加していただきたい。


国内での研修が悪いと言っているのではない。国内での研修も糧になる。しかし、視野を広げることができるという点においては、海外での研修にはかなわないと思う。


今後、農業者にも国際的な視野が必要であると考えているので、若い方には是非、検討して貰いたい。







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