ココハドコ? アタシハダレ? -25ページ目

ココハドコ? アタシハダレ?

自分が誰なのか、忘れないための備忘録または日記、のようなもの。

5月24日、米テキサス州の小学校でまたしても銃の乱射事件が起き、7歳から10歳の生徒19人と教師2人が犠牲となった。つい10日ほど前にはニューヨーク州バッファローのスーパーでやはり乱射事件が起きたばかり。こちらでは10人が犠牲になっている。犯人はともに18歳の男性。

 

米テキサス州の小学校で乱射 生徒19人と教師2人が死亡(bbc.com)

米国の銃乱射事件に歯止めをかける方法(CNN.co.jp)

 

CNNの記事によると

「銃暴力に関するデータを収集する非営利団体「ガン・バイオレンス・アーカイブ(GVA)」によると、米国では今年に入ってすでに213件の銃乱射事件が起きている。また学校での銃撃で死傷者が出た事件は27件と、教育関連メディアの「エデュケーション・ウィーク」は伝えている」と。

つまり毎日どこかで銃の乱射事件があり、毎週のようにどこかの学校で子供たちが犠牲になっている。

そして、今日TVで見たニュースによると子供の死亡率が交通事故を超えて銃による死亡がトップになったという。

 

テキサス州の民主党知事候補、共和党の知事に抗議 小学校乱射めぐり(bbc.com)

 

テキサス州知事(共和党)の会見場で声を上げて抗議する民主党の知事候補。

「知事には権力があるのに何もしなかった。サンタフェ高校で子供たちが殺された時も、エルパソで23人が殺された時も何とかすると言ったけれど何もしなかった。彼がしたのは銃を買いやすくし、身元確認も訓練もなくしたこと、それを自慢していた。彼にとって唯一大事なのは銃ロビーなのだ」と。

どこで乱射事件が起きようが、何人死のうがおかまいなし。政治家は全米ライフル協会の政治資金には抵抗できない魅力を感じてるらしい。

 

米小学校乱射、犯人に立ち向かう武装警備員「いなかった」と当局 保護者は警察を批判(bbc.com)

 

犯人が学校に侵入してから4分後には警察は到着していた。が、応援が来るまで何もしなかった。応援の国境警備隊の戦術部隊が到着して中へ入ったのは事件発生から約1時間後。犯人は銃撃戦の末に死亡した。その間何もしない警官に抗議した親が手錠をかけられたり、ペッパースプレーを浴びせられたリした。警官でも突入するのは怖かったのか。人口1万5千人の小さな町だ、こんなことが起こるなんて思ってもみなかったろう。しかし、だからと言って抗議した親に対する態度は本末転倒では済まされないね。

 

銃の乱射事件が起こるたびに「銃規制」が話題となる。そして、いつも掛け声倒れに終わる。今度はどうだろう。バイデン大統領はその人柄らしく、本当に悲しみ、本当に怒っているように見える。しかし、銃規制を進める具体的な方策を持っているのかどうか。前大統領のトランプ氏は全米ライフル協会の総会で「銃を持った悪人を止める唯一の方法は銃を持った善人」と語ったらしい。

最近話題の女性の中絶禁止とか、この銃規制とか、こうした問題は選挙の争点にならないのだろうかと思う。銃規制に反対する人たちは憲法に保証された権利だという。

 

米国憲法修正第2条

規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない。

 

この修正第2条が採択された18世紀の時代背景には、政府の常設軍が各州の脅威となるという懸念があったといわれる。英語の条文ではStateという単語が使われており、これが「州」を指すのか「国」を指すのかで解釈が変わってくるらしいが、いずれにせよ現在このような懸念は存在せず、したがってこの条文は18世紀の遺物であり削除すべきという指摘も存在する。しかし、米最高裁は2008年の判決で、首都ワシントンの銃規制を違憲とし、憲法修正第2条の下では個人による自宅での護身用銃保有の権利が認められているとの判断を下しているこれが規制反対派の最大のよりどころ。トランプ氏は学校に武装した警備員や警官を配置すべきとも語ったようだ。そうなると子供たちは常に銃の存在におびえながら学校へ行くことにならないか。それでも、それを異常と感じない大人たち。

いずれ

「学校へ通う子供は全員武装すべき」と言い出すかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

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仕事で行った埼玉県所沢市のはずれで麦畑を見かけた。麦畑を見るのは何年ぶりだろうと考えたが思い出せなかった。東京で麦畑を見ることはほとんどなくなってしまったが、日本全体で見れば、そんなに珍しいというわけでもないのかもしれない。

 

 

 

まだ幼かったころ、九州の田舎から東京に出てきて住んだ家の近くには麦畑があった。その畑では夏は陸稲、冬は麦という二毛作をしていた。冬は畑の柔らかい土には3cmも4cmもある霜柱がたつので根が浮かないように麦踏みをした。誰が教えてくれたか覚えてないが見よう見まねで麦の根元を踏みながら小学校へ行ったのを覚えている。やがて春になり麦が育つと、その茎をちぎって、麦笛を作った。私は上手に作れず近所のお兄さんが作ってくれたのを鳴らしていたような気がする。ブーブーとハーモニカの低音部のような音がした。そんな思い出の麦畑も間もなく都営住宅に変わってしまった。

 

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ロシアがウクライナの小麦を強奪、世界は食糧危機の恐れがあるという。日本の小麦生産量は知れてるだろうが、麦じゃなくてもいい、飢餓に陥りそうな貧困国に米を送ることを考えたらどうか。日本の米は自給率は100%というし、今から準備すればある程度の増産も可能じゃないか。日本の政治家はそういうことにはまったく無神経なんで、ま、期待はしませんが。。。。

 

 

 

 

 

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六本木のサントリー美術館で北斎展をやってると知って行ってきた。大英博物館に所蔵されている北斎の作品を一堂に展示した展覧会というわけだが、有名な作品は8年ほど前に上野の森美術館で開かれたボストン美術館の北斎展でも展示されていて、そうか版画だから同じ作品もあるわけだと勝手に納得。

 

 

富嶽百景のうち「神奈川沖浪裏」は撮影OKとなっていて、さっそくスマホでパシャッ!

 

この作品は市中に出回った当時から相当に評判だったらしく、解説によると8000枚前後は刷られたらしい。ちょっと信じられない数字だが、遅い時期の刷りには輪郭線が磨滅してぼやけたり、色が作者の意図した色とは微妙に違っていたりと、難点の目立つものが多かったらしい。そもそも現代の木版画の場合100枚程度しか刷らないのが普通で、片隅に1/100(100枚刷った内の1枚目)とか2/100(同2枚目)とシリアルナンバーが書いてあったりする。あまり多く刷りすぎると芸術作品としての希少価値がなくなるのかもしれない。ちなみに北斎のこの作品は当時蕎麦2杯分程度の金額で売られたというから、おそらく「芸術」などというややこしい観念はなく、「錦絵」という華麗なネーミングはあっても、あくまでより多くの人に買ってもらうための廉価な出版物、多色刷りの木版印刷といった程度の認識だったのだろう。もちろん「多色刷りの木版印刷」と言葉でいうのは簡単だが、これはこれで相当に難しい彫りの技術、刷りの技術なのだろうし、どうやらヨーロッパでは発達することなく、日本で独自に発達した技術であるようだ。

 

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さて、浮世絵はヨーロッパの印象派の画家たちに多大な影響を与えたといわれている。フィンセント・ファン・ゴッホがこの「神奈川沖浪裏」を見たかどうかは知らないが、このころの浮世絵に使われている深い青色にえらく魅了されたらしい。これを「藍色」と言っていいのか「紺青」というべきなのか、よくわからないが元々はヨーロッパから中国経由で輸入された「プルシアンブルー」という顔料で、画材屋だったタンギー爺さんにでも頼めばすぐにでも手に入ったろう。ゴッホの描いた「タンギー爺さん」の背景には浮世絵がずらりと並んでいるが、その絵の中ではプルシアンブルーは使われておらず、比較的明るい青が使われている。少し後の「星月夜」や「夜のカフェテラス」に使われた空の青は「セルリアンブルー」という顔料らしいので「タンギー爺さん」の青も同じかもしれない。ただ「星月夜」や「夜のカフェテラス」では一部深い青も使っており、確かなことは言えないが、おそらく「プルシアンブルー」を使っているのだろう。

ちなみに「プルシアンブルー」とはプロイセン風の青という意味なんだそうで、別名で「ベルリンブルー」ともいう。日本の伝統的な染物である藍染はジャパンブルーと呼ばれ、プルシアンブルーほど鮮やかではないが、染の回数によっては非常に深みのある青になる。

 

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北斎の魅力は何だろうと考える。一般には構図にあるといわれているらしい。確かに鳥でも魚でも一瞬の動きをとらえて実に見事である。花を描けばそこには風が吹いている。単純な風景を描いていても何かしら動きを感じさせるところに視線を誘ったり、構図そのものを不安定なものにしたり、こういう描き方というのは西洋美術にはあまり見た記憶がない。実をいうと私は浮世絵だろうが琳派や仏教美術だろうが日本美術の展覧会にはほとんど行ったことがない。広重や写楽、歌麿といった人の作品には興味がない。なのに北斎と聞くとなぜか足が向く。この構図の持つ動きとか不安定感といったものが、見ずにはおかせない、なにか強い吸引力のようなものを持っているような気がする。

 

というのが北斎を見て、今回初めて抱いた感想。

 

 

 

 

 

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