プロ・スパイにプロテクター、それにダンディ2 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

映画では人気凋落状態だったロバート・ワグナーが、最高に粋で洒落たヒーローとなってテレビで復活したのが『プロ・スパイ』(TBS系列で1969年1月11日~7月19日放送)です。第2シーズンからは『スパイのライセンス』に題名変更になり、1970年9月29日~71年6月8日に放送。

主人公のアレックス・マンディ(ロバート・ワグナー)はプレイボーイの大泥棒。そんな彼にも年貢の納め時が訪れ、警察に捕まってしまいます。しかし、政府諜報機関SIA(Secret Intelligence Agency)の長官ベイン(マラキ・スローン)が、マンディに恩赦とひきかえにスパイになるよう要請。盗みの技術を諜報活動に使わないかと言うんですな。その申し出を受け入れたマンディは、ベイン長官の下で、世界を股にかけたスパイ活動に従事。敵国大使館に潜入してスパイのリストを奪ったり、盗まれた新兵器の設計図を取り返したりと、盗みのテクニックが見どころになっています。シーズン2からは、マンディの父親で伝説的な天才泥棒アリステア(フレッド・アステア)がマンディの助太刀として登場。

ローマやモナコ、カリブなどを舞台にしたゴージャスなロケも魅力的でしたが、毎回ゲストとして登場する映画スターも魅力的。ベティ・デイビス、ピーター・セラーズ、ジョセフ・コットン、スザンヌ・プレシェット、リカルド・モンタルバン、レスリー・ニールセン、フェルナンド・ラマスなど名の知れたスターばかり。デイブ・グルーシング楽団のテーマ曲も良かったですな。

 

『プロテクター・電光石火』(日本テレビ系列で1972年4月1日~9月16日放送)は、『ナポレオン・ソロ』で人気が出て映画に専念していたロバート・ヴォーンがテレビに復帰したクライムアクション。

「プロテクター、それは最新科学を武器とし、華麗なる冒険を生きがいとする現代のトップヒーローである。アメリカCIA、フランス秘密警察、イギリス諜報機関MI6など世界トップクラスの犯罪捜査網でさえ事件解決を依頼するエリート中のエリート。プロテクターが電光石火の行動をおこすとき、エキサイティングアクションが吹き荒れる。ゴージャスな別荘でめざめ、豪華ヨットのソファに身をしずめる彼らは、今日のみを生きてゆく」のオープニングナレーションで始まります。1時間番組が多い中にあって30分で解決するのですから真に電光石火ね。

メンバーは、リーダーのハリー・ルール(ロバート・ヴォーン)以下、ローマに美術品専門の探偵社を持つ美しきコンティーニ伯爵夫人(ニリー・ドーン・ポーター)、そしてパリに住むハンサムなメカの専門家ポール・ブーシェ(トニー・アンホルト)の3人。ロンドン、パリ、ローマ、ベニス、ザルツブルグと各地を飛び回り、凶悪犯罪に立ち向かいます。30分番組なのでドラマは希薄でしたが、テンポは良かったですね。

製作は『セイント』などで知られる英国テレビ界の大御所リュー・グレードと、『サンダーバード』で有名なジェリー・アンダーソン。この二人とロバート・ヴォーンの折り合いが非常に悪く、特にアンダーソンとの仲は最悪だったとのこと。ヴォーンは脚本にも不満があったようです。

『ナポレオン・ソロ』についてはココヘ⇒ナポレオン・ソロ | 懐古趣味親爺のブログ (ameblo.jp)

 

トニー・カーティス、ロジャー・ムーアという大物スターが主演した探偵ドラマが『ダンディ2華麗なる冒険』(NET=現:テレビ朝日系列で1974年10月5日~75年3月29日放送)です。

カーティスが演じるのはニューヨーク下町出身で、現在は石油王のダニー・ワイルド。ムーアが演じるのは英国公爵のブレッド・シンクレア。この二人にフルトン元判事(ローレンス・ナイスミス)から招待状が届き、対抗意識から二人は会ったとたんに派手な殴りあいをして、親しくなります。育ちも趣味も異なる二人が、フルトン元判事から持ち込まれる難事件を協力して解決していくというのがこの作品の骨子。

ヨーロッパ各国ロケを多用し、主人公は大金持ちという設定で、使う小道具もゴージャスだったことから放送当時は史上最高の製作コストのテレビ番組と云われていました。金をかければ面白いというわけでなく、本国(1971年~72年放送)では裏番組に『スパイ大作戦』があったために視聴率がふるわず、全23話で打切り。日本では、カーティスの声を吹替した広川太一郎が、原語版のセリフを逸脱したアドリブの連発で海外ドラマファンには好評だったんですけどね。後年CATVで再放送された時に観たのですが、オープニングナレーション(原語版にはない)から広川節全開でしたよ。