涙をありがとうと星と俺とで決めたんだ、ついでに友を送る歌 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

日活はヒット歌謡曲をモチーフにした歌謡アクションを得意としていましたが、西郷輝彦を主演にした青春歌謡アクションが『涙をありがとう』と『星と俺とできめたんだ』です。

『涙をありがとう』(1965年・日活/監督:森永健次郎)は、西郷輝彦が日活初出演した歌謡アクション。

七年前に刑事の父といさかいを起こし、船乗りとなって家を飛び出した英也(高橋英樹)が神戸に帰ってきます。父の同僚だった結城(菅井一郎)が経営するバーで沢島組に絡まれている流しの輝夫(西郷輝彦)を助けたことから英也は輝夫に兄貴と慕われるようになるんですな。拳銃密売組織を張り込んでいた刑事の父が殺され、英也は仇をとることを決意。拳銃密売には沢島組が関係していることを知った英也は、沢島(二本柳寛)の用心棒となって潜入。輝夫は沢島の情婦マユミ(久保菜穂子)の妹・美知子(和泉雅子)と知りあい、沢島組に入ります。堅気になることを条件に沢島の身代わりとなって入獄していた輝夫の姉(山本陽子)の恋人が出所しますが、秘密がばれることを恐れた沢島に殺され、輝夫は殺したのは英也とふきこまれ……

粗っぽい物語展開で、褒められたものではありません。歌にアクションに活躍する西郷ファンへのサービス作品ですな。主題歌の他に、「十七才のこの胸に」「青年おはら節」「君はピンクのカーネーション」を劇中で歌っていま~す。

 

『星と俺とできめたんだ』(1965年・日活/監督:井田探)を観る。西郷輝彦と渡哲也が共演した青春歌謡アクション映画。

学生チャンピオンの星川健次(西郷輝彦)とアメリカ留学から帰国した大日向三郎(渡哲也)は全日本剣道選手権の優勝候補。二人は三郎の姉・菊子(香月美奈子)がマダムのナイトクラブで出会います。クラブでは健次と健次の死んだ兄の許婚者だった高倉マリ(十朱幸代)が歌っており、三郎はマリに恋しており、マリをめぐって騒ぎをおこしたヤクザを健次と三郎が撃退。健次の兄はモーターボートの新型エンジンを発明しており、試運転中に事故死。その事故は菊子のパトロンである敵会社の雨宮(神田隆)が仕組んだものであり、雨宮は健次の叔父・稲垣(北竜二)を重役にするからと抱き込み、兄の発明を奪おうとしています。雨宮と稲垣の密談を目撃した健次は、雨宮が雇ったヤクザ(高品格)たちに襲われて負傷。マリに横恋慕した雨宮にマリは襲われますが、三郎が雨宮を殴りとばして助けます。全日本選手権で健次は負傷をおして勝ち進み、決勝で三郎と対決し……

健次と三郎は、マリを巡っての恋と剣道のライバル関係。健次は剣道では勝ちますが、恋では三郎に負けます。これに健次の兄の事故死事件がウジャウジャ絡んで、ラストは二人で悪党退治。物語展開は散漫で、出来の良い作品ではありませんが、西郷輝彦と渡哲也のカッコ良さだけは見せています。

西郷輝彦は劇中で主題歌の他に「銀の雨降る煉瓦道」と「恋人ならば」を歌っており、十朱幸代も歌うシーンがありますが、こちらは吹替え。松原智恵子が健次を恋する稲垣の娘役で出演していま~す。

 

『友を送る歌』(1966年・日活/監督:西河克己)は、力強い男の友情と、それを見守る清らかな乙女の交流を描いた青春歌謡アクション。

船乗りになることを夢見る良夫(舟木一夫)は、同じ夢を持つ親友の玄一(山内賢)を、2年後に会う約束をして故郷の北海道で見送ります。2年後に良夫は玄一のいる横浜にやってきますが、玄一は行方不明。バッグを盗まれ、困っているところを食堂の娘・みどり(和泉雅子)に助けられます。1年前までみどりと玄一は親しい仲でしたが、現在は音信普通。ハシケの船長・田山(二谷英明)と知りあい、良夫はハシケで働き始めます。休日にみどりと中華街に出かけ、偶然、玄一と再会。玄一は外国航路に乗っていたと語りますが、みどりは玄一が信じられません。玄一は、ヤクザの黒沼(土方弘)の下で密輸品の運び屋をしており……

舟木一夫がヤクザ相手に格闘シーンを見せてくれます。といっても、二谷英明の強力な助っ人があるんですけどね。父(江戸屋猫八)を愛する和泉雅子の、子供の頃に別れた母親とのセンチメンタルな再会を交えて、型通りの展開で、型通りの夢あるハッピーエンド。舟木一夫は主題歌の他に、「今日かぎりのワルツ」「太陽にヤァ!」を劇中で歌っていま~す。