Not Found 第3章 -8ページ目

果てる、その刹那

さっきたまたま、ひょんなことから、他意はなく、純粋な意味で、ポジティブシンキングで、前衛的に、アダルトDVDを鑑賞してたら、なんかわけのわかんない外国人の男優が最後果てる寸前に「ハレルヤ!」って叫んでめちゃくちゃウケた。
巻き戻して10回ぐらい見た。その台詞を発するタイミングがこれ以上ないほどに絶妙だった。最後の、本当に最後のワンターンで、ワンモーションで天を仰いで、目を瞑って、その台詞だから。カッコよすぎる。この前観た「アメリカンギャングスター」って映画も痺れるシーンが多々あったけど、それよりも圧倒的にクールでカッコ良くて今年一番痺れたシーンだった。そりゃ日本も戦争に負けるはずだし、円高も進むはずだわ。世界と日本じゃ何か、一つの物事に対する覚悟が違いすぎると思った。俺も今度からあれでいこうと思います。宜しくお願いします。その折は宜しくお願いします。

迎春

この前学校の教師をやってる人に聞いたのですが、最近の小学生の男子は全員トランクスらしいです。もう1年から。入学した時点で既に全員トランクスらしいです。これってすごくないですか。だって僕らの頃なんてブリーフからトランクスに移行する時はそれこそ親に勘当覚悟でその旨を申し出たものです。理由や機能性、コストパフォーマンスなんかをきっちり説明して頭を深く下げてテストで百点取ってすべて納得してもらった上でのトランクスだったんです。初めてトランクスを履いた時は、俺もついに筋金入りのワルになっちゃったなとか、もう後戻りはできないなとか思ったものです。ワルの象徴、非行の第一歩、それがトランクスだったんです。でも今や親が率先して子供にトランクスを履かす時代みたいです。茶髪、携帯は当たり前。おそらくボンタンも簡単に許すんでしょう。これってつまり昔よりもワルのラインが上がってきてるんです。昔はトランクス履いたり買い食いしたり煙草吸ったりエックスジャパンを聴くことがワルとされてたけど、今はそれじゃ済まない。そんな程度じゃワルとは言えない。だから平気で人をあやめたり簡単に自分の身体を売ったりしてしまうのです。ワルのラインが上がってきてるからです。ワルは永遠になくならない、ゼロにはならない、だったらそのワルのラインをいかに下げるかが重要なんです。それが我々大人に与えられた命題ではないでしょうか。
一億総小学生トランクス化現象に警鐘を鳴らしたい次第です。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
ハイアーゲーム事件は本当にすいませんでした。

大晦日の日本海

ここ数年、実家へは大晦日に帰る。東京から越後湯沢までは上越新幹線に乗り、越後湯沢からは特急電車が日本海に沿って金沢へ向かうんだけど、その大晦日の日本海の曇天っぷりがたまらないです。どこまでも灰色で、暗く、陰湿で、殺伐として、何のサービス精神もないあの日本海の景色を見ると、うわ大晦日やわ~ってなります。太平洋側の海、伊豆あたりの海はその点サービス精神が旺盛で、見てる側を楽しませよう楽しませようとしてくれて、時には媚びているように、こんなんもありまっせと言わんばかりに魚が跳ねたり美しくキラキラと輝いてたりします。太平洋が陽なら、日本海は陰です。女に例えると、ですか。すぐにやらせてくれるのは太平洋です。でもドルガバやらアナスイなんかのブランド物を買ってくれないと死んでしまうみたいなことを言うのも太平洋です。逆に日本海は最初の3ヶ月はやらせてくれません。日本海とバーで飲んでたとしても、もう11時ぐらいになると終電の時間を気にしだします。わたし赤羽なんで、みたいな感じで帰り支度をします。でも日本海は電車に乗ったらすぐに「今日はごめんなさい、また飲みましょう」みたいなメールをくれます。付き合うなら太平洋、結婚するなら日本海かもしれません。
あと車内の雰囲気もなんか違うんです。大晦日のあの特急電車の雰囲気は。
大阪や名古屋へ向かうのぞみやひかりでまぬけな家族連れがキャッキャッ騒いで帰省するあの感じと違う、田舎特有の渇いた雰囲気があります。みんな下を向いて文庫本を読んでます。花村萬月を読んでます。
今年の大晦日もそこに身を投じ、激動だった1年を終えたいと思います。
本年は色々と幼稚なことばかり書いてすいませんでした。
本当に反省しています。特にハイアーゲーム事件はすいませんでした。
来年はそんな馬鹿な事は書きませんのでひとつ宜しくお願いします。
よいお年を。

29歳の有馬

花見、海水浴、紅葉、温泉、クリスマス、大晦日。
今年一年、何を見るにも何をするにも、20代最後の、という言葉が頭をちらついた。
早く30代になりたい、20代の奴らと一緒にされたくないと22の頃から思ってた俺もいざこうして29の有馬記念を目の前に迎えると感慨深いものがある。
思えば22で引き篭もり、23で吉野家を書き殴り、24で東京に上り、25でバカラに飲まれ、26で400万借り、27で女に嵌められ、28でアル中を患い、今年29までお馬さんに関してだけ言えば10年間で2000万近く負けた。でも、じゃあ、お馬さんをやらなかったらその2000万が丸々残っていたかというとたぶんそんなこともないのだろう。
今年の有馬記念。
ウオッカ、ダイワスカーレットに用はない。中山の二千五百はテンジンショウグンやダイユウサクをも勝たせてしまう複雑な仕掛けがいくつもある。勝つのはピッタリ内を走った先行馬、有馬3連勝中のサンデーの血、近5年で4勝の外国人ジョッキー。該当するのは1頭しかいない。
20代の負けは20代の内に取り返す。
ハイアーゲームに、全部。

暖簾越しの男と女

さっき近所のレンタル屋のアダルトコーナーにたまたま居たんですが、ひょんなことから居たんですが、そのアダルトコーナーの入り口の暖簾が掛かってる手前らへんで若い女2人組がキャッキャッ騒いでて、その時アダルトコーナーに居た5、6人の男達がそこから出られないという状況になっていました。入り口は一つしかないからそいつらがどっか行かないと出れないんです。もう男達は全員1本ないしは2本、あるいは3本のDVDを手に持ってるのに、一応まだ探してますっていうテイでコーナー内をウロウロしてんだけど明らかにその女2人組がどっか行くの待ちという状況でした。その入り口の手前のところにアダルトじゃないんだけどセクシー系のDVDコーナーがあってそれを見てキャッキャッ言ってたみたいだけど、こちとらそんなぬるいDVDは持ち合わせてないわけです。工藤澪監督ないしは芥川漱石監督(アダルト界の黒澤とスピルバーグ)の珠玉の作品を我が子を抱きかかえるかのように持ってるわけです。結局10分ぐらいして痺れを切らしたおっさんが、僕らにしたらカミカゼなんですが、そのカミカゼが暖簾を強行突破してそのあとに続々と僕らも飛び立つかたちとなりました。
ああいうところ、女性陣はもっと気を付けた方がいいですよ。例えばあんた達、ソフィボディフィット買いに行こうとして薬局に行ったらそのソフィボディフィットコーナーの前で男2人が立ち話してたら嫌でしょ。つまりそういうことなんですよ。こっちもこういうことあんまり言いたくないんですよ。ちゃんとしましょうよ。学校じゃないんだから。