電撃スパイ作戦と秘密指令S | 懐古趣味親爺のブログ

懐古趣味親爺のブログ

幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

1960年代後半にスパイブームがおこり、70年代前半までスパイ映画やドラマが氾濫していました。『電撃スパイ作戦』(フジテレビ系列で1968年9月25日~69年4月30日放送)もその一つ。リアルタイムでは観ていないのですが、後年CATVで再放送されたものを観ました。

ジュネーブに本部を置く民営の諜報機関ネメシスに所属するエージェントの3人、クレイグ・スターリング(スチュアート・ダモン)、リチャード・バレット(ウィリアム・コード)、シャロン・マクレディ(アレキサンドラ・バスタード)は、中国の細菌研究所の破壊を命じられ、これに成功。しかし、飛行機で脱出する際に中国軍に砲撃されてチベット山中に墜落します。重傷を負った3人を謎の僧侶たちが救出。彼らは3人のケガをわずか1日で治し、それぞれに世界の平和を守るための特殊能力を与えます。チベットから脱出して本部に戻った3人は、上司のトレメイン部長(アントニー・ニコルス)には報告せず、この能力を3人だけの秘密にして国際間の難事件に挑んでいくんですな。

放送開始当時の紹介には、「どの分野においてもチャンピオンになれるだけの才能を持った3人のスパイが世界平和の為に、国際危機に挑戦していく」とあり、特殊能力といっても、ずばぬけた運動神経と体力、肺活量、瞬発力、研ぎ澄まされた聴力と常人を越える視力、抜群の演算能力や記憶力、そして苦痛に耐える精神力といったもので、スーパーナチュラルなものではありません。超能力といえるのは、互いに通じるテレパシーくらいなものね。

犯罪者に整形手術を施して脱出させる国際的犯罪集団を追うエピソードや、一時帰国した亡命科学者を監禁した独裁国家から脱出させるエピソードなどでは特殊能力が殆ど使われませんでしたが、太平洋の真ん中にある海図にも載っていない小島からアメリカに核ミサイルを発射しようとするテロリストと戦うエピソードは特殊能力使い放題。絶対に書類を持ち出せない部屋にある情報を手に入れるために何百ページもあるファイルを記憶したり、ギリシャ語とアラブ語で書かれた解読不能な暗号に挑んだりする彼らの特殊能力自体をテーマにしたものもありましたな。

特殊撮影に金をかけず、納得できる特殊能力でミステリアスな事件を解決していくところに、このドラマの特質があります。

 

『秘密指令S』は、『電撃スパイ作戦』と同様に不可解な難事件に挑む英国製スパイドラマ。日本テレビ系列で1969年11月26日より放送開始されたのですが番組編成上の都合から18話で放映が一旦休止。その後、『特命捜査官キング』にタイトルと放送時間が変更され、残りの19~28話が放映されました。私は前半のエピソードはリアルタイムで何本か観ています。

主人公はICPO(国際警察)の3人の特命捜査官。S-№1のジェーソン・キング(ピーター・ウィンガード)は、推理小説家で豊かな想像力でもって事件を解決。S-№2のスチュアート・サリバン(ジョエル・ファビアニ)は、シャープな頭脳とスピーディーな運動神経で身をもって事件にアタック。S-№3のアナベル・ハースト(ローズマリー・ニコルズ)は、コンピュタープログラマーで事件を科学的に裏付け調査。そして、秘密指令を発するのは国連外交官のカーティス・セレステ卿(デニス・アラバ・ピータース)です。ちなみに、Sは“Special”の頭文字。

到着した旅客機に乗客・乗員がひとりも乗っていないという怪事件。宇宙服姿の男がロンドンの裏通りで死亡する事件。車に乗り込んだ男が、到着時に白骨化していた謎。売りに出ていた工場にスペイン風の豪華な部屋が建てられ、中に奇妙な少年と殺された女が閉じ込められていた謎。ロンドンでオペラを観に行った男が、3日後にタキシードを着たままメキシコの砂漠で発見されるエピソードなど、プロローグはかなり奇抜な内容で始まり、それを3人の捜査官がそれぞれの特技を駆使して謎を追究するという趣向。普通の殺人事件などではなく、不可思議な事件のみを扱い、論理的手法で解決するのが面白かったですね。レコード化された軽快なオープニングテーマもグッド。

主人公のひとりジェーソン・キングのキャラクターが人気を呼び、彼を主人公としたスピンオフ『作家探偵ジェイソン・キング』も製作されていま~す。

ちなみに、スパイブームについてはココヘ⇒スパイブーム | 懐古趣味親爺のブログ (ameblo.jp)