海底大戦争と緯度0大作戦 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

海底を舞台にした特撮映画に日米合作の『海底大戦争』と『緯度0大作戦』があります。

『海底大戦争』(1966年・東映/監督:佐藤肇)は、サイボーグ半魚人による海底王国を築こうとする科学者に日本人記者とアメリカ人女性カメラマンが立ち向かうSF映画。

アメリカ海軍の潜水艦による新型水中ミサイル実験中、モニターに謎の人影が映ります。取材中だった記者の安部(千葉真一)とカメラマンのジェニー(ペギー・ニール)は謎を探るために、人影の現われた海域を潜水調査。ジェニーが半魚人を目撃しますが、カメラを海底に落とします。ジェニーと安部はブラウン中佐(フランツ・グルーパー)に報告しますがブラウンは信用せず、二人はカメラを探しに行って謎の洞窟を発見。半魚人に襲われて捕まり、謎の海底基地で目覚めます。世界征服を企むムーア博士(エリック・ニールセン)は、二人を仲間になるように勧誘。そして、ハイム博士(マイク・ダニーン)が行う半魚人改造手術を見せます。ムーア博士は野望のためにハイム博士たち改造人間の専門家を集め、人間をさらっては自我のない半魚人に改造し、海底王国の兵士として育成していたんですな。一方、ブラウン中佐は行方不明となった二人を捜していて、ジェニーのカメラを発見。二人が言っていてことが真実とわかり、ムーア博士の海底基地を見つけます。ムーア博士はブラウン中佐の潜水艦をミサイル攻撃。ブラウン中佐も反撃し、海底基地のミサイル発射場を破壊。その衝撃を利用して安部とジェーンは半魚人コントロールを破壊。半魚人が人間を襲い始め、基地内は大混乱となり……

日本で撮影されていますが、日本人は主人公の千葉真一と基地技官役の室田日出夫他数名。日本在住の外人俳優を使った海外向け作品ですな。特撮が売りなので演技力はどうでもよかった感じです。半魚人改造シーンは、照明効果と巧みに組み合わせたコマ落しによって不気味に演出しています。東宝の特撮と比べるとチープさは否めませんが、A級作品にはないB級作品の愉しさがあります。

 

『緯度0大作戦』(1969年・東宝/監督:本多猪四郎)は、ハリウッドスターを起用して、海底王国の戦いを描いた日米合作のSFアクション。

潜水球で海流調査をしていた田代博士(宝田明)、ジュール(岡田真澄)、それに取材記者のロートン(リチャード・ジェッケル)は海底火山の爆発に巻き込まれます。国籍不明の潜水艦α号が彼らを救出。ジュールが重傷を負っており、α号は海底2万メートルにある緯度0基地へ向かいます。途中で地上征服を計画しているマリク(シーザー・ロメロ)の潜水艦・黒鮫号が攻撃してきますが、マッケンジー艦長(ジョゼフ・コットン)の見事な操縦でα号は緯度0基地に逃げ込むことに成功。緯度0基地は人工太陽が輝く海底の楽園で、争いごとはなく、行方不明や死んだと思われていた科学者が世界中から集まって研究を続けています。マリクは、緯度0に来る予定だった岡田博士(中村哲)と娘の鶴子(中山麻理)を拉致。マッケンジー艦長は田代たちと改造されたα号でマリクの基地ブラッドロック島へ岡田博士父娘の救出に向かいますが……

海底火山の噴火に巻き込まれる潜水球や、黒鮫号に攻撃されるα号の特撮は見応えありますが、ブラッドロック島の救出劇は何じゃコリャです。大ネズミや蝙蝠人間、グリホンの特撮が酷すぎます。メカニックの戦いに焦点を絞れば面白いものになったと思うのですが、中途半端な尻すぼみな作品。伊福部昭の音楽も今イチだったなァ。