くれないお仙と花笠お竜 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

腕もたち、色気も充分な女渡世人・くれないお仙と、その子分・かみなりお銀。この女2人のおとぼけ道中記が『旅がらすくれないお仙』(NET=現:テレビ朝日系列で1968年10月6日~69年9月28日放送)です。

重山規子が主演した『おせん捕物帳』が好評だったことから、NETは色気のある女性アクション時代劇を東映テレビに提案。男2人の道中記『素浪人月影兵庫』の女性版ということで、棚下照生の劇画をドラマ化します。主人公のお仙は、黒繻子襟のイキな装いに手っ甲・脚絆、髪には紅かんざし、大きく割れた胸元にこぼれんばかりの色気をたたえ、バクチに滅法強く、イザとなると抱えた三味線に仕込んだ小太刀で直伝の腕の見せどころ。並みいる悪親分衆も相手になりません。誰言うとなく、その名をくれないお仙。男の胸毛が弱点というのは、ご愛敬でしたな。演じるは、『琴姫七変化』で見事な殺陣を見せてくれた松山容子。主題歌「旅がらすお仙のうた」まで歌っています。

お仙の子分は、威勢のいい跳ねっ返りな女スリのかみなりお銀。衣裳はミニスカの和服。そこからムチムチした太腿をむき出して、与太者たちを蹴っとばします。ミニスカの下は虎皮のビキニ。お銀は雷ゴロゴロに弱くて、それを克服するためにカミナリ様のかっこうをしているのね。演じるは、この作品が俳優デビューの大信田礼子。彼女が語るところによると、モデルを辞めて京都の実家でブラブラしていて、東映の撮影所を見学していたら誘われたとのこと。モデル時代が3万円だったのに、出演料が月25万円と言われてすぐに決めたんですな。松山容子が「脱ぐのは絶対にイヤ!」と断ったために、大信田礼子がミニ着物にナマ脚スタイルで、お色気専門の役どころとなりました。その脱ぎっぷりのよさで、男性視聴者の目を楽しませてくれましたな。『旅がらすくれないお仙』の後を継いだ『緋剣流れ星お蘭』(1969年10月5日~70年3月29日放送)でも大信田礼子のかみなりお銀は続登。

『緋剣流れ星お蘭』の主人公・お蘭(花園ひろみ)は、さる藩の姫という高貴な身分を捨て、女殺し屋としてかみなりお銀とコンビを組んで世の悪を平らげて歩く道中記。松山容子の殺陣と比べると花園ひろみの殺陣は今イチでした。

 

ミニスカ女股旅物として『緋剣流れ星お蘭』と同時期に放映されていたのに『女殺し屋花笠お竜』(東京12チャンネル=現:テレビ東京で(1969年10月4日~70年3月28日放送)があります。花笠お竜(久保菜穂子)と呼ばれる鳥追い女が、女スリのフーテンお巻(カルーセル真紀)と組んで道中で巻き起こる事件を解決。この二人に絡むのが、無実の罪で逃亡の旅を続ける蘭学医・九郎太(長門勇)です。

主人公のお竜は、紅い花をつけた笠に、ヒザ上15センチのミニスカ和服、“竜”と書かれた三味線を持つ女殺し屋。三味に仕込んだ居合の腕で、悪党退治です。奴らの悪行を一つ一つ数えあげ、三味線の弦を切っていきます。「次に三味がジャンと鳴りゃ、斬るよ!」弦を全て切ることにより、仕込み刀が抜けるようになっているんですな。

お竜のミニスカより凄いのが、お巻の股下0センチの着物。大きくはだけた胸元に、チラつく黒パンティ、太腿には牡丹のイレズミ。『旅がらすくれないお仙』と同じ棚下照生の原作ですが、“お仙”以上にアクションと色気をアップ。途中で長門勇は『新・三匹の侍』に出演するために降板し、新たに南弘子の太腿あらわな女殺し屋・鈴ヶ音おりんが登場。おりんの必殺技は伸縮自在の投げ縄。これが鈴の音で槍のようにピン!と伸びて敵を突き刺すんです。フーテンお巻も途中で殺され、すぐにその妹・ハンターお巻(当然、カルーセル真紀ね)が登場。八方手裏剣と忍術で奇想天外なアクションを繰り広げます。女三匹が行くところ、血の雨が降り、ミニスカ和服のお姐さんが大股開きでタンカを切るんですよ。主題歌を歌っているのは都はるみで~す。