変幻三日月丸と快傑鷹の羽 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

テレビ創生期の頃、子供向け時代劇というのがありました。月刊マンガ雑誌などで知っていても観ることができなかった作品に『変幻三日月丸』(フジテレビ系列で1959年3月5日~60年2月4日放送)と『快傑鷹の羽』(フジテレビ系列で1960年11月6日~61年4月30日放送)があります。主題歌はCDやレコードで聴いて知っているんですけどね。

断片的ですがネットの情報や国としひろによってマンガ化されたものから『変幻三日月丸』のストーリーを紹介すると……

豪族・秋葉右近が治める日向の国は、管領・細川氏と対立する山名氏の領地。右近のもつ財宝に目をつけた段原内心、地位と名声を盗もうとする弥五郎平衛、右近の許婚者・弥生を奪おうとする名島将監の策謀により、右近は細川に機密を通ずる謀反人の汚名をきせられ、財宝を奪われて八丈島をはるか離れた南海の孤島・髑髏島に流刑となります。しかし、右近は髑髏島を脱出し、三日月島に流れつき、島の酋長の娘・亜矢と結婚。生まれた子どもが三日月丸ね。右近の脱出を知った三悪人は、討手を三日月島におくり右近と亜矢を殺害。三日月丸は、風来法師から変幻の妖術と剣術を習い、成長します。三日月印の鉢巻きをしめて亡き父の志を継ぎ、影のごとく付き従う風夜叉と共に、悪人たちに復讐するため三日月島を出立。

最初の仇は日向の領主となっている名島将監。将監は弥生を妻とし、比奈姫という娘がいます。三日月丸は右近を殺したという良心の呵責に苦しんでいる将監を討たなかったのですが、段原内心(鷲王)と弥五郎平衛とが将監を殺害。弥生と比奈姫は三日月丸とともに、最後に悪人二人を討ちます。三日月丸と一緒に旅をしている志乃という娘がいるんですが、どんな素性かわかりませんでした。製作は松竹テレビ室で、キャストでわかっているのは、三日月丸の中山大介、風来法師の井上晴夫、風夜叉の高木新平。松山容子が出演しており、観ることができたラストシーンから予測すると弥生の役のようです。

ラストシーンでは大きな刀に乗って空を飛んだり、モーゼのごとく海を二つに割って歩いて行く特撮が見られますが、私が見たかったのは雑誌に掲載されていた一角獣のマントヒヒや鬼といった怪物たち。大都市圏の少年たち(地方では放送されておらず、観ることができなかった)は、妖術使いや怪物たちとの戦いに心躍らせ、妖術ごっこをして遊んだとのこと。ラストシーンだけでなくフィルムは全部残っていると思うのですが、再放送やソフト化されなかったのは主な出演者のひとり天津七三郎が誘拐殺人事件を起こして死刑になったことが要因だと考えられます。

主演の中山大介は、1958年に松竹七人若衆のひとりとしてデビュー。他の6人は、花ノ本寿・松本錦四郎・林与一・川田浩三・大谷正弥・大谷ひと江で、林与一は後年NHK大河の『赤穂浪士』で大ブレークしましたな。花ノ本寿と松本錦四郎は名前が知られますが、あとの三人は全く知りません。でもって中山大介ですが、この作品の後、NHKの子供向け時代劇『渦潮の誓い』(未見)に主演しますが、暴力追放のあおりを受けて途中打切り。松本錦四郎主演の『風雲児時宗』にゲスト出演したのを最後に引退したようです。

尚、松本錦四郎についてはココヘ⇒チャンバラ歴史劇(『風雲児時宗』他4作品) | 懐古趣味親爺のブログ (ameblo.jp)

 

『快傑鷹の羽』は、全くといっていいほど情報がありません。豪農をそそのかし、甘い汁を吸おうとたくらむ鬼面党と、鷹の羽とその仲間の戦いを描いた作品で、1924年および1954年の映画『快傑鷹』をテレビドラマ化したものとありますが、私は54年の映画を観ており、全く別物と考えています。『怪傑鷹』(快でなく怪なのだ)は江戸時代の京を舞台にした“快傑ゾロ”的なストーリー。『快傑鷹の羽』は戦国時代の飛騨の国を舞台にしています。

稲葉城の若君・菊丸(太田博之)と桔梗姫(野口ふみえ)を、稲葉城を我が物にしようとする野武士(鬼面党か)から謎の剣士・鷹の羽(岩井良介)が守って戦う物語のようです。このドラマを見たことがある人は、鷹の羽は大鷹に乗って現れるとか、白馬に乗って現れるとか、記憶は曖昧。部分的にも映像が残っていれば、はっきりするんでしょうがね。製作会社もわかっていません。主演の岩井良介は岩井半四郎の弟と云われていますが、これもはっきりしません。わからないことだらけの作品ですが、正体を隠す鷹の羽のマスクは、頭巾姿が一般的だった当時としては斬新で印象に残っているんで~す。