仲間たちと東京は恋する、そして北国の旅情 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

舟木一夫は自分のヒット曲をモチーフにした大映の『高校三年生』で映画デビュー。映画のヒットにより各社から引っ張りだこになりますが、特に日活での青春映画が数多くあります。

『仲間たち』(1964年/監督:柳瀬観)は、若いトラック運転手が、どんな時も寄り添ってくれる恋人や仲間たちに支えられながら成長していく青春讃歌。

東北の田舎から出てきたトラック運転手の光弘(浜田光夫)は、バスの車掌の節子(松原智恵子)に一目惚れ。1日中、節子のバスに乗り、割り込み乗車の客を手際よくさばいて節子を助けたことから仲良くなります。デートの帰りに光弘が案内したのは、同じ村出身の親友・和吉(舟木一夫)が働く餃子屋。和吉も節子に密かに想いを寄せていましたが、自分の想いを心にしまい、二人の交際を見守ることにします。光弘は節子との将来を考え、自分のトラックを持って運送屋になろうと決意。トラックを買うために休みを減らして極限まで仕事に没頭する光弘は事故を起こしてしまい……

これは浜田光夫の映画です。それで相手役は格上の吉永小百合でなく格下の松原智恵子。舟木一夫は、デビュー作『高校三年生』と同じような、恋する二人を支える心優しい親友役。主題歌の他に、「俺の眼玉に雨が降る」「夜更けの街の物語」「あゝ青春の胸の血は」を劇中で歌っています。内容は、周りは好い人ばかりで、型通りの展開で、型通りの夢あるハッピーエンド。スパイダースに入る前の堺正章が、浜田光夫が運転するトラックの助手役で出演していま~す。

 

『東京は恋する』(1965年/監督:柳瀬観)も、舟木一夫のヒット曲の映画化。美大を目指す青年とバンドの成功を夢見る青年の、恋と挫折を描いた青春歌謡映画です。

美大入学を目指しながら看板屋で働く明男(舟木一夫)は、雨の日にミチコ(伊藤るり子)に出会い一目惚れ。ミチコが落としていったマスコットを拾います。高校時代の親友・健次(和田浩治)と再会したことで、明男は看板屋の主人・文太(葉山良二)の家から健次のアパートへ引越し。洋品店で働くミチコと出会います。しかし、ミチコは健次を愛しており、明男は胸の内を明かせません。健次もミチコを愛していますが、仲間を集めてバンドをやっており、ミチコとの結婚に踏ん切りがつきません。ナイトクラブのオーナーの娘・玲子(山本陽子)の伝手で、健次のバンドがクラブで演奏できることになり……

舟木一夫は、この作品でも恋する二人を支える心優しい親友役。主題歌の他に、「七ツの子」「椰子の実」「虹のむこうに」「成人のブルース」を劇中で歌っています。内容は、周りは好い人ばかりで、型通りの展開で、型通りの夢あるハッピーエンド。スパイダースに入る前の堺正章が、看板屋の助手役で出演していま~す。

 

『北国の旅情』(1966年/監督:西河克己)は、大学の同級生を訪ねた青年が、そこで起こる結婚問題に巻き込まれる青春歌謡映画。

同級生の金井由子(十朱幸代)から婚約の手紙を受けとった英吉(舟木一夫)は、冬休みを利用して由子の故郷である北国の町を訪ねます。英吉からの訪問の手紙を受け取った金井家は大騒ぎ。由子の婚約者は町一番の実力者である蔵元・河原(東野英次郎)の一人息子・健二(山内賢)で、両親(江戸屋猫八と初井言栄)は良縁が壊れることを恐れたんですな。由子は出かけていて、手紙のことも、大騒ぎのことも知りません。金井家に英吉がやってきて、両親があたふたするなか、祖母(北林谷栄)が英吉を招き入れて歓待。由子が帰ってきて、英吉の来訪に驚きながらも喜び、家が大騒ぎになっていたことも知ります。英吉は由子が好きでしたが、由子から健二を愛しているから婚約したと言われ、スキーを楽しむために山へ。由子の妹・妙子(小橋玲子)は、英吉が去った後、泣いている由子を見て、本当は英吉を愛しているのに婚約披露宴を開く姉の不誠実を憎み、山に行きます。妙子がいつまでも帰らないので、捜索隊が出発。一方、英吉は山小屋に妙子がいたので驚きます。訳を聞いて妙子を説得した英吉は、彼女を背負って下山。英吉は、健二と由子は生活と結びついた愛であり、自分と由子は学園の中での友情と悟り……

どの作品も、舟木一夫は恋する人とは結ばれない設定。この映画を観にくる舟木ファン(女性)のことを考えたんでしょうな。何かと優等生の姉と比較されて悩む小橋玲子の妙子役は、ポスターやスチールでは何故か出演していない橘和子です。何があったのかなァ。ちなみに、舟木一夫は主題歌の他に、「おやすみ恋人よ」「高校生音頭」を劇中で歌っていま~す。