大晦日の日本海 | Not Found 第3章

大晦日の日本海

ここ数年、実家へは大晦日に帰る。東京から越後湯沢までは上越新幹線に乗り、越後湯沢からは特急電車が日本海に沿って金沢へ向かうんだけど、その大晦日の日本海の曇天っぷりがたまらないです。どこまでも灰色で、暗く、陰湿で、殺伐として、何のサービス精神もないあの日本海の景色を見ると、うわ大晦日やわ~ってなります。太平洋側の海、伊豆あたりの海はその点サービス精神が旺盛で、見てる側を楽しませよう楽しませようとしてくれて、時には媚びているように、こんなんもありまっせと言わんばかりに魚が跳ねたり美しくキラキラと輝いてたりします。太平洋が陽なら、日本海は陰です。女に例えると、ですか。すぐにやらせてくれるのは太平洋です。でもドルガバやらアナスイなんかのブランド物を買ってくれないと死んでしまうみたいなことを言うのも太平洋です。逆に日本海は最初の3ヶ月はやらせてくれません。日本海とバーで飲んでたとしても、もう11時ぐらいになると終電の時間を気にしだします。わたし赤羽なんで、みたいな感じで帰り支度をします。でも日本海は電車に乗ったらすぐに「今日はごめんなさい、また飲みましょう」みたいなメールをくれます。付き合うなら太平洋、結婚するなら日本海かもしれません。
あと車内の雰囲気もなんか違うんです。大晦日のあの特急電車の雰囲気は。
大阪や名古屋へ向かうのぞみやひかりでまぬけな家族連れがキャッキャッ騒いで帰省するあの感じと違う、田舎特有の渇いた雰囲気があります。みんな下を向いて文庫本を読んでます。花村萬月を読んでます。
今年の大晦日もそこに身を投じ、激動だった1年を終えたいと思います。
本年は色々と幼稚なことばかり書いてすいませんでした。
本当に反省しています。特にハイアーゲーム事件はすいませんでした。
来年はそんな馬鹿な事は書きませんのでひとつ宜しくお願いします。
よいお年を。